津原泰水 / 創元推理文庫 (21件のレビュー)
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総合評価:
ryunico
3
ラストまで読んで、「憂愁」のタイトルがよくわかる
書籍説明にある通り、前巻『ルピナス探偵団の当惑』で活躍した四人のうち一人が亡くなり、その葬儀で残されたメンバーが顔をあわせるところから物語が始まります。 全四編が納められたミステリー短編集ですが、第一…話「百合の木陰」からラストまで、時間を巻き戻すかたちで綴られていきます。 この時間巻き上げ構成が最後にじわじわと効果を発揮します。 最初に読者が食らう“喪失の悲しみ”が、最終話『慈悲の花園』で高校卒業式のしみじみした空気へと昇華する流れが実に好みでした。 そういう意味で、これはミステリー小説であると同時に、青春小説でもあると痛感。 とりあえず、このシリーズに興味を持った方は『ルピナス探偵団の当惑』から読んでみてください。 『ルピナス探偵団の憂愁』から読んでも話は分かりますが、『~当惑』から読んだ方が登場キャラクターへの愛着が違うし、その愛着こそが読書スパイスになる構成なので、刊行順に読まれることをお勧めします。 続きを読む
投稿日:2014.07.11
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kurione
一行目:煙が上がっていく。 著者が亡くなって、代表作のひとつルピナス探偵団は読んでみたいと思っていた。 タイトルが目に入ったので読み始めたところ、おや?社会人?高校生ではなく。どうやら、シリーズの二…作目だったらしい。 ただ、それでも十分面白かった。 短編ごとに、大学生、高校卒業直前−と、遡る形で構成されているので、第一話の主人公たちの少し距離があるというかぎこちない感じから、最終話にたどり着くまでに本来の絆の強さがわかってくる。 どうやら、途中シリーズ一作目のネタバレもあるようなので、順番通りにいかず残念だったが、早速読んでみようと思う。続きを読む
投稿日:2022.11.24
海と青硝子
いきなりルピナス探偵団が25歳になっていて、しかも摩耶のお葬式から始まるとは、胸を突かれました。 「憂愁」というタイトルどおり、前作「当惑」よりも深いかなしみが漂っているように感じました。
投稿日:2022.11.18
霽
四人での誓いは、時間が過ぎ去っても誰かがいなくなったとしても消えることがないもので、淡い青春と堅固な絆に心が懐かしくも切なくなりました。
投稿日:2022.03.01
なごみーる
ああ、本当に大好きで忘れられない物語になった。 過去へと遡る構成、一作目でははっきりしなかった一人一人の個性や良さがさらに輪郭を増す。 あの日の誓いのシーンでもう涙腺がやられる。 素晴らしい青春小説。… 絶対一作目から読んでください。続きを読む
投稿日:2020.05.30
herbtea
少女文庫かららしい作品から始まった前作と違って、今作はショッキングな内容から始まりました。謎解きは完全に彩子から祀島君に移っていて、今作ではミステリ部分より人物像がくっきりと浮かんできます。最後の事件…と銘打った一話目から一話ずつ時系列が過去へとさかのぼっていく構成が実に上手く計算されていて、友情を、それぞれの人物の人となりをしっかりと描き切っています。そんな状況からの高校卒業時のラスト。この構成だからこそ伝わってくる美しさと切なさと愛おしさ。短編集ですが手に取られるならぜひ前作から読んで浸ってください。続きを読む
投稿日:2019.06.14
yujiogata
20190306 「なんだ」とキリエが威勢よく云うので、得意の八つ当たりが始まるのかと思った。 なんだ、なんだ、なんだ、なあんだ 繰り返しながら百合樹の間を歩きまわる。顔を伏しているので表情は見えない…。 「会えたんじゃん」(p77)続きを読む
投稿日:2019.03.06
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