【感想】魂の岸辺

北方謙三 / 集英社文庫
(2件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • kuma0504

    kuma0504

    北方謙三の少年モノである。どうして女が描く少年は小学5年から中学2年までの大人一歩手前になって、男の描く少年は大人になるまでを描くのだろうか。

    眠れなかった。躰の芯の方に痛みがある。佐野とやり合った時より、ずっとひどいようだ。一発一発のパンチがずしりと肚にこたえた。
    やるだけはやった。久我とやりあって、勝てるはずも無いことは、頭のどこかでわかっていた。だからやめる。そうしなくてよかった、と周一は思った。最初からやめていれば、闘う前に負け犬だ。やりあって負けはしたが、それは第一ラウンドの負けのようなものだ。
    寝返りを打とうとしたが、背中あたりがひどく痛んだ。顔も腫れているので、横にはむけられない。仰向けでじっとしているのが、一番いいようだった。
    くやしくはなかった。やるだけやって負けたのなら、くやしくもなんともないことが、はじめてわかった。久我というのは、強い男だ。それを認めるような気持ちはある。(148p)

    1986年「小説現代」初出。古いタイプの男たちが出てくる。最後は高倉健の様な男が怒りを爆発させる。雪は降らない。藤純子の代わりに、周一がそれを見守り、大人の世界に入る宣言をする。負けても負けても強くなる。それは、やがて岳飛の姿にも繋がっていくだろう。
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    投稿日:2012.09.26

  • kagobon

    kagobon

    少年が精神的に男になる話。身体だけ大人の「子供」が多すぎる現代において、ハードボイルドは貴重な人種。けれども、酒・煙草・女・喧嘩が様になる14歳は若すぎてピンと来ない。

    投稿日:2009.10.16

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