【感想】ルピナス探偵団の当惑

津原泰水 / 創元推理文庫
(51件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
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19
19
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0
  • 少年少女探偵団だけどジュヴナイル感は皆無

    やっと津原作品が電子書籍化しました。
    これはかつて「津原やすみ」名義で発表した少女小説作品を、大幅リライトのうえ推理小説として再刊行したものです。
    (「冷えたピザはいかが」「ようこそ雪の館へ」「大女優の右手」の中篇3本が収められています。
    「大女優の右手」が今回書き下ろされたタイトルで、他2本がリライト分です。)
    スタートが少女小説だったため、主人公は当然女子高生ですし、片思いの少年も出てきます。
    が、全体を通して学校生活などの青春らしい甘酸っぱさは1%もありません
    少女小説らしい「きゃっきゃうふふ」成分も残っているかと読んでみたら、見事に徹頭徹尾推理小説でした。
    津原作品らしいどこか浮世離れしたキャラクターたちが軽妙な会話を交わしながら、飄々とすすむミステリーです。
    津原泰水さんの作品を初めて読む人には入りやすいタイトルかと思います。
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    投稿日:2014.05.23

  • 懐かしくも個性的なキャラ

    ミッション系の学校に通う女子高生たちが活躍する連作ミステリ集。全3編のうち2編はもともと少女小説だったそうですが、改稿の甲斐あって大人にも通用する作品に仕上がっています。
    主人公・彩子たちの閃きや論理、珍答(?)が冴え渡る推理パートは、各キャラの個性が出ていて楽しく読みました。始まりが少女小説だったこともあってか、主役から脇役に至るまで、とにかくキャラが立っています。彩子が恋するうんちく男子高生も強烈ですが、主人公の姉(刑事)やその上司なんかは、もはやどこから突っ込んでいいのかわからないハチャメチャぶり……。
    まだ携帯電話もない時代の話なので、高校生同士の会話にも懐かしさが漂います。そのやや古風な感じが、山奥の洋館や年老いた舞台女優といったモチーフによく合っていると思いました。
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    投稿日:2014.10.06

  • エグみのない推理モノとしては面白い

    姉を刑事にもつ私立ルピナス学園に通う高校生の妹とその友達,恋人(?)がなぜか殺人事件の謎解きをして行きます。
    それぞれのプロットはまずまず面白かったし,殺人事件とはいってもエグさは皆無なので,万人向け推理モノです。
    ただし,この設定をあまりうまく活かせていないところもあるかなぁと思います。
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    投稿日:2014.07.06

ブクログレビュー

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  • rubischan

    rubischan

    登場人物が大好きになりました!会話が洒落ていて
    面白い。

    3話の前に、尾崎翠の琉璃玉の耳輪を先に読みました。

    投稿日:2022.12.29

  • 海と青硝子

    海と青硝子

    初出は1994年だということですが、濃い昭和感が漂っていますね。人物のキャラクターも濃い。掛け合いも濃い。ミステリーでありながら、笑いが止まりません。決して笑える結末ではないのですけれど。

    投稿日:2022.11.18

  • なごみーる

    なごみーる

    2作目が読みたくてこの本を読んだ。
    ホワイダニットが散りばめられた上質なミステリーで、会話文が中心だけどそれも面白かった。
    強烈な主人公の姉のキャラにイラつくこともあったけど笑 たまに出てくるには面白くて笑える。
    切ない真実にちょっとしんみりするけど。
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    投稿日:2020.05.30

  • ペルシャ猫

    ペルシャ猫

    主人公の姉と上司に関しては問題ありとは思うが、主人公たち4人は魅力的だと思う。ミステリとしては後で追加された3作目が1番良い。2作目は遺体を動かす事を許した主人公の姉に対しての怒りマックス。

    投稿日:2020.03.13

  • herbtea

    herbtea

    もとは少女小説文庫に書き下ろしたものだったそうですが、しっかり本格です。視点の女子高生の姉が破天荒な警察官という事情もありますが、高校生探偵団が扱うのは学校内の事件ではなく普通の殺人事件。視点の女子高生が実は探偵役だったのが新鮮でした。探偵視点って珍しい気がします。姉だけでなく探偵団となる友人二人と化石しか頭にない主人公が思いを寄せる祀島くん、姉の上司までキャラは全部個性的で(少し抜けていて)インパクトがあります。これがガッツリ本格なのが嬉しい。特に最終話は最後の一行まで素晴らしかったです。楽しみました。 続きを読む

    投稿日:2019.06.14

  • michiru1123

    michiru1123

    元は少女小説だったそうで、小・中学生の頃に愛読していたコバルト文庫を思い出したりもしてあの頃のワクワクは簡単に取り戻せるものなのだなと妙に感心しながら読み進んでゆき、3作目の大女優の右手でガツンと食らった。続きを読む

    投稿日:2019.05.31

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