【感想】ミッドウェイ

森村誠一 / 角川文庫
(1件のレビュー)

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  • nakaizawa

    nakaizawa

    (2014.08.28読了)(2007.01.14購入)
    【太平洋戦争】
    副題「血と海の伝説」
    「滄海よ眠れ」澤地久枝著、を読んだ際に、ついでに読めればよかったのですが、500頁ほどありますので、なかなか読み始めるのに覚悟が要ります。
    やっと読み終わって、ほっとしています。ミステリー仕立ての小説かな、と思って読んだのですが、戦闘機乗りの普通の戦争小説でした。
    ミッドウェイ海戦で出会うことになる日本の青年と、アメリカの青年を交互に描くことで、日本の情勢とアメリカの情勢を描きやすいようにしています。

    降幡圭、梅村弓枝、大山雄一、
    ロバート・ウッド、中川寛子、シャロン・ピアス、
    【目次】
    プロローグ
    艶麗な拒否
    復讐受験
    継続した転向
    逆行する潮流
    青春の聖域
    過保護の手当
    最後の夜景
    許されざる卒業
    よみがえらざる夜景
    瓜二つの女神
    死を予感した詩
    天への投身
    要視察の裏切り
    若者の義務
    ぜいたくは素敵
    幻影との交わり
    美しい凶器
    実態のない性媒
    面目のための時間
    操縦桿を握った鬼
    私生児の勝利
    播種された妻
    晒された女神
    火矢の一本
    死装への転換
    火のカーテン
    浮かぶ溶鉱炉
    免刑なき死刑台
    国の破片
    ただ一編の詩
    終章
    主要参考文献

    ●生きている兵器(54頁)
    降幡は人間ではなく、検査される〝物体〟にすぎなかった。軍隊が求めているものが人材ではなく、「生きている兵器」であることが、身体検査を通してわかったような気がした。
    ●早く(94頁)
    「就床動作は起床動作につながる。敵襲時に四分もかかって起床していたのでは、確実に殺されている。軍隊で早くということは生きるということだ。生きのびたかったら、何でも早くすることだ、わかったか」
    ●「国家総動員法」(180頁)
    昭和十三(1938)年三月、国民の使命と財産のすべてを戦争に動員する「国家総動員法」が成立した。ここに総力戦のシステムが完成した。この法律は国民の身体、生命、財産、自由を無条件に提供させることで帝国憲法に認められた臣民の権利と義務を変更し、天皇の大権を犯すとして議会で強く反対されたが、軍部の圧力に押し切られた。三月ドイツはオーストリアに侵入した。五月ドイツとイタリアは事実上の同盟関係を結んだ。
    ●真珠湾攻撃(255頁)
    第三次攻撃を加えるべきだという源田実航空参謀や第一次攻撃隊長の強い主張を抑えて南雲長官は反転引揚げを命じた。分離行動を取った補給部隊との会合に遅れる危険もあったが、真珠湾奇襲の目的を十分果たしたとおもったからである。この作戦の主たる目的は南方資源地帯を手に入れるまで米太平洋艦隊の動きを封ずる時間稼ぎである。
    ●零戦(291頁)
    「いいか、零戦と一対一で格闘戦に入るな。必ず二機以上連係してやれ。ワイルドキャットは零戦に比べて重い。速度、火力、上昇力、空戦性能なに一つとしてかなわない。腕が同じなら必ず食われるぞ。」

    ☆関連図書(既読)
    「滄海よ眠れ(1) ミッドウェー海戦の生と死」澤地久枝著、文春文庫、1987.06.10
    「滄海よ眠れ(2) ミッドウェー海戦の生と死」澤地久枝著、文春文庫、1987.07.10
    「滄海よ眠れ(3) ミッドウェー海戦の生と死」澤地久枝著、文春文庫、1987.08.10
    「家族の樹―ミッドウェー海戦終章」澤地久枝著、文春文庫、1997.05.10
    「永遠の0」百田尚樹著、講談社文庫、2009.07.15
    「新版 悪魔の飽食」森村誠一著、角川文庫、1983.06.10
    「新版 続・悪魔の飽食」森村誠一著、角川文庫、1983.08.10
    「悪魔の飽食 第三部」森村誠一著、角川文庫、1985.08.10
    (2014年11月4日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    ミッドウェイの空に交錯する非情の運命の糸―。昭和17年、太平洋に暗い戦雲が迫りくるなか、日米二人の青年は、自ら国家の命運を担い、空の戦士となった。だが、二人には共に愛を寄せる美しき女性がいた…。歴史の巨大な魔力に翻弄される無念の青春。引き裂かれた想い。「戦争」と「人間」を考える、森村文学記念碑的叙事大作。
    続きを読む

    投稿日:2014.11.04

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