【感想】明治・大正・昭和 軍隊マニュアル~人はなぜ戦場へ行ったのか~

一ノ瀬俊也 / 光文社新書
(3件のレビュー)

総合評価:

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    [ 内容 ]
    明治期から太平洋戦争期にかけて、軍隊にまつわる「決まり文句」の数々を収録した軍隊「マニュアル」とも呼ぶべき本が多数出版された。
    これらは、出征する兵士が住んでいる村の幹部たちが行った激励の演説、それに応えて彼ら入営者が行う挨拶などを収録したもので、当時の書店でふつうに売られていた。
    この軍隊「マニュアル」を読むと、軍隊という巨大な存在に対する当時の人々の迷いや不安、反抗心といった心のひだが透けて見える。
    本書は、徴兵・戦争という巨大な経験に、近代の人々がどう向かい合ってきたのかを、建前と本音の両面から、ひとつの通史として描く試みである。

    [ 目次 ]
    第1章 軍隊「マニュアル」の出現―明治一〇年代~日清戦争期(徴兵令の通俗解説書 教科書による兵士教育 ほか)
    第2章 発達・多様化する「マニュアル」―日露戦争期(英露に対する敵愾心の昂揚 朝鮮人に対する根深い猜疑心 ほか)
    第3章 平和な時代の「マニュアル」―日露戦後~大正期(なぜロシアに勝てたのか 「捕虜になるくらいなら死ね」 ほか)
    第4章 どろ沼の戦争と「マニュアル」―日中・太平洋戦争期(なぜアメリカと戦争をしなければならないのか 戦争に勝つ見込みはどう説明されていたのか ほか)

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    投稿日:2011.04.07

  • 露草

    露草

    本の帯にあった、「気持ちよくお国のために戦っていただくためのあの手この手の懐柔策」はちょっと違う気が…。

    日本人であるなら、こういう流れになってしまうのではなかろうか、と思った。

    投稿日:2010.01.23

  • ぱち

    ぱち

    出征時の挨拶、出征先からの手紙、軍隊生活の送り方など、兵士向けに書かれた「マニュアル」本を史料として通史的に読み解いていく、という内容。「マニュアル」本であるだけに史料の内容は陳腐だが、その陳腐な言葉を個々の兵士がいかに「自己のもの」として消化していったか、という視点から読み解かれています。「強圧的な権力に、イヤイヤながら従わされた純朴な国民」という一面的な見方ではなく、「マニュアル」の言説を自分の〈身体〉で消化しながら「納得」していった、というとらえ方は、ある意味でフーコー的権力?みたいなものを思わせます。もうちょっと長い感想文を書きたくなった本。(20070130)続きを読む

    投稿日:2007.03.15

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