【感想】よろこびの歌

宮下奈都 / 実業之日本社文庫
(107件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
31
38
27
1
0
  • 悩める乙女達の物語です。

    自分が高校生だった頃、こんなにいろいろ考えてたかなぁ?と思いました。
    皆が様々な事情を抱えて押し隠して何事もないようにさらっと過ごそうとしている姿が苦しくて切ないです。合唱に関わることで、本当は変わりたいと思っているはずの自分を見つけて、葛藤していく彼女たちを応援せずにはいられませんでした。後半は涙で本が見えなくなっちゃいました。
    彼女たちの『麗しのマドンナ』に心がふるえる瞬間を味わってみたいです。
    続きを読む

    投稿日:2015.10.07

  • 惰性で過ごしていた高校で何かが変わった

     あるきっかけから,惰性の高校生活が変わった。女子高2年のあるクラスのメンバーの各視点から,抱えていた問題が少し動き始める瞬間が描かれています。
    この続編にあたる「終わらない歌」がおすすめですが,それの前にこれを読んでおきましょう。続きを読む

    投稿日:2016.03.06

  • 進め

    音楽家の娘で、音大附属高校に行くのが当たり前と思っていた御木元玲。
    しかし、受験に失敗し、音楽とは縁もゆかりもない女子高に進学します。
    その事に納得がいかず、誰からも距離を置き、何もかもしらけきった生活を送ります。

    しかし、2年の合唱コンクールで、指揮者に指名されてから、少しずつ変化が生まれます。
    その変化を起こさせてくれたのは、音楽と何のゆかりもないけれども、何かに挫折したり、
    希望を見いだしたりしている今まで交わることのなかった周りのクラスメート達だったのでした。

    同級生の1人1人に物語があり、その人生に白黒つけることだけを求めるのではなく、お互いを認め合いながら、
    未来に進んでいく姿に感動と清々しさを感じます。

    人生は、良い時もあれば悪い時もあり、いつも自分の思い通りになるものではありません。
    それは何も青春時代だけのことではありません。いつだってそうなのです。
    だからこそ、一歩一歩前に進む気概が大事なのだと感じさせてくれる一冊です。
    続きを読む

    投稿日:2017.01.07

ブクログレビュー

"powered by"

  • Sintola

    Sintola

    主人公は、高校受験に失敗して不本意ながら滑り止めの高校に入学。積極的に友人を作らず、学校生活に馴染めない日々が続く中、合唱コンクールの指揮者に選ばれてしまう。当然、合唱コンクールは消化不良に終わるのだが、その先に待っている展開は感動的。主人公を含め、クラスメート1人1人の成長が描かれ、立場・家庭環境・趣味も交友関係も全く異なる少女たちが、1つの歌を通して繋がっていく。

    終盤で「何のためにみんなで歌うのか?」という問いが投げかけられる。これは読者1人1人に対しての問いかけでもある。

    この問いに対して、私は「1人1人の異なる人生が、あの時に確かに繋がっていたことを思い出すため」と答えたい。

    学校行事の中でも、人によって好き嫌いが分かれるものは、クラス対抗の「合唱コンクール」ではないだろうか?私自身も指揮者をしたことがあるのだが、ほろ苦い思い出がある。高校1年生の時に、残りの学校生活に多大な影響を及ぼすくらいの恥をかいた。実際はそこまで気にする必要は無いのだが、自分の中で相当打ちのめされ、長期間ウジウジしてしまった。

    ただし、今でも合唱コンクールのことを思い出すとき、1人1人の表情が蘇る。当時プレッシャーを感じずのびのびと楽しく歌えたのであれば、一生の宝物。そして、数年後に思い出して、クラスメートが幸せに暮らしているのかどうか思いを馳せることも、幸せなことである。

    「仲間を信じること」「(指揮者である)自分1人だけの力では何も成しえないこと」「結果を周囲のせいにしてはいけないこと」を身をもって味わい、高校時代初めての挫折経験となった合唱コンクール。時々思い出して、自分の「弱い心」にシンミリと向き合いたい。宮下さん、素晴らしい小説をありがとう。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.07

  • みたらしだんご

    みたらしだんご

    人はそれぞれ悩みを抱えている。人の数だけ悩みがあるし、考え方も違う。高2の女子高生たちがクラスメイトと「合唱」を通じて、悩みながらも前を向いていく成長の物語。
    彼女たちは自分の現状を悲観し、クラスメイトとは本気でぶつからない。ぶつかっても理解してもらえないという不安と、内側を見せる怖さを感じている。揃って大人たちに当たるのも、若さを感じる。
    こういう時期あったよなぁと思う。宮下さんは登場人物それぞれの心情の書き分けがとてもうまい。
    悩める10代の子たちはもちろん、大人の背中もそっと押してくれるすてきな作品。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.05

  • kasumi-sou

    kasumi-sou

    声楽科の受験に失敗し、女子校へ進学した玲。
    同級生とも距離をとり高校生活を送っていた彼女だが、合唱コンクールをきっかけに音楽にも同級生たちとも関わっていく。

    物語はクラスメイトそれぞれの視点で1章ずつ進んでいく連作短編集。

    それぞれ、家の事や家族、友人、進学や将来について悩みもがく。その姿は青春そのものかもしれないけれど、その時その時を誰もが必死にもがいている。
    合唱コンクールのリベンジに向かい、このメンバーで歌える最後の機会。悩みやもやもやを抱えながらも練習を重ねることで、苦しみからも成長していく姿がとても良かった。
    大人が読んでも励まされる物語。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.30

  • Anony

    Anony

    感想
    誰しもうまく行ってない。だけどそれに気がつけない。自分だけが特別だって思いたいから。でも他人に目を向けられたら。もっと優しくなれる。

    投稿日:2024.01.27

  • sachiiro

    sachiiro

    高校生活が遠い昔のことになってしまったのと、主人公達に共感する所があまりなかったので私にははまらなかった。
    合唱は聴いてとても感動するし、私自身学生時代の合唱コンクールは好きで一生懸命歌うことが楽しかった。
    だからグダグダの仕上がらないまま合唱発表に挑む人達がいる事に驚いた。
    最後に届けたい相手を思い浮かべて歌う、それは未来の自分に、というのは良かった。
    続きを読む

    投稿日:2023.12.31

  • ほげ

    ほげ

    私が中高生の時に感じていた同級生の暖かさがそこにあるような物語でした。部活や行事などを通して仲間と想いが通じ合うということは懐かしいもので、社会人になった今はそれが当たり前のことじゃないんだなってしみじみ思います。忘れてきた気持ちが思い出されるようで、読んで良かったと思いました。続きを読む

    投稿日:2023.11.27

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。