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山内マリコ / 幻冬舎文庫 (160件のレビュー)
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総合評価:
チョッピー
2
痛烈な「既視感」に襲われるかも?
「田舎」でもなく「都会」でもない、日本全国の「地方都市」のどこにでも当てはまるような「風景」を舞台にした短編集でした。「椎名」という一人の「男」がそれぞれの短編の登場人物の内心を映す鏡のような存在とし…ての役割が与えられていて、「椎名」という人間との関わり方の違いを描写する事で、登場人物それぞれが持つ「地方都市」で生きる事の意味であったり、痛みであったり、虚無であったりが描かれていて、そのストレートな描写が個人的にも「他人事」ではないような強烈な感情を読む者に与えている作品だと思います。続きを読む
投稿日:2014.07.20
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哀しいけれど、共感してしまう
ドンキホーテだって、ファミレスだって、映画館だってある。 暮らしていくのに何の不都合もないのだけれど、何かがない気がする。 そんな思いを胸に抱かせる、地方都市を舞台とした短篇が収録されています。 「…私たちがすごかった栄光の話」 「君がどこにも行けないのは車持ってないから」 など、どきりとするタイトルは日本の郊外が持つと行き場を感じさせます。 参考文献として、一律化していく地方を解説する『ファスト風土化する日本』、痴呆老人の独白から死刑囚の俳句まで網羅した『夜露死苦現代詩』を挙げるなど、本作は"現代らしさ”を真正面から描いている小説と言えるでしょう。 満足しているけれど、満足しているように自分を騙しているのかもしれない。 変わりたい。 都会に住んではいても、心にそんな地方性を抱えている人は少なくないはず。 日本の”今”を巧みに閉じ込めた、怪作です。続きを読む
投稿日:2015.03.09
さくらもち
1
おもしろい
あるある感満載。 文章のテンポがよくてうまい。 すべての話がゆるくつながっているのも楽しい。
投稿日:2013.10.28
ツクヨミ
「地方」を知る人は共感するはず
本書は「地方」をテーマにした連作短編集です。決して都会ではないが、山奥でもない。そんな地域に住む女性(または少女)の日常が、淡々とした文章で描かれています。 とにかくすごいのは、徹底した「地方」らしさ…でしょう。国道沿いの風景といい、地元でくすぶりぎみの登場人物といい、読んでいて既視感&親近感の連続でした。都会にしか住んだことがないという方にはピンとこないかもしれませんが、少しでも「地方」に暮らしたことのある方なら、この「地方」ならではの感じ(閉塞感や退屈さ)がよく分かるはずです。 ただ、基本的に恋愛がらみの作品が多いため、作品によっては性愛描写(激しいものではありません)が存在します。苦手な方はご注意ください。続きを読む
投稿日:2014.06.10
レビューネーム未設定
ファスト風土のガールズトーク
田舎というか「ファスト風土」で生きる女子たちの物語。地元のどうしようもない閉塞感と、ぬくぬくした居心地の良さの描かれ方が絶妙だ。その「風土」を代表する「椎名」なる男子が全編通じて脇役として登場し、ヒロ…インたちそれぞれの視点から描写される。中高時代はイケメンで、一度都会に出てUターンし、平々凡々たる田舎親父へと「成長」していく「椎名」の人生に着目しつつ、再読してみたい。 カバーに使われた、妙に存在感のある人形写真はモートン・バートレットというひとの作品。ググったら、人形やら写真やら異様な作品の数々が。アウトサイダー・アーティストの一人とのこと。続きを読む
投稿日:2014.01.28
トビ3
女の子あるあるが満載!
地方都市に生まれた女の子たちのあるある短編集。 椎名くんという共通の人物が全編にわたって登場することで 物語のつながりを感じられる。椎名君はモテる。 自分が女性だったら、「あ~あるある!」ともっと共感…できるのかしらん?続きを読む
投稿日:2014.03.05
"powered by"
フルフル
山内マリコさんらしい本だなと感じた。 モラトリアムな時期にある?(と思われる)様々な女性の繊細な心の揺れ動きの描写が絶妙。皆多かれ少なかれ共感出来るところはあるのではないかな?
投稿日:2024.04.08
HAL-hi
車、椎名くん、東京…どれも記憶にあるようなないような、ないような。という話ばかりで私にとってはすごく興味深い。 私自身がずっと神奈川で生まれ育ち(とはいってもちょっと行けば畑や田んぼがあるような微妙…なところだけど)で小さい時から仕事で東京にずっと通ってたから、"都会に出てくる"ってことのイメージはぼんやりとしかないからかもしれない。 ちょうど今同時進行で読んでいる「羊飼いの暮らし」という本も、その土地で暮らし続ける人々の話だから、この本の内容とちょっとリンクしているように感じたり。 続きを読む
投稿日:2024.04.07
masoppu03
地方都市に住む、「ここではないどこか」を夢見る少女たちの短編集。 スクールカースト的に恐らく中か中の下くらいの子たちが出てきて、若さゆえの痛々しさとかが共感性羞恥心働いて辛い笑 そして、本編全部に登場…する、スクールカースト上位に君臨するイケてる男、椎名一樹。椎名という名字がもうオシャレ感でてる。続きを読む
投稿日:2024.01.19
ぼる
このレビューはネタバレを含みます
「ここで楽しくやってたら最初からどこにも行ってねーよバーカ だから俺にラーメン食わせろ!今すぐ俺にラーメン食わせろ!」 リア充はサブカルチャーを必要としないって、極端だけど一理ある。常に今いる場所と環境で居場所を見つけられる椎名のような人には必要のない世界な気がする。自分も地方出身だったら退屈から抜け出させてくれるアイデンティティを求めて東京に行っただろうな
投稿日:2024.01.07
てっ沈
映画の予告編で知った原作。地方生活者データのレポートでも紹介されていて、気になって原作を購入。買ってから半年が経ち、ようやく読めた。 手元についてから読まなかったのは、自分も「この作品を読むのが怖かっ…た」(解説より)から。自分は東京から電車で1時間くらいのニュータウンで生まれ育ち、東京で働いていたが、疲れて地方に引っ込んだ身分。それでもやっぱり東京の文化的環境の豊かさには今でも感謝をしていて、たまに東京に帰るたびにその凄さを再確認し、そしてあくまで東京をホームタウンだと思うようにしている。そして、「地方のダレた空気や、ヤンキーとファンシーが幅を利かす郊外文化を忌み嫌って」いる点では、カメラマンの須賀さんと近いのか。 直視したくない自分の感情を見せつけられる感覚はやはり思った通りで、あまり気分の良いものではないなと感じたり、あきらめの中で落ち着くべきところに落ち着いていく出演者たちに哀れみのような気持ちを持ったり、なんとも鬱屈した感覚で読み進んだ。それでも最後まで読み進められたのは、端々に描写される、平成前期のティーンエイジャーたちのファッションやテレビの話題が、まさに自分が通ってきたものだから。自分の思い出のイメージを投影し、まさに映画のように読むことができ、当時の確かに楽しかった思い出も同時に蘇えらせられたことで、不思議と嫌な感覚ではなかった。青春時代の思い出は、布団の中で叫びたくなるような恥ずかしいものも多い。その過去を呼び戻させられるのも、読む前は怖かったんだと思う。 そう言った恥ずかしいもの、思い出したくないことを含めて、今の自分だと思えば、やっぱり退屈なのは田舎だからではなくて、これまでの自分が退屈なだけだ、ということなのかも。続きを読む
投稿日:2024.01.01
ぽっぽ
読み始める前、軽く書評を読み、失礼ながら、あまり期待をせずに読みましたが、想像以上に面白く、スルスル読めました。 田舎育ち若者特有のコンプレックス、話題、不便さ… あぁ、分かる分かる!と懐かしさ…を感じました。 男性や都会育ちの方には共感は得られにくいかな。 短編集で各話なんとも言えない終わり方をする。それもまた良かったです。 期待値を上げたり下げたりすると、読んだ時の印象は変わりますが、何も情報を入れず、本を購入する事も勇気がいるので、どうしたものかなぁ…。続きを読む
投稿日:2023.12.20
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