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高千穂遙 / 小学館 (2件のレビュー)
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2
高千穂遙先生の日常
先生は、・・・・ああ、なんか先生と呼んでしまう。実は先生の日記のファンなので・・・。自分は高千穂遙先生の著作は、ラノベ黎明期に「クラッシャージョウ」「ダーティーペア」「夏・風・ライダー」を読みました。…著作に関してはそんなに熱心なファンではありませんね。それから長い年月が過ぎ、偶然先生が毎日更新している日記を見つけました。なかなか面白いので定期的に読むようになりました。数年して自分がロードバイクを始めたところ、先生が自分に10年くらい先行して自転車にはまっていたのに気づき、一気に読んで大ファンになりました。 先生はロードバイクにはまって以来、ロードバイク作家みたいになっちゃってほとんどSFを書かなくなったのですが、自分はそのロードバイク著作群をほぼ読んでいません。ロードバイクを買う時「ロードバイクQ&A 今さらきけないソボクな疑問」だけ読みました。これはいい本でした。ロードバイク著作群の中で「自転車で痩せた人」と「ヒルクライマー」が有名です。 さて、この作品はタイトル通り元ODAIBA60のセンターだった「ゆらち」がガールズケイリンの選手になっており、師匠の嫌疑をはらすべく探偵するという物語です。ぱっと見、ギョッとするのはタイトルとイラストです。割と直球なラノベSFや、ストレートな青春小説を書いていた先生がなぜAKB48的アイドル?なぜミステリー?そして、この時代遅れで、なんだか少女向けラノベ的な表紙は一体・・・。あまりに謎なので、日記を読んでいて、そろそろ先生の著作を買いたいなあと思っていた自分は、ついポチッと購入してしまいました。 で、読後感ですが、これはちょっとした奇書ですね。アイドルのラノベといったら昨今は萌えが標準装備ですが、そんなもんまったくありません。ゆらちは大変真っ直ぐで努力家でちょっとユーモラスな好人物ですが、ラノベ的な巨乳とか、料理を作ると爆発するとかそういう描写も無しです。直接では無いけど男女関係なども出てきます。ラノベなら友人関係などにしておきたいところです。人物描写などはいいので、ラノベではなく一般小説としてあるいは純粋にミステリとして読めばいいかというと、ゆらちが捜査情報を手に入れる下りが露骨にご都合的だし、そもそも読者が犯人を推理するちゃんとした手がかりが与えられないので、やっぱりラノベ的です。 設定に関しても、ゆらちがガールズケイリンに転向していた必然性はあまりないです。 じゃあつまんないかというと、それが実は面白い。その面白さはディテールのリアリティにあります。漫画家の暮らし、クリエイターの葛藤や矛盾、エンタメ業界の裏表、そのあたりがとてもいい。先生はアニメ・マンガなどの日本のサブカルチャーの早い時期、具体的にはガンダム登場時あたりでガンダムを作ったアニメ会社などと関わりも深く、作家経験、著名な(いや、先生自体も有名ですが、本人は立派な人物ですからね)クリエーターがしばしば抱えている闇なども見てきたのでしょう。そのあたりがちょっとラノベ的なライトな語り口ながらずいずい迫ってきます。被疑者の五郎も「いやー、こんなダメ選手っているよなあ」と思わされます。スポーツファン、そして自転車競技にずっぽりはまっているだけはあります。 先生の趣味と取材を反映して、ケイリンやロードバイク関連の描写はおそろしく現実味があります。現在までの日本では、自転車にかんして、ほとんどの人が常時法律違反と危険運転を行っていますが、先生はまともなロードバイク乗りとして、ゆらちにきちんとした運転態度とこまかい安全の工夫を書き込んでいます。まあほほえましいけど、読者には伝わってねえだろうなあ。その他、練習ルートや移動方法なんかも先生の普段と重なりますね 前半はそのような業界ネタで、後半はアクションになります。テンポ良くてよいです この本は誰に向けて書かれた本でしょうか。一般小説読みではないでしょう。ラノベの読者?いやあ、新人がこんな原稿持ってきたら叩き返すんじゃ無いですかね。ロードバイク乗りは50-60代が中心なんでそこでもない。先生のファンで、昔からの流れでラノベも読み続けており、最近のブームでロードバイクも始めたような層でしょうか。とてもニッチです。あ、オレの事か。まあ、先生の日常が目に浮かぶようで読後感はよかったです。あと、ゆらちがガールズケイリン選手である本当の理由は、先生がケイリンと始まったばかりのガールズケイリンを応援したかったせいでしょうね続きを読む
投稿日:2014.05.08
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chao
これ程人生上手く行けば(笑)
まぁアイドル小説と思えば納得かぁ~。昔もスケバン刑事とか薬師丸ひろ子(懐かし~い)主演の〇〇探偵とかいったドラマがありましたが、そのジャンルですねぇ~。 主人公ゆらちには刑事も情報垂れ流し(ファンだか…ら!)守秘義務はどうした!と突込みを入れたく成る展開ですが、アイドルが主人公のストーリーでは当たり前の直球ど真ん中ですね。 そこを納得できる読者と作者のファンにはお薦めです。 真のミステリーファンには物足りないですが、サクサクと読み進められます。続きを読む
投稿日:2015.05.30
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