【感想】古事記ワンダーランド

鎌田東二 / 角川選書
(1件のレビュー)

総合評価:

平均 2.0
0
0
0
1
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • キじばと。。

    キじばと。。

    『古事記』をテクストとしてではなく、「うた」や「舞」による神話的生命との共振として捉えなおす試みと言えるように思います。おそらくは、折口信夫の著作を読むような仕方で本書を読むことを、読者に求めているのではないでしょうか。

    『古事記』には、数多くの歌謡が含まれており、歌物語や芸能的な要素を持っています。天地自然に対する祭りがあって初めてまつりごとがある、つまり神事優先こそが古代歌謡のコスモロジーだと主張する著者は、『古事記』に登場するさまざまな神々のエピソードを紹介しながら、彼らがどのように歌い、どのようにまつりごとをおこなってきたのかに注目しています。

    また著者は、『ギルガメシュ伝説』や『旧約聖書』、『アーサー王伝説』といった世界各地の神話や物語と『古事記』の内容を比較していますが、そこでも問題になっているのは、テクストとしての神話の根底にあると想定されている、身体的な共振に根差した生命との感応のあり方の違いであり、いわばそれぞれの神話の「しらべ」や「ひびき」に耳を傾けることで、『古事記』の独自性を明かしているように思われます。

    少し気になったのは、著者は『古事記』において神々の「笑い」が「咲ひ」と表記されていることに触れて、神々の笑いに花が咲くような生命の原理を見ようとしている点です。これは順序が逆ではないかと思うのですが、いかがなものでしょうか。
    続きを読む

    投稿日:2017.01.25

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

セーフサーチ

  • アダルト(性表現・暴力表現)

  • グラビア

  • ボーイズラブジャンル

  • ティーンズラブジャンル

ONにしたコンテンツはトップや検索結果で表示されません

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。