【感想】右手に「論語」左手に「韓非子」 現代をバランスよく生き抜くための方法

守屋洋 / 角川SSC新書
(25件のレビュー)

総合評価:

平均 3.3
3
8
9
4
1
  • 論語8割、韓非子2割のバランスが重要とのこと

     性善説か?性悪説か?と帯にありますが、別に二つの思想の対決を述べているのではなく、それぞれのエッセンスとなる名言を40選び出し、それを一つ一つ解説してくれた、入門者には誠にありがたい本でありました。
     それぞれの名言には、まず、簡潔なタイトルがつけられ、次に平易な日本語訳、そして、読み下し文、漢文と示されています。そして、それぞれの言葉の真意とするところは?と著者の解説がついています。これがわかりやすくて、また、時折、著者の現代社会に対する思いのようなものが垣間見えて、なかなか興味深いものがありました。
     確かに論語の方はなんとなく知っていても、韓非子の思想に深く触れたことはなかったので、私にとってはその点も面白かったですよ。論語8割、韓非子2割とは、あとがきの中で紹介されているものですが、今の世の中、韓非子の割合をもっと増やしていかないと生きていけないかもしれませんね。世知辛い世の中になったものです。
     40の項目一つ一つは、大変短くまとまっているので、通勤通学途中で読むには最適かもしれません。
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    投稿日:2016.01.10

ブクログレビュー

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  • mamo

    mamo

    「論語」と「韓非子」、どちらも大事な気がするものの、その土台のそもそもの人間観が違うので、それぞれをどう位置づけるかは難しいところ。

    そんなことを思いながら、読んでみた。

    が、残念ながら、あまり役にたたなかった。

    著者は、「論語」のほうにより共感していそうだが、「韓非子」についても、「そういう面もあることは認めざるをえない」「こんなのも大事だ」みたいな感じで、「論語」の理想論を「韓非子」の現実論で補うような感じかな?

    いや、それはそうなんだけど、2つの人間観の違うものをどっちも大事、どちらを何割取り入れるかというバランス論で捉えるようなものではないと思うのですけど。。。

    論語や韓非子の言葉を紹介しながら、それを日本の社会や会社に当てはめつつ、そこから教訓を引き出して、なんか一言感想を書くみたいな感じなのだが、あまり深みのない通り一遍の紋切りコメントが多い。

    なんか、サラリーマンの処世術と昔の日本は良かった的な懐古主義ですね。

    でも、最後まで読んだのは、こうしたディスコースを最近は自ら読むことがなくなってきたので、たまにはいいかと思って。。。。
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    投稿日:2023.01.04

  • シマウマ

    シマウマ

    性善説の論語、性悪説の韓非子、この2つをバランスよく取り入れることが組織運営やコミュニケーションを取るうえで大事。どちらかに偏っても良くない。しかし自分はどちらかというと韓非子寄りである。

    投稿日:2020.09.20

  • junwaka

    junwaka

    著書の意見がいちいちオヤジの説教感あってかなりうざったい。
    名言▶解説▶エビデンスゼロの「最近の世の中はダメ。今こそこの名言の精神が大事なのでは?」的なことをかなりの頻度で言ってくる。「男とはこの名言のようにありたいものだ」とかは1番昭和感あってうざかった。

    これらのコメントで作者の浅さが伝わってきて、論語と韓非子の名言の選別意図や、解説も合ってるのか不安になってしまう。

    しかしその部分をサッと読み飛ばせばまぁまぁの良書だと思う。著者を信じて読み続けられるかどうかが裏テーマ感ある。
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    投稿日:2020.01.15

  • AtoooooC

    AtoooooC

    人間の本性は善であるとする「性善説」と悪であるとする「性悪説」。誰も性悪説の社会など期待していないが、性善説では脇が甘くなるというジレンマがこの世の中には存在する。一言で言い表すならば、「修己の性善説」と「統治の性悪説」。自分の内面を見つめる「性善説」と外の世界に目を向ける「性悪説」のどちらも、もう一度学び直しておこうというのが本書の主旨である。性善説の立場で書かれた「論語」は孔子の言説を弟子達が編纂したものであり、孔子の弟子では孟子が性善説の思想を受継いだ。一方の性悪説は孔子の弟子の荀子が提唱し、その弟子の「韓非子」がそれを受継いだ。

    「子、四を絶つ。意なく、必なく、固なく、我なし」(論語)
    「下君は己の能を尽くし、中君は人の力を尽くし、上君は人の智を尽くす」(韓非子)
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    投稿日:2018.12.22

  • 白汀

    白汀

    孟子と荀子の直接対比は、既に何度も行われていることであり、今それを行っても、目新しい発見は少ないと予想されます。(勿論それは無駄なことではありませんが)  それを考慮してか“はっきりと人の天性は善とは言っていないけれど、発言から判断すると性善説の立場に立っているといえる孔子”と“性悪説の荀子に学び、人間の性は悪だから法によって厳しく統制すべし、という具体例を提示した韓非子”という、少し外したところを持ってくる辺が著者の慧眼だと思います。読み比べて感じたのは、「両方を状況に応じて使い分けるのがベスト」ということ。続きを読む

    投稿日:2013.09.13

  • itomona

    itomona

    性善説の論語の言葉が40,性悪説の韓非子の言葉が40,それぞれ見開きで紹介されている。論語と韓非子を1冊の中で眺めやすく並べたところがミソで、企画としてはよい。ただ、各見開きのエッセイの著者のコメントらしき部分は、思いつきの現代批判・政治批判になっていることが多く、やや安直な印象をうける。エッセイをとばして、タイトルとなっている原典の言葉にざっと目を通すだけ、という読み方でよいかも。韓非子の思想を紹介する軽い読み物としては、なかなかよい。韓非子の言っていることと、新自由主義的な言説、あるいは橋下的な言動が重った。続きを読む

    投稿日:2012.11.20

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