【感想】城を噛ませた男

伊東潤 / 光文社文庫
(19件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
4
8
5
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  • 「鯨のくる城」一押し

    戦国時代の小大名をフューチャーした短編集。「見え過ぎた物見」は北条氏と上杉氏の狭間で「全方位土下座外交」で生き延びようとした佐野氏のお話。表題作「城を噛ませた男」は、真田昌幸の策士っぷりが…ちょっと黒すぎ(笑) 「鯨のくる城」は北条配下の伊豆の、名ばかり武士で実質鯨捕りの高橋氏が、小田原攻めの秀吉大水軍に、鯨の群れをぶつける話で、これが一番痛快だった。続きを読む

    投稿日:2013.10.01

  • ハードボイルドだ

    信長、秀吉、家康、謙信、信玄等々の戦国スーパースターはちょい役程度。主に関東、北条家周辺の漢(あえておとこと読みましょう)たちの物語。といっても北条家の為に云々ではなく、それぞれの信念の元に、貫き通す生き方がカッコイイ。それは鯨捕りの技術であったり、策謀であったり、外交術。 タバコや酒、
    ニヒルな科白はないけれど、シビレル一冊。ハードボイルド好きにはお勧め。
    続きを読む

    投稿日:2014.10.05

  • 全方向土下座という手段

    146回直木賞候補にもなった本書。戦国時代を舞台に、城や合戦を巡り、知略、奇略、謀略を駆使して戦った人々を描いています。“知略、奇略、謀略”と書いたように、ただの合戦とは一枚も二枚も違います。短編五編が収録されているのですが、「城を噛ませた男」「見えすぎた物見」「鯨のくる城」というタイトルを見ただけで、伊藤潤の他の本を読んだことのある人は、一体どんな戦いが繰り広げられるのかワクワクしてしまいます。知謀・真田昌幸の残酷極まる謀略を描いた表題作は、生き残るということに対する執着と快楽が見事に描かれています。(スタッフI)続きを読む

    投稿日:2013.09.20

ブクログレビュー

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  • kaonio

    kaonio

    「城を噛ませた男」(伊東 潤)を読んだ。
    いいね!
    六つの物語のどれもが見事な書きっぷりな訳で、やっぱり伊東潤氏にハズレなし。
    懐の深さというか引出しの多さというかそういうところがすごい。
    1年くらい前に訪れた関ヶ原古戦場跡は、
    土地の記憶なのか、喚くように強い風が吹いていた。
    続きを読む

    投稿日:2019.09.24

  • mickeymeguj

    mickeymeguj

    「見えすぎた物見」(下野国人・佐野家)
    「鯨のくる城」(雲見 「小田原攻め」)
    「城を噛ませた男」(猪俣能登守邦憲、真田昌幸 「名胡桃城奪取」「小田原城攻め」)
    「椿の咲く寺」
    「江雪左文字」(板部岡江雪、徳川家康。「関ヶ原の戦い」)

    「奴に城を取らせる。そして俺は国を取る。」乱世に雄飛するため、希代の謀略家・真田昌幸が仕組んだ秘策とは?(表題作)
    強大な豊臣水軍を前に、城に篭もる鯨取りの親方が仕掛けた驚愕の大反撃!(「鯨のくる城」)
    戦国の世、大勢力がふづかる狭間で、ある者は平身低頭し、ある者は乾坤一擲の勝負に出る。
    続きを読む

    投稿日:2018.10.27

  • ko2ba

    ko2ba

    伊東潤の別の短編集「国を蹴った男」がたいそう面白かったので本書を買ってみがのだが,期待に違わず満足感の得られる一冊.
    「見えすぎた物見」関東で北条と上杉の間で苦悩する佐野家が智恵で戦国を生き抜き,その智恵のために江戸幕府に取りつぶされるまで.
    「鯨の来る城」秀吉軍を迎え撃つ北条家の家臣の籠城戦.
    「城を噛ませた男」真田昌幸の極悪非道な策略.
    「椿の咲く寺」旧武田家臣の家康への復讐の顛末.
    「江雪左文字」”真田丸”で有名になった江雪斎の関ヶ原の戦いにおける小早川への調略とその後.
    江雪斎の話が良かったなあ.
    続きを読む

    投稿日:2018.02.24

  • gachi-folk

    gachi-folk

    様々なプロセスを経て蓄積された経験や力。土壇場で発揮する力の大きさはそれに比例する気がする。ダラダラ生きてたらそれなりの力しか出ないだろうな。鯨船の頭、丹波の「底力」と「男ぶり」がたまらなくかっこいい続きを読む

    投稿日:2018.02.14

  • kujira34

    kujira34

    真田丸やってるけど、まさにその辺のお話し。
    非情の戦国の世で、さまざまな策をめぐらせる人たちの生き方を描いている。
    真田昌幸の読み筋の恐ろしいこと。

    投稿日:2016.05.11

  • mondo

    mondo

    小田原北条氏と豊臣秀吉、徳川家康らの新興勢力の進出の最中、どの武士団も生き残るために戦々恐々としていた。特に、戦場に所領を持つ家にあっては、大きな決断が迫られていた。戦国の世は、その繰り返しであった。この小説でも、秀吉は武士団が勝手に侵略することを御法度とすることにより、敢えて秀吉自身の進出を企てる戦略がとられていた。その時代に、自らの城を乗っ取られたように見せかけ、相手を潰しにかかった戦国末期の事実を基にした小説である。小説の題名も上手い。これぞ本屋大賞。続きを読む

    投稿日:2016.01.18

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