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綾辻行人 / 講談社文庫 (147件のレビュー)
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総合評価:
つたもみじ
8
他の館シリーズと比べると…少しアッサリ風味かも?
シリーズ第六弾。火災で重傷を負い記憶を失った老人・鮎田冬馬の依頼により、その手記から『黒猫館』の存在を知る事になる鹿谷門実と江南孝明。人里離れた森の中に建つ館に潜む真実とは…。全体的にアッサリ、今まで…のシリーズとは少し違うイメージを受けました。鮎田の手記に最初に違和感を覚えたのは、胃凭れで「身体の左側を下にして」とあった時。右だろ? と、胃痛持ちの私は思った。それから手記部分を丁寧に読み、違和感と、鮎田が彼である事に気付くも、ラストでの謎解きまでスッキリとはいかず。最後はやっぱり成る程…の一冊。続きを読む
投稿日:2015.10.11
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しん
暗い雰囲気
がいい味を出していました。一人称で書かれたという点で、水車と人形に似た印象を受けました。作中に散りばめられた細かな伏線は再読に値します。
投稿日:2017.05.22
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なつ
このレビューはネタバレを含みます
正直前半はイヤミスな感じがしたが、後半からのからくりやスケールの大きさにびっくりしてそんな感情は吹き飛んだ。 けど、私自身手記を読んでて脳内のイメージは冬だったから季節に関しては差ほど驚かなかった。 何かを感じとっていたのかもしれない。 まあ、鋭かったのはそこまでで、館が2つあることは完全にわからなかったなー。 いやに描写が細かいなと思っていたけど、読書に説明する為かなと思ってた。 ってことは海外の黒猫館には死体がまだあるのかー。 氷川はなんかやらかすオーラプンプン出てたから自殺工作も彼の仕業とわかった時、やっぱりな感じがした。 鮎田と天羽の同一人物だったこともすっかり騙されました。乾杯です。 前回に引き続き江南と鹿谷のタッグが最高! 江南自身はワトスンにはなれないと卑下してたけど、私にはもうそのイメージがついてたよ。 これからも二人の活躍がみたい! 次の館も楽しみ。
投稿日:2024.04.04
Naoty
これまで読んできた綾辻作品とは違う新しい切り口で、大体こんな感じだよねと勝手に思っていたイメージが本当に良い意味で裏切られた。 そのため評価が分かれているみたいだけど、逆に自分は『黒猫館』を読んで完…全に綾辻作品の虜になってしまった! 伏線がこんなにも堂々とたくさん張り巡らされているのは初めてで、まるで綾辻さんに「これでわかった気になっていたら大間違いだよ~」と言われているようで、綾辻さんの手の平で転がされているような感覚に喜びを感じた。 「ここ何か変だな?」と思いつつも読む手が加速して止まらない。 最後はミステリー好きでも絶対に見破られないであろうトリックで、変だなと思っていた所を気持ちよく全部回収してくれる。 読んだ後はもう犯人なんてどうでもよくなって、騙されていたことを確認するためにもう一度読みたくなる。 同じく『人形館』も評価がわかれているので悩んでいたけど、迷わず読みたくなった。 やっぱりすごい!綾辻作品。続きを読む
投稿日:2024.04.01
としこし
今回は、記憶をなくした老人の手記を元に記憶を取り戻すために調査する話。東野圭吾の「むかし僕が死んだ家」を思い出した。トリックの構造としてはかなり似ていると思う。雰囲気も。古い館に踏み込んで過去を探るミステリーは好きだけど、当事者だったら私は絶対に勇気がなくて入れない…。 手記を読んで、鹿谷さんがひっかかった点にだいぶ追いついて来たと思う。でも違和感を感じてもそこから答えまでがなかなか難しい…。実際に館に到着して探索してから気づいたことはほぼほぼ一致していたけど、答えは想像を超えて来てたなー。今回の違和感にしても、道民じゃなければ気づくの難しいんじゃないかと思う点もあったり。 いずれの館シリーズも、殺人は何かの因果で隠し通すことができない、と言っているように感じた。今回も、こんな田舎で女の子が1人フラフラしていなさそうな場所なのに、たまたま出会った女の子が死んじゃって、そうでなければ絶対に他の人にバレることはなかっただろうに…。女の子殺しちゃった点があっさり描かれすぎてて、そこの葛藤とかもあればもう少し博士に感情移入できたかもと思った。
投稿日:2024.03.09
プリモプエル
張り巡らされた伏線の数に驚きました。 そしてそれを伏線と感じさせない自然さ。他の箇所不自然さを感じさせられ、思惑通りにその意図に嵌ってしまいました。 真相を知った上で改めて読むと、「確かに…」と心地…よい納得した違和感を味わえます。ぜひ再読をお勧めしたい1冊です。続きを読む
投稿日:2024.02.24
Sayuri
2014年(発出1992年) 451ページ いやあ、前回の『迷路館』のレビューから「飛びます」と知らず知らずのうちにネタバレしてしまっていたではないか!(アホかいな) 今回、小説1冊を1日で読み切る、という、若い頃しかできなかった芸当ができてしまった。それほど綾辻さんの文章は小説の世界に引き込ませる力があるんですね。 今回の舞台は『黒猫館』。東京のホテル火災に巻き込まれて記憶を失った鮎田冬馬。助けられた時に鮎田が抱えていた手記。鮎田冬馬は手記の中で自分が管理人をしていた『黒猫館』を建てた建築家・中村青司の名前を、病院で偶然読んだ『迷路館の殺人』の中に見つけ、作者の鹿谷門実と会いたいという手紙を担当編集者へ宛てて出す。その鮎田冬馬が書いた手記の内容は真実なのか空想なのか? 推理作家・鹿谷門実と出版編集者・江南孝明は、手掛かりを追って、東京から北海道へと旅立つ。 ストーリーは鮎田冬馬の手記と、鹿谷門実たちの現実の動きを交互に描きながら進みます。また、鮎田冬馬の手記が作中作になっている構成です。 この『黒猫館の殺人』。またしても謎解きができなかった自分の口をあんぐりと開けさせました。 文章の中に、巧みに伏線を散りばめてくれているのに、それに気付かない自分って、、、 ミステリーを何冊も読んでいるうちに、同じ系統のトリックって出てくるんですね。でも、そのトリックができないと思わせて、最後にドンデン返しされたり。 でも謎解きできずとも、多くの伏線を最後にきちんと説明してくれる、このスカッと感は最高です。
投稿日:2024.02.13
すみお
やばい、館シリーズで1番好きかもしれない こんな壮大な叙述トリックがあっただろうか 後半のワクワクったらありゃしない もう1回読まないといけない作品ナンバーワン
投稿日:2024.02.11
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