日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」

水谷竹秀 / 集英社文庫
(21件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
8
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0
1
  • 少しこの本をなめていた、感動作です。

    真面目一筋の男が口移しのキャンディでフィリピーナにはまる悲しさ。
    その夫に当てた妻からの手紙の更に悲しさ。
    単なる社会ルポと言い切れないノンフィクションの秀作です。

    投稿日:2017.12.29

ブクログレビュー

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  • Ryu

    Ryu

    開高健ノンフィクション賞を受賞した作品ということで気になっていた作品ではあるが、タイトルからして、どうせリベラル寄りからの単純な社会批判の作品だろうと放置してきた。
    しかし、暇なので読んでみたところ、なかなか面白かった。確かに、時折、日本社会の構造に疑問を投げかけている部分もあったが、可能な限り事実を重視し、フラットな立場で書かれていたことに好感が持てた。
    読み終わっても、やはり女の尻追いかけて勝手にフィリピン行って、有り金使い果たして帰国できなくなることは完全な自己責任であり、可愛そうとかは思わない。
    しかし、登場する困窮邦人たちの気持ちも分からなくはない。自分が同じ立場なら、フィリピンに逃げたくなるのも分かる。
    読み終わった後、「幸せとは何だろうか?」と考えさせられる作品。
    海外の困窮邦人の情報など知らない人がほとんどだろう。勉強にもなったし、色々と考えるきっかけにもなるので、一度は読んでみるべき良本!
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    投稿日:2020.01.29

  • shinonome_s

    shinonome_s

    オタクは読むべし!とおすすめされて読みましたが、なんと言ったものか…と読み終えて考え込んでしまうような本でした。(そして解説が橘玲っていうのにも納得)

    金も友達も家族も親も国も全部捨てて、プライドと虚栄心は持ち続けて、自分自分自分…どこまでも自分中心にしか考えてない。助けてくれるフィリピン人への感謝の気持ちや自分の境遇への納得と覚悟を著者に話すわりに全然行動や態度が伴っていないところなども本当に自己中心的。
    出てきた男たちには全然同情できないし、男たちを支援しない家族の気持ちもよくわかる。

    が、もし自分がああいう境遇になった時に果たして彼らとは違う対応や反応を著者に返すことができるだろうか…と考えると、出来ないような気もしてくる。

    日本国内で憎しみを募らせて女子供を通り魔的に襲う男や親に寄生し続ける男もいる中、確かに彼らは自分で日本を「捨てて」フィリピンにやってきた。
    彼らに優しさや慈しみを与えることは、日本には出来ないから、彼らは日本を捨てた。だからこの本のタイトルは日本に捨てられたんじゃなくて日本を捨てた、なんだな。

    外務省の人の「この人たちに税金を使うことを国民に説明できない」っていうの、今の国民感情だとそうなるよね…と。
    私だって「はぁ?(怒)」って思ってしまうよ。いけないとは理解できるけど反射的に思ってしまう。

    でも切り捨てて、自己責任・自業自得だと言ったところで問題は解決しないから、やっぱり寛容であらなきゃいけないってことなんだよね。(嫌だけど…)
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    投稿日:2019.10.30

  • borahina

    borahina

    フィリピンで困窮生活を送る日本人を取材した、開高健ノンフィクション賞受賞作。
    フィリピン人の温かさ、日本の国民性など
    色々な意見があると思うが、やはり自業自得という考えになってしまう。

    投稿日:2019.06.05

  • うどん

    うどん

    海外で所持金を使い果たし、帰国もできず、路上生活を強いられる困窮状態の日本人を「困窮邦人」と呼ぶ。本書はフィリピンの男性困窮邦人5人を中心とするルポ。

    5人はいずれもフィリピンパブにハマり、日本で稼いだ金をフィリピン女性に貢ぎ、フィリピンまで追いかけ、持ち金がなくなり放り出される。いくらひいき目に見たところで「自己責任」という言葉しか思いつかない。これだけ同情されない貧困者を取り上げて、評価されるノンフィクションを作り上げた著者の取材力、姿勢がすばらしい。

    本書で登場する困窮邦人がフィリピンを選んだ理由はフィリピン人の優しい国民性と温暖な気候。これからもフィリピンで困窮邦人は増え続けるだろう。作者には次作でフィリピン在住の「裕福邦人」を取材してほしい。
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    投稿日:2018.03.08

  • minusion

    minusion

    いままで全く知らなかった世界で衝撃だった。
    テレビでもフィリピンパブがよく出てくるが、なぜ日本にフィリピン人が多くきているのか少し理解できた。
    フィリピン人女性に魅了されてフィリピンに旅立ち、そこで全財産が尽きてもなお困窮邦人として生活する男たちへの詳細なインタビューがリアルだった。続きを読む

    投稿日:2018.02.15

  • コナン.O.

    コナン.O.

    著者の水谷竹秀(1975年~)は、上智大学外国語学部卒の、フィリピンを拠点に活動するノンフィクション・ライター。本書は、2011年開高健ノンフィクション賞受賞作で、2013年に文庫化。発表直後には、本書を基にしたドキュメンタリー番組も複数制作され、かなりの反響を巻き起こした。
    本書は、現地在住の著者が、現在フィリピンに数百人いると云われる、所持金を現地で使い果たし、日本への帰国費用どころか日々の食費もなく、路上生活やホームレス状態の「困窮邦人」を取材したルポルタージュである。登場する困窮邦人は、日本のフィリピンクラブで出会った女性を追い掛けて渡航した人々のほか、偽装結婚に利用された人、暴力団関係者から借金をして国外逃亡した人など。
    それにしても非常に奇妙な読後感の作品である。通常のルポルタージュ作品は、あるテーマを、作り手が取材し、表現し、受け手が見、読んだ場合、そのテーマについて何らかの(社会)問題が感じ取られるものであるが、私は本書を読んで、ただ、こうした「困窮邦人」が少なからず存在して、そうした邦人を助けるフィリピンの人々がいる(もちろん、金を搾り取ることだけが目的のフィリピン人もいるが)という“事実”に少しばかり驚いたものの、問題意識を持つには至らなかった。(端的に言えば、本人の自己責任でしかあり得ない)
    なお、著者は、取材当初は、「彼らが逃げ出した日本社会を見つめ直すことで、その澱のような何かが見えてくると思い込んでいた。「日本は生きづらい」と語ってもらい、その理由を具体化させることで現代日本を告発したかった」と考えていたものの、取材の最後には、「いつの間にか、社会問題として追求する自分との間で葛藤が始まっていた。彼らの親や知人に話を聞き、その人生や暮らしを追っていくと、「(困窮は)自己責任ではない」という仮説はあらかた崩れ去った」と語っているが、一方で、読者の大きく二分された感想(自己責任であり同情できないor明日は我が身かも知れず他人事は思えない)について、「未だにいずれかに割り切れない優柔不断な自分がいる」とも吐露している。
    世の中にはこうした“事実”が存在するということを知る上で、面白い一冊といえようか。
    (2018年1月了)
    続きを読む

    投稿日:2018.01.20

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