【感想】少女七竈と七人の可愛そうな大人

桜庭一樹 / 角川文庫
(303件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
61
94
95
14
1
  • 特筆することは

    世界感は分かる。ただ,ちょっと引き込まれるものがない。
    という印象です。

    最近,続けて読んでいる作家さんなので,それなりには面白かったですけれど。
    「砂糖菓子の弾丸はうちぬけない」とか「赤xピンク」の方がおすすめです。

    もっとディープな設定でも大丈夫という人には「私の男」も面白いですよ。後味は悪いですけれど。
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    投稿日:2015.07.21

  • 呪いのかんばせ

    七竈は美しい自分の顔を呪いのかんばせと称し嫌っています。
    年を取って美しさを失うことを願っています。
    そのかんばせには雪風との秘密も隠されています。

    この作品は自分も美人、美男子でいつもじろじろ見られて困っているような人のほうが共感できると思います。

    ほかの作品に比べ知名度は低いですが、隠れた名作です。
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    投稿日:2015.08.17

ブクログレビュー

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  • 月詠

    月詠

    美しく生まれてしまった少女『七竈』
    同様な容姿の幼馴染みの友『雪風』
    孤高の2人の青春を可愛そうな大人達が惑星の如く干渉してくる。
    雪の街旭川を舞台に繰り広げられる痛切でやさしい愛の物語
    17歳から18歳のあいだになにが起こる?
    本文中に出てくるこの言葉にその時期にタイムスリップした様な気がした。
    夢があってもなくても、美しくてもそうでなくても、非凡でも平凡でも・・・
    「とくべつな自分と。とくべつすぎる自分と。みんな、そういう自分とむきあって~怒涛のように変化していく季節なのだ」本文中
    自分もそんな季節を過ごしたのだと、遠い昔の事の様な、昨日の事の様な、思いになりました。
    主人公の少女『七竈』の語り(話し言葉)が古風で変わった少女と思わせるところが「昭和」という時代も感じさせてくれた様な気がします。
    七竈という植物にも興味をそそられました。
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    投稿日:2023.11.11

  • m

    m

    このレビューはネタバレを含みます

    語り手がどんどん変わっていく形式。
    自分が美しいがゆえに物心がついた時から
    周囲の人から視線を集めている。
    高校生ながら、自分を見て消費するな
    って台詞がでるのはずーっと見られてきた
    からこそでる台詞なのかなと思った。
    高校生で考える言葉ではないよなあ。

    唯一、心を開いている雪風も、
    成長するにつれて自分と顔が似ている…
    つまり、血がつながっているということ。
    自分の母親と雪風の父親と何があったのか
    想像するのは簡単ということになる。

    そんな雪風のことを好きだったのか
    そういう直接的なことは書かれていなかったけど
    お互い見つめあって、名前を呼び合っていたのを
    見て、そういう気持ちがあったのかなあとも
    思わずにはいられなかった。
    そんな人と血が繋がっていると分かれば…

    自分の母が、自分の住む地域の人と
    誰かのお父さんやおじさんだったりする人と
    寝ていたと分かったらどうするだろう。

    七竈も雪風も後半になるにつれて
    お互い、どんな気持ちで会っていたのだろう。
    それでも母のことを少しでも
    母親と呼びたくて、母親らしいことをしてほしいと
    思う七竈がかわいそうで仕方なかった。

    七人の可愛そうな大人というタイトルだけど
    私は、てっきり優奈と寝た
    男たちのことかと思ったけれど、
    多分、優奈、多岐、梅木、田中先生、
    田中先生の妻、多岐の夫、祖父
    になるんじゃないかなあと思った。

    でも被害にあたのは優奈意外だけど
    優奈も優奈で心が枯れていたんだよなあ。

    すこし大人びたような不思議な口調の
    七竈は一人で生きていくがゆえに
    そういう口調になってしまったのかな。

    誰の視点をとっても
    救われた人がいないようなお話だったきがする。

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    投稿日:2023.10.25

  • ぱぱいや33

    ぱぱいや33

    このレビューはネタバレを含みます

    旅のお共として。少女シリーズ3作目。狭い旭川の地で、美しい七竈と雪風、その周りの大人とビショップの話。急に変わっていく高校の時期。田舎から上京する人間とずっと東京で過ごしている人間とは何か違っているような気がする。何か少女感が強くて、読むのがしんどかった。若い頃に読んでたらまた違った感じ方をしたんだろうなぁ。かんばせ、が度々出てくるけど、意味分からなくて調べたよ。メジャーな言葉なのか?やっぱ美人に生まれなくて良かったと思う。

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    投稿日:2023.10.04

  • ちてこ

    ちてこ

    このレビューはネタバレを含みます

    旭川に住む25歳教師は思う。いんらんになろうと。そして子供を授かった。七竈と名付けた。七竈は祖父のもと、すくすく美しく育つ。なぜならば、相手の男は美しいかんばせだったから。
    ファンタジー。親の業。北海道(寒い地域)の閉鎖性。みんな知り合い。
    作者、北海道出身の方なのかな。寒さゆえ、寒さが身に染みる、そんなファンタジー書くね。
    七竈、雪風。美しいかんばせで幸せになってね。

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    投稿日:2023.09.05

  • 櫻

    このレビューはネタバレを含みます

    機関銃みたいにカメラのシャッターを切る雪風に、心臓がぎゅってした 赤と白の描写が綺麗だったな〜冬に読みたくなる!

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    投稿日:2023.05.24

  • キ・ボンヌ

    キ・ボンヌ

    同期に借りた。感想欄に高評価のコメントが多くて正直驚いた。とある田舎の超美少女を取り巻く物事(彼女の母親の優奈を元凶とした愛憎劇が結構な割合を占める。)が淡々と記されている。七竃と雪風の関係は好きだし美しいなと思うけれど2人の変に堅苦しくて古臭い話し方は気になった。かんばせって文面から意味は察せたけれど聞いたことない単語だった。最初ウザいなってムカついていた後輩の緒方みすずのことは最後ちょっと好きになった。七竃は淫乱な母親を恨んで忌み嫌っていると思っていたけれど案外そうでもないというか甘えたいという気持ちがあるのが以外だった。母親の優奈も別に七竃のことを嫌いでは無いわけだし奇妙な家庭だよね。一般的に美化されがちな恋を『ぐじゅぐじゅに腐った醜くて利己的な感情』って表してるのがなんか良かった。全体を通して何も起こらないし綺麗なのか汚いのかよく分かんないけれどぼんやりと儚い感じの話だった。続きを読む

    投稿日:2023.04.27

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