【感想】にんじん

ジュール・ルナール, 窪田般彌 / 角川文庫
(23件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
4
4
11
2
0

ブクログレビュー

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  • shirotantan

    shirotantan

    毒親小説と言われているそうで、読んでみたいと思った。児童文学の単行本を子どもの頃持っていたけど一度も読み終えることができなかった作品。これはストーリーとしてはエンタメ的な「おもしろさ」はないけど、人としてとして考えさせられる作品だと思った。

    最終的には救いがあるけれど、この体験はトラウマとなって実体験をつづったこの作者の生涯にわたって影響したであろうと思う。

    解説はよみごたえあり。
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    投稿日:2024.07.16

  • 英語ワクワク

    英語ワクワク

    原題 Poli de Carotte by Jules Renard
    #英語 タイトルは見つからず。

    愛情を求める少年…でも残酷
    読み終えて複雑な気持ちに
    かわいそうな話、と単純化するのもピンとこないし
    不可解な余韻をくれた本
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    投稿日:2021.07.10

  • nakaizawa

    nakaizawa

    「にんじん」ジュール・ルナール著・窪田般彌訳、角川文庫、1962.07.15
    266p¥300C0197(2021.07.03読了)(2021.06.28借入)(1988.08.20/55刷)
    長年の宿題の「博物誌」を読んだついでに「にんじん」も読んでしまいました。
    予想とは違った内容の本ですね。いたずらっ子があれこれ悪さを企んで親に叱られるという感じの物語とは、ちょっと違いますね。
    にんじんと呼ばれる末っ子の少年が母親からあれこれ意地悪されているという感じでしょうか? にんじんは意地悪されなれて平静を装っている、という感じでしょうか?
    全体を通しての話の筋みたいなものはなくて、エピソード集という感じです。
    ・登場人物
    ルピック氏
    ルピック夫人
    フェリックス 長男
    エルネスチーヌ 長女
    にんじん 次男・主人公

    (表紙カバーの袖より)
    「にんじん」―ルピック夫人は末の男の子をそう呼ぶ。髪の毛は赤く、顔はそばかすだらけだから。
    にんじんは部屋の片隅にうずくまりながら、家族のために役立つ機会を待ちぶせしている。が、母親の口汚いののしりと邪険な態度が、そんな彼の気持ちを打ち砕く。―
    愛に飢え、愛を求めながら、母親のあまりの反応のなさに悩み傷つく少年の姿を生き生きと描き、読者の感涙を誘う不朽の名作!

    【目次】
    めんどり
    しゃこ

    いやな夢
    失礼ながら
    尿瓶
    うさぎ
    鶴嘴
    猟銃
    もぐら
    うまごやし
    湯飲み
    パンきれ
    ラッパ
    髪たば
    水浴
    オノリーヌ

    故意の沈黙
    アガト
    プログラム
    盲人
    元旦
    往き帰り
    ペン
    赤い頬
    しらみ
    ブルータスのように
    にんじんからルピック氏への書簡選
    小屋
    ねこ
    ひつじ
    名づけ親

    すもも
    マチルド
    金庫
    おたまじゃくし
    思わぬ事件
    狩りにて

    最初の山しぎ
    釣りばり
    銀貨
    自分の考え
    木の葉の嵐
    反抗
    終わりのことば
    にんじんのアルバム
    「にんじん」の秘密  宗左近

    ☆関連書籍(既読)
    「博物誌」ルナール著・岸田国士訳、新潮文庫、1954.04.15
    (2021年7月3日・記)
    (アマゾンより)
    「にんじん」は母親から憎まれいじめられる子供の孤独と反抗であるという固定観念がある。しかし、母親はにんじんを憎んでいない。母親からの反応がないことに悩み傷つく少年の姿とみるのが妥当であろう。
    (「BOOK」データベースより)
    にんじんー。髪の毛が赤くてそばかすだらけのルピック家の三番目の男の子はみんなからそう呼ばれている。あだなをつけたのはお母さんだ。お母さんは、にんじんに夜の暗闇のなかをにわとり小屋の扉を閉めに行かせたり、おもらししたおしっこを朝食のスープに混ぜて飲ませたりする…。だが、にんじんは母親のいじわるにも負けずに成長してゆく。生命力あふれる自伝的小説の傑作。
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    投稿日:2021.07.03

  • こむそーや

    こむそーや

    このレビューはネタバレを含みます

    どんな話かは一言で言い表せない。一話一話が2~3ページで収まる短編集のような構成となっている。一見すると、にんじん一人だけが、他の二人の兄姉に比べて母親に冷遇されてひどいことをされるという悲しい話とも捉えがち。しかしにんじんがそのことに関して特別悲嘆にくれ続けているわけではない。日常のことに関して男子のよくある見栄心とかそういった感情が多く書かれている。それに、ではにんじんが聖人君子のような人間なのかと言われれば、ザリガニ捕りのために猫を殺したり、寧ろその対局にあるような行動が多い。そのため、一重に悲劇とは言い切れない。
    この話は恐らくにんじん目線での様々なエピソードを書いているもの。なのでこの話を読んでいくとにんじんの母親に対する心情なんかも段々わかってくる。わかってくるが、物語は特に終始進展も後退もない。一応、最後の話でにんじんは希望を父親に打ち明けるが、これまでどちらかといえば味方だった父親に打ち砕かれて終わる。ここの話で一気に父親に対する読み手の好感度が下がるなぁ。
    このにんじんと母親の関係はどうして生まれたのか、作中では語られない。そこもモヤモヤするし、晴れ晴れとした最後でもないし、読みやすい長さと文章にも関わらず意外とすっきりしない話だという印象を受けた。まぁ何に対しても1つのジャンルにして一言で言い表そうとするほうが無理があるのだろう。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2017.11.30

  • aikow

    aikow

    これは大人が読む本だと今さら気づいた。子供の頃読んだ気がするがたぶん子供向け版だったと思う。赤裸々な自伝である。子供時代の思い出は無邪気なだけではないはずである。両親のいやな面を見たり、残酷なことを楽しんだり(動物だけでなく人に対しても)、異性に性的な感情を抱いたり。みんなが平気で忘れて向き合わない恥ずかしい子供時代。これこそがこの作品の素晴らしさだ。読んだきっかけは大竹しのぶのミュージカル「にんじん」を見たからだが、原作には悪役の母親も正義の味方の女中も純粋な主人公も出てこない。とても人間らしく、時に懐かしく時に失望させられるそんな家族、仲間、知り合いたち、にんじん本人だ。続きを読む

    投稿日:2017.08.21

  • kumapooooo

    kumapooooo

    題名が有名ランキングではかなり上位に来るであろう、しかし実際には読まないよなランキングでも上位に来そう、なんだけども、とりあえずにんじんが何を意味しているかは割とすぐに分かった。母親と息子の関係ってのは今も昔も重要なテーマなんだろうけど、こゆのを心理学的に読み解こうとする現代医学というかカウンセリングの類とか、無い時代には、本を読んで何かを知ろうとしたんだろうか。でもってこれが名作と持て囃されるのは、そこに何がしかの共感を得る人が多いという事なのか。
    しかしガキンチョの頃から銃をぶっ放すような時代を見るに、銃を規制するのと銃犯罪がなくなるのは全く関係ないっていう話か。動物を簡単にぶっ殺せなくなったのが問題という事で、銃犯罪の増加の原因はきっと動物保護団体にあるに違いない。
    続きを読む

    投稿日:2016.02.09

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