【感想】「読む」技術~速読・精読・味読の力をつける~

石黒圭 / 光文社新書
(46件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
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14
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ブクログレビュー

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  • 1953785番目の読書家

    1953785番目の読書家

    普段何気なく読んでいる際に無意識に頭の中で考えていることを上手く言語化して説明していた。当たり前の事から、盲点であったことまである。この本で言うところの速読で読み進めれば良いと思う。

    投稿日:2023.09.20

  • 横

    第二言語(いわゆる外国語)の習得は、母語である第一言語の習得のさいに構築した言語世界を転移させる形で起こります。
    ですから、第一言語でしっかりした土台をつくっておかないと、せっかく、第二言語を学んでも高度な運用能力は身につきません。
    その日本語の運用能力を高めること、本書で焦点を当てるのは、「読む」という行為です。言語の学習には、「読む」「書く」「聞く」「話す」という四つの技能があるといわれています。
    「読む」ということは、文章に多様な意味を見いだす行為であり、人間の創造力の基盤となる行為である。

    ■読むというプロセス
     ①画像取得活動 文字列を脳内に取り込む活動
     ②文字認識活動 画像として脳内に取り込まれた文字を、文字として認識する活動
     ③意味変換活動 文字列を意味に変換する活動
     ④内容構成活動 脳内の辞書と文法によって意味に変換した文字列を、すでに私たちの頭のなかにある知識やその場の状況と結びつけ、実感をともなうイメージに構成する活動

    ■5つの読む
     ①スキャニング(超速読)表現検索のための読み キーワードを探す
     ②スキミング(速読) 大意把握のための読み
     ③味読(平読)楽しみのための読み
     ④熟読(精読)概念取得のための読み
     ⑤記憶(超精読)内容再生のための読み

    ■速読

    話題ストラテジー:文章を貫く話題が何かを早い段階で見抜き、その話題にかんする知識を利用していこうの理解を迅速かつ適切にする
       内容スキーマー:話題によって活性化するスキーマー
       形式スキーマー:言語形式に関わるスキーマー
     ・あるスキーマ―を「わかった」ら、分かった瞬間から、別のスキーマーを呼び出すことができなくなるので、わからなくなるというジレンマに陥る
     ・速く読みたいから、タイトルや冒頭の文を目に留めて何の話題がどのように展開されるかを簡単にても想像してみる

    取捨選択ストラテジー:速くよむためには、手っ取り早い方法は、読む分量をへらすこと。重要そうなところだけを選んで読む
     ・漢字だけを拾っていけば、文章の内容がだいたいわかる
     ・段落の最初の文に言いたいことがかかれている。
     ・各文の冒頭にある、指示詞や接続詞を重視して、それを軸に文章を読んでいく
     ・文末の「~のだ」「~のである」に注目する

    ■味読

    視覚化ストラテジー:文章を視覚化する、視覚化できない文章もある
    視点のメカニズム
     視座
     注視点
     視野
     視点

    1人称と3人称

    予測ストラテジー:後続文脈の候補を縛ることで理解の侵攻を効率的かつ効果的にする
     関係の予測 深める予測と進める予測
     内容の予測  
    ・文章理解とは、文章を介した書き手と読み手の対話

    文脈ストラテジー:文脈とは文章を理解するさいに使われる書き手と読み手の共有知識
     現場文脈、記憶文脈、言語文脈
     結束性の把握、つながりを理解する
     一貫性の把握、推論や連想によってつながり、まとまりを理解する

    ■精読

    行間ストラテジー
    ・行間をよむとは、書かれていることをヒントにしてかかれてないことを読み手が推論すること
    ・文と文の間に意味のスキマがある場合、橋をかけるような推論を行うこと
    ・精緻化:書かれている情報だけでは十分な理解ができないとき、読み手の頭の中にもっている背景知識を用いて情報を加えることで足りない情報を補填したり、抽象的な内容を具体化したりする推論を行うこと
     理由を考える精緻化と、例を上げる精緻化がある

    解釈ストラテジー:読み手によって異なる内容に到達するのが解釈です。解釈は読み手一人一人の個性によって、文章に新しい価値を付与する創造的な行為です
     比喩、寓話を使う 直喩と隠喩
     自己の専門性、個人的経験、思想的背景を加えてみる
     暗黙の前提を疑う
     抽象的なことばが使われている場合、具体的な言葉を当てはめてみる

    記憶ストラテジー
     読みやすい文章はすっと頭から消えていきます。記憶するために、自動化された理解活動を、非自動化、複線化し、能動的なものにすること。
     理解の速度を落として、脳内に情報を留めやすくすること

     反復読み 構造を組み替えながら試行錯誤しながら読む
     音読 音が理解を深める効果がある、音読すれば、わからないところが、どこだかがわかる
     換言と要約 わからないと、言い換えができない。わからないと要約ができない アウトラインを覚えていれば、その内容を再現できる
     
    目次

    序章 なぜ「読む」技術を鍛えるのか
    第1部 読みの理論
     第1章 「読む」ということ
     第2章 「読む」技術の多様性
    第2部 速読―速く効率的に読む技術
     第3章 話題ストラテジー 知識で理解を加速する力
     第4章 取捨選択ストラテジー 要点を的確に見ぬく力
    第3部 味読―文章世界に自然に入りこむ技術
     第5章 視覚化ストラテジー 映像を鮮明に思い描く力
     第6章 予測ストラテジー 次の展開にドキドキする力
     第7章 文脈ストラテジー 表現を滑らかに紡いで読む力
    第4部 精読―深く多面的に読む技術
     第8章 行間ストラテジー 隠れた意味を読み解く力
     第9章 解釈ストラテジー 文に新たな価値を付与する力
     第10章 記憶ストラテジー 情報を脳内に定着させる力
    主要参考文献
    おわりに

    ISBN:9784334035563
    出版社:光文社
    判型:新書
    ページ数:264ページ
    定価:780円(本体)
    発売日:2010年03月20日第1刷
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    投稿日:2023.07.31

  • キじばと。。

    キじばと。。

    文章の読みかたを、目的におうじて「速読」「精読」「味読」の三つに分類し、それぞれの読みかたを実践するさいのスキルについて解説している本です。

    文章の内容を推測しながら読み進めていくときの「スキーマ」の役割や、とくに小説における視点と文脈の重要性、さらに文章からあらたな意義を読者自身が創発するさいにおこなわれる解釈のありかたなどがとりあげられています。

    日ごろから読書に親しんでいる読者にとっては、本書で紹介されている「技術」の多くは、ふだんから無意識のうちに実践しているものが多いのではないかと思いますが、本書を読むことでそれらの「技術」を読者の一人ひとりが明確に自覚し、読書の目的におうじて実行することで、読書の実を上げることができるのではないかと期待されます。
    続きを読む

    投稿日:2023.03.24

  • モニ

    モニ

    面白くなかった。
    読む気が起きなく、飛ばし飛ばしで読んだ。

    あとで読み返したら感想が違う可能性もあるが現状星2つ。すみません。

    投稿日:2023.03.06

  • ゆきりんパパ

    ゆきりんパパ

    読む行為について、「速読」「味読」「精読」の視点から各々の読み方の考え方を紹介されています。
    読むものの分野に合わせ、それぞれ使い分けする事により効果的な取り込みができる事を説明されています。

    投稿日:2021.11.13

  • 中尾

    中尾

    速読・・・大枠把握のための読み
    →話題ストラテジー、取捨選択ストラテジー

    精読・・・概念習得のための読み
    →行間ストラテジー、解釈ストラテジー、記憶ストラテジー

    味読・・・楽しみのための読み
    →視覚化ストラテジー、文脈ストラテジー、予測ストラテジー

    状況や読書の目的に応じて、上記を使い分けることが大事。速読と精読の両立を目指したくなるが、基本無理なので読み方を意識する。

    ◯予測ストラテジー
    次の展開を予測しながら読むことで、話の論点や言いたいことを読み取りやすくなる。予測が外れることは決してマイナスなことではなく、むしろいい意味で裏切られた気分にさせてくれることもある。

    ◯行間ストラテジー
    直接書かれていないこと、すなわち行間に隠されていることを読み取る。同じようなファクトが並べられていても、ときにバイアスがかかった書き方によって、全く違った印象を与えれることもあるので要注意(cf.メディアリテラシー)

    ◯視覚化ストラテジー
    作品に没頭するために文章をビジュアル化する。どこまで具体化するか、意味づけするかどうかは読者の裁量に委ねられる。小説読解の醍醐味。
    続きを読む

    投稿日:2021.09.17

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