えんじ色心中

真梨幸子 / 講談社文庫
(17件のレビュー)

総合評価:

平均 3.2
1
4
7
3
0
  • 手強い作家さん

     真梨さんの作品を読むときは心してかかろう。
    そう思わせるほど「フジコ」は衝撃的で、それから3年やっと辿り着いた3冊目がこのタイトル。
    「フジコ」のようにドロドロの激情ではなく「えんじ色」はどちらかというと沈殿、閉塞感。
    こちらの方がよりダークな感じがしました。

    話の発端となるのが16年ほど前に起こった「西池袋事件」、それが起きる以前と以後の現在に、
    「僕」という小学生と、生活に窮するライターの「久保」、それに事件の公判の様子が挿まれて
    物語はすすんでいきます。

    プロローグがある人物の生い立ちの語りから入るので、それ以後二人の登場がどのように繫がって
    いくのかが読み応え。

    受験・家庭内暴力・派遣労働、崩壊していく人間関係に織り交ぜた宗教色が更に物語をリアリスティックに
    している。宗教に傾倒する人間の側面が救いになっていない事が皮肉でもあり、
    話に奥行きを出していたようにも感じる。

    ほんとに手強い。
    けれど読み終わったあとの、心の塵が洗い流されたような不思議な気分。何だろう。
    やはり脱帽です。

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    投稿日:2015.09.08

ブクログレビュー

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  • みず

    みず

    真梨幸子初期作品。それ故にか読みにくさが否めず、読了までになんだかだらだらと時間をかけてしまった。結論・種明かしをギュッと凝縮し、そこにいたるまでを2つの時間軸を行き来しながら辿っていく。構成やネタとしてさすが真梨幸子だなあという節もあったが、読了後の後味としては正直に、わかりにくかったなあ、と。続きを読む

    投稿日:2020.05.04

  • yajjj

    yajjj

    派遣と下請け、受験戦争、昔の事件。わかりづらかったのが最後に全部つながる、が。デビュー2作目とのこと。

    投稿日:2019.12.22

  • ウロタンケ

    ウロタンケ

    このレビューはネタバレを含みます

    湊かなえ以外のイヤミス作品も読んでみようと思って買ってきた。
    この作品のフリーライターのように、自分も気付いたら身動きできない状況に陥る可能性があるということは、普段から考えていたことなので、すごく親近感が沸き、どんどん読み進めることができた。

    読み始めてからこの作品の評価が低め(☆2後半)なことに気づき、もしや色々な謎が作品中では解説されず、読者が考えろ系かと不安に思ったが、ちゃんと謎が解かれていたのでひと安心。

    最後の解説の冒頭で、この作品は「イヤミス」とは違う的なことが書いてあり驚いた。確かに謎が解けてスッキリしている自分がいるので、イヤな読後感はあまりない(笑)
    まあどちらにしても、私はこの作品は好きです。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2018.02.14

  • キー

    キー

    このレビューはネタバレを含みます

    2005年に刊行された、真梨幸子作品の2作目。「イヤミス」という言葉も無い頃の作品で、「イヤミス」を期待するとちょっと地味な内容に思えます。
    全編、ひたすら沈鬱な雰囲気が漂い、一応意外な結末は用意されていましたが、そこにはほとんどカタルシスが無いような感じです。
    詠み終わり、この感じ、何かに似ている、と思い出したのは、2004年に日本で公開された韓国産ホラー映画『4人の食卓』を観終わった時の感じですね。ストーリーは全く違いますけど、両方とも終始陰鬱だし、過去の事柄の現在への関わり方とか、幽霊が出てくるけどそれが単なる脇役であるところとか、結構似ています。
    この作品の中で、結構マニアックなホラー映画のタイトルが出てくることから考えると、作者の真梨幸子さん、かなりホラー映画に詳しそうです。ホラー映画好きということならば、『4人の食卓』が元のイメージとしてあったかもしれません。
    それはともかく、非正規雇用で働く主人公の男性の、ホームレスとして生きるという逃げ場所も無い、という行き詰まり感の描写が、自分のように非正規雇用で働く身には読んでいて中々辛く、普通の「イヤミス」よりも、よっぽどイヤーな気分になれましたよ。

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    投稿日:2017.08.05

  • パラボス

    パラボス

    2017年、17冊目は真梨幸子。

    あらすじ:派遣社員と二足のわらじを履く、フリーライターの久保。若さにまかせ、連続の徹夜で二つの仕事をこなしてゆく。そんな時、16年前のエリート中学校と進学塾にまつわる「西池袋殺人事件」が再びクローズアップされ始める。彼もまた、その進学塾から、エリート中学校に進んだ人間だった。

    読ませる力は充分にあったが、クライマックス、オチは……。多くの登場人物と、複雑な人間関係。ソレがスパッと解決されるモノではない。また、真梨幸子流のイヤミスを期待すると、手元で変化して、的を狂わされるといった感じ。

    全体的に覆うのは、えんじ色と言うより、ダークグレーな空気感。特に主人公の台詞は「」括りがナイので、心情なのか、発せられた言葉なのかの判断が難しい。おそらく、その辺は作者の狙いだろうが……。

    デビュー二作目。真梨幸子の原点と考えると興味深い点も多々ある。キーワードを挙げておきましょう。「(ローリング・ストーンズ)ブライアン・ジョーンズの死」「新興宗教」「月刊グローブ」他の真梨幸子作品と地続きな原点と捉えるのも、また、一興。
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    投稿日:2017.04.26

  • fumi19850511

    fumi19850511

    暗い暗い感じ。告白を何ヶ月か前にみたので、解説でこれがイヤミスと言われる部類だと知る。救いようのない嫌な感じを残すミステリーということか。もうちょっとあっという部分が欲しかった印象。

    投稿日:2016.12.17

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