【感想】万能鑑定士Qの謎解き

松岡圭祐 / 角川文庫
(52件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
10
19
17
2
0
  • いつも通りの読みやすさといつも以上のスケール

    新刊になるにつれて物語の舞台がどんどん大きくなっていきますが、今回も今までにないスケールの大きさでした。
    それ故に最初読みづらかったのですが、物語が進むにつれていつも通りの見事な謎解きにはまってしまいました。

    いつも以上に時事ネタが多く盛り込まれ、莉子と実在の人物とのやりとりも存在するなど、小説ならではな展開もありましたが、個人的には現実との繋がりがあることで、読みやすく楽しめる作品だと思います。
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    投稿日:2014.06.08

  • せめて実在の人物を登場させるのはやめて...

    万能鑑定士Q、特等添乗員αシリーズについては大変失礼な表現で申し訳ありませんが、ストーリーは荒唐無稽なところがあり、推理・解決法はご都合主義なところがある作品です。それでもそれも含めて楽しんでいますし、異常なまでに読みやすく、なにより読了後の爽快感がとても良い作品ですから、ネット小説を読むときのように気軽に、いつも楽しく読ませてもらっていましたが...

    筆者は時事ネタをよく取り込んでいますが、本著では特にそれが顕著で、韓国の仏像泥棒や中国の複製品問題からインスピレーションを得たと思われるネタが話の本筋となっています。

    いつも通りストーリーや謎の部分については凝っています。いつも通り颯爽と莉子さんが事件を解決してくれます。ただいつもの構成を若干変えているせいか、話が唐突に感じる部分があり、肝心要の犯罪組織の謎を解明するシーンや、最後のシーンについてはいつも以上の超展開に読んでてすごい脱力感...。

    さすがに今回のあまりのお花畑な展開に、楽しめる許容範囲を超えてしまった感じです。せめて日本の総理大臣やの中国の国家主席を実名で登場させるのはやめてほしかったです。

    ただ、他のサイトのレビュー等を確認してみると案外評判が良かったりします。人それぞれですね。
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    投稿日:2014.05.28

  • 人の死なないミステリ「万能鑑定士Qシリーズ」記念すべき20作目。

    本作では「謎解き」という題がつけられているように、ミステリ色がこれまでよりも色濃く出ており、いわゆる「読者への挑戦」までもが用意されている。
    本作の主な舞台は中国。日本と中国がそれぞれ自国のものと主張する仏像と焼き物、それぞれ非公式に日中の中間点である洋上で鑑定を行うことになる。莉子は焼き物の鑑定を依頼され、日本で作られたと鑑定し、合意のもとで日本に持ち帰るが、中国側から強奪されたとの非難があがる。
    いつも以上に時事ネタを盛り込み、中国が抱えるスポーツ選手の養成とそこから落伍した人たちのたどる運命さえも物語に取り込み、千里眼シリーズを彷彿とさせるようなスケールの大きな物語となっている。ただ、スケールが大きい割には動機の部分にやや難があり、そのためにそこまでするか?という思いも拭いきれない。
    それにしても、いつもながら作者の知識量と作品の一定以上のレベルを維持する能力には感心させられる。そして、テンポよく読ませ、あっという間に最後まで読み切らせる筆力もまた健在である。
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    投稿日:2014.07.11

  • いつもどおり

    いつも通りですが、(中々強引なところはありますが)Readablityが高いですね。

    投稿日:2014.10.13

  • 今度は日本と中国の関係やいかに

    中国のコピー製品にまつわる、大規模な製造組織と、日本中国それぞれが所有権を主張する隋、唐時代の仏像、唐三彩の鑑定とその謎、コピアのかかわりは、そして最後に大団円。
    ストーリーや謎ときなど小説としてスイスイと読んでしまいました。悠斗君と莉子ちゃんの今後はかなりハッピーかな?特等添乗員αの浅倉絢奈と壱条那沖はすでにゴールインしてるし~
    設定については大きくなりすぎて無理があるようなな気がするのは私だけかな・・・特に最後の大団円は・・・
    そんな展開になればいいんだけれど
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    投稿日:2014.11.29

  • 日中友好の架け橋に

    今回の舞台は中国です。
    この話に引き込まれる理由に実際のちょっとした社会情勢を盛り込んだりしていることや、具体的な地名や路線を使用していることなどがあるのですが、今回も実に既視感を得られる構成になっています。
    敵はまたしても贋作メーカー、莉子はいかに立ち向かって行くのか?
    最後の結末は従来のシリーズとはちょっと違った解決で社会の闇を使ってきたなと。
    本当にネタギレせず誰も死なない推理小説は続くのであった。
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    投稿日:2015.12.22

ブクログレビュー

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  • maki♪

    maki♪

    いきなりの中国名、かなりの苦手感を乗り越え、無事に了読。
    中国という巨大な国の奇妙さを軸の物語、松岡氏、あいかわらずすごくて、物知りだ。
    いきなりの、週刊角川の小笠原記者から読者の皆様へと言われたときには、まじか、さっぱりわからん。。。と汗
    ただ、弥勒菩薩像を鑑定したウー氏の絶対の自信のつぶやきが気にはなったけど。。。
    中国のスポーツ選手の現実にはそこまでかとびっくりしつ。。。
    無事に事件が片付いてよかった。杉浦氏、やな官僚だ!!
    安倍さんは、この世にいないし!?
    さて、莉子と悠斗はこの先?( *´艸`)
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    投稿日:2023.12.17

  • Hangxi

    Hangxi

    今回はトリックの内容がかなり複雑でした。理解するのに少し時間がかかりました。 それにしても、作者の知識の深さにはいつも感心させられます。政治的な内容も多かったのですが、それがわかりやすく端的に書かれていたので、読んでいて非常に勉強になりました。結末もなかなかいい感じでした。続きを読む

    投稿日:2023.05.14

  • daifukuomochi

    daifukuomochi

    このレビューはネタバレを含みます

    家の積読本を整理していて、昔読んだことがあったけど結末は忘れていたので読み返した
    最初からちょっとしたヒントがあるしトリックは大胆で面白い
    日中関係、作中の作品の師弟関係のようにうまく行けばいいのになと思った あと安倍総理のことを思うとつらい リアリティあっていいけど実在の人物を出すのはかなりリスクがあるかもな〜

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    投稿日:2023.04.04

  • S.R

    S.R

    このレビューはネタバレを含みます

    万能鑑定士シリーズの長編。
    今回は2010年代に問題となった日中関係の悪化を根元に贋作物をテーマとした壮大なストーリーが展開されていく
    今回は表紙に『謎解き』と題されているように途中までに真相を知るまでのヒント・伏線が全て載せられており、最後の真相を明かす前に小笠原がミステリー小説のごとく「読者への挑戦状」がありミステリー小説好きとしてとても面白いと思いました。
    事件の真相はとても驚きの物であった。自分と一緒に行動していた人物がまさかの贋作グループの一員に物語の中でなっていたという所がとても驚きで、今までに無い物であると思いました。見方だと思っていた人物が実は敵で、逆に怪しい人物は全く事件に関与していないというのはミステリーとしては定石の展開なのにも関わらずこれに気づけなかったのは作者の人物描写の巧みさなのだと思いました。
    そして贋作グループの目的がお金儲けではなく自分たちをオリンピックの駒としてさんざん使い捨てた国家に対する復讐であるという所に目的があると言うのがとても意外性があって面白いと思いました。この本の中での日中関係は現実にも起こりうる事でもあるのでどんな風に傷をつけずに落ちをつけるのかが楽しみであったが、まさか両国の職人が交流をした結果作られた物で、この職人達のように両国もともに歩んでいこうとするという所にオチを持ってきたのがとてもさわやかな結末だと感じました。今年、このシリーズを読むのは後2冊、じっくりと読んでいきたいと思います。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    凜田莉子:佐藤聡美
    小笠原悠斗:寺島拓篤
    葉山翔太:中村悠一
    宇賀神博樹:神谷浩史
    荻野甲陽:平田広明
    宮牧拓海:福島潤
    弧比類巻修/黎弥:関俊彦
    林蘭芳:茅野愛衣
    肖外龍:濱野大輝
    佐々木和郎:斧アツシ
    雛暁軍:壤晴彦
    杉浦周蔵:藤真秀
    桑畑光三:園部啓一
    倉本麻耶:長谷川育美
    猪島清仁:佐藤正治
    藤柴隆平:土岐隼一

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    投稿日:2022.11.23

  • E.Mogura

    E.Mogura

    2014年刊行本。Qちゃんシリーズで、読んでなかった本であったので今更ながら購入。

    日中関係は相変わらずギクシャクしているが、当時は著作権や違法コピーの問題もあったんだっけかなぁ。

    最後は日中両国の2トップが実名で登場するというサービスぶりなんだが、関係がもっとギクシャクしている今となっては、おとぎ話のように思えてしまう。

    やっぱ松岡さんの小説は旬の時期(発売直後)に読まないと、面白さも半減してしまう。
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    投稿日:2021.06.16

  • root3

    root3

    スケールを広げたねぇ~国宝の所有を巡る日中間の争いは、戦争の危機を孕んでいく。暗躍していたのは、日本の偽ブランドを送り込んでいる中国の元エリートアスリート達の団体だった。莉子と小笠原は日中を股にかけて謎解きと問題解決に奔走する~まあ、身の程でない広げ方だったかなぁ続きを読む

    投稿日:2019.12.16

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