【感想】機動戦士ガンダムF91 クロスボーン・バンガード(下)

富野由悠季 / 角川スニーカー文庫
(5件のレビュー)

総合評価:

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  • <金色に輝くF91>ニュータイプ シーブック・アノーの覚醒。

    映画を見た方ならこっちがしっくりきます。
    上巻が世界観を重視した内容なら、この下巻はクロスボーン・バンガードと地球連邦の戦い(=映画とほぼ同じ)です。

    仲間が死んだと思いロナ家に入ったセシリーを助けるために動くシーブック、
    バグによる人類殺害、カロッゾの乗る[ラフレシア]にやられ宇宙に投げ出されたセシリー、
    バイオセンサーが発動し分身するF91など映画の勢いがそのまま小説に!
    シャアの反乱やラプラス戦争で宇宙世紀を完結させた方にはぜひとも読んでもらいたい。
    悲しみで終わらないニュータイプの話もいいと思いますよ!
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    投稿日:2016.08.14

ブクログレビュー

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  • MM

    MM

     もはや大人が、そして親がその矜持を忘れ、享楽的な理想論に興じる世界となっている。「親」という世界の代表から切り離された子どもは道しるべを失い、大きな外骨格とでも言うべきマシンに乗り、その享楽めいた世界の歯車として戦い死んでいく。
    便利になり、考えることが減った世界で退屈の連鎖がこれを作る。
    資本主義の行き着く先がこれか?この先、こんな世界にならないと、断言できる要素があまりない。

     結局のところ、理想論もイデオロギーも、突き詰めれば家族を最小単位とした個人間の人間関係の葛藤に行き着く。その傷みと痛みの否認が、「バグ」なんてものを生むのだろう。
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    投稿日:2025.04.18

  • katka

    katka

    コスモ貴族主義は世襲貴族体制の復古を謳ってるわけではないのですが、宇宙時代に退廃している社会や人々の生活態度を正して善導するという理念・実践の、最小の単位としては「家族の復興」ということは避けて言えないと思います。実践者としての貴族精神、騎士道ファッションと、野心の旗の海賊旗を一緒にした宇宙ロマンは実に荒唐無稽を極めますが、荒唐無稽だからこそ、やってやるには血の躍る、三代かけて莫大な財を築いたらいつかやりたい夢ではあります。先鋭を自認する人々は親が子に、その高貴な者としての規範を受け継いでいく場として、また新たな家の創造をもくろむ。

    その家が、現実に子が親を嫌い、親が子に絶縁を言い渡し、居所をなくした孫娘が『血族などなくさなければ』と思い込むほど怨恨の執念にまみれるものでしょうか。結局ロナ家とコスモ・バビロニアがどうなっていくのか、母や妹や、高校の仲間達やたくさんあった語り尽くされないことはガンダムが発進したらみんな後に残していって、激闘のはて漂流する機体の中の二人……映画になったシナリオとはべつに、こちら小説版のドラマチックな疾走のよさは今も力を込めて語っていいほど、富野小説作品でもとくにファンに支持されている上下巻だと思います。

    伝統をいうならまた、ガンプラ世代の誰しも抱いただろう『片手に美少女を抱きながらガンダムを乗り回す』のような少年らしい少年の夢については、この小説F91が決定的に以後のハードルを高めていることは言っておかねばなりません。後続のあまたの作品群においても、コックピットのナロウ・スペースに男の子が女の子を連れ込もうとするたび旧来よりのガンダムファンはだいたい本作を連想する原点になっています。
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    投稿日:2025.03.22

  • reinou

    reinou

    このレビューはネタバレを含みます

    途中、ここまで風呂敷を広げて畳めるのか?との感はあった。その印象も踏まえていえば、本作は始まりの終わりであって、カタルシスを感じるまでには物語は結末をつけていない。しかも、家族からの自立・決別をテーマに据えているのだろうが、そうなると、そのテーマと「バグ」のような大層な(大量殺人という目的やその結果からみても)マシーンをばら撒く描写との極端な乖離に閉口してしまう。これでは、決別していく側に何の葛藤も生み出さないのでは…。殊にセシリーとカロッゾには親子としてのなんらの歴史も積み上げられていないのだから。

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    投稿日:2017.01.21

  • 中尾信之

    中尾信之

    宇宙世紀の正当なる続編
    ・宇宙世紀を描いた初代ガンダムや、それに続くZやZZなど
    宇宙世紀の他作との矛盾もなく自然に読むことができます。

    ・ガンダム小説の中で、もっとも組織と人のあり方を上手く描けている大きな作品。

    ・躍動する命や人と組織のあり方、人と地球、宇宙のつながりなど思慮に富んだ作品だと思われます。
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    投稿日:2010.07.03

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