【感想】なぜマネジメントが壁に突き当たるのか―成長するマネジャー12の心得

田坂広志 / 東洋経済新報社
(20件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • maple

    maple

    自社の研修の課題本。はい、耳の痛いことがかなり書かれてます。マネージャーとして必要なスキルは明文化出来ることばかりじゃないことが、苦しくもあり楽しくもある役割だと思う。

    投稿日:2019.06.12

  • たか

    たか

    タイトル通り壁に突き当たったマネージャーが読むと気づく事が多いです。エッセンスが多いのでメモりたくなるフレーズが出てきます。ひとつずつ意識していたいものです。

    投稿日:2019.01.07

  • ichiro.mariners

    ichiro.mariners

    マネージメントの本質的複雑性、困難性について、真正面から説明している本。リーダー、マネージャーの諸氏にはぜひ読んでほしい。ですので、内容のサマライズはあえて書きません。私の稚拙な文でこの本の内容が曲解されてしまうかもしれないから。続きを読む

    投稿日:2018.10.23

  • japapizza

    japapizza

    タイトルどおり、マネジメントで突き当たる12の「なぜ」に答える形式となっている。どれも感覚的にはわかるが、具体的にどうしたらよいということに対しては一切触れられていない。たとえば、大局観や暗黙知が不確実になってきているこの市場においては、重要だというのはもっともかもしれないが、それを定量化する説明がなければ、ビジネスでは通用しないのではないだろうか。暗黙知を具現化することが難しく、それこそが皆知りたいことなのだと考える。そういう意味では、「V字回復の経営」の方がよっぽど説得力があった。
    本書から得た新たな知見は一切なく、全くの駄作である。
    続きを読む

    投稿日:2018.10.08

  • labragene

    labragene

    マネジメントとはなにか、部下、組織を活性化する方法を科学的根拠に基づいて展開。教育について教えてもらった機会のない人向け。

    投稿日:2016.03.23

  • kusugaoka

    kusugaoka

    201307/
    彼らは、若手社員の語る「論理」そのものを批判しているのではありません。彼らは、若手社員の持つ「論理で割り切れるという姿勢」を批判しているのです。すなわち、現場経験の豊かな熟練のマネージャーは、体験的に知っているのです。「論理で割り切れる」という姿勢でプロジェクトを進めていくと、必ず、見落としてしまう「大切な何か」があるということを。/
    例えば、「魚の解剖」を考えてみると良く理解できます。我々は、子供の頃の理科実験で行ったように、魚をメスで解剖して五臓六腑に腑分けし、骨や内臓や神経などを詳しく調べ、魚というものの「仕組み」を整然と理解することはできます。しかし、こうして腑分けして整然と理解した結果、失われてしまう「大切なもの」があることに気づくのではないでしょうか。それは何でしょうか? 魚の「生命」です。/
    大局観や直観力や洞察力を磨くためには、その「対極」に徹することが近道なのです。すなわち、多くの先人たちは、「論理思考」に徹する時代を経て、大局観や直観力や洞察力を獲得していったのです。/
    一つの極に徹すると、その対極に突き抜ける。それは、我々が生きる世界の「理」に他ならないのです。/
    「我々は、言葉にて語り得ることを語り尽くしたとき、言葉にて語り得ないことを知ることがあるだろう」 直観力や洞察力の世界とは、実は、このヴィトゲンシュタインの言葉が表す世界に他ならないのです。/
    その世界に突き抜けるために求められるものは、実は、いかなるマニュアルでもテクニックでもありません。 徹すること。 そのことだけなのです。/
    例えば、部下を三人預かっているマネージャーを考えてみましょう。彼が、ひとたび「自分は、三人の部下が気持ち良く働ける職場の雰囲気を創っているだろうか?」との具体的な問題意識を抱くならば、その問いに対する答えを見出すためには、実は、夜も眠れないほど考え込んでしまうはずなのです。そして、本当に、夜も眠れぬほど考え込み、昼は職場で部下の気持ちを汲み取ろうと努力し続けるならば、そのマネージャーは、間違いなく職場の雰囲気の変化を直感する何がしかの力量を見につけるはずなのです。/
    羽生棋士が、先手であるにもかかわらず、開始後数分間、先手を指さないのです。目を閉じて、何か考え事をしている。通常ならば、前日の夜か当日の朝には、先手に何を指すかは決めているはずなのですが、指そうとしません。そして、大局者の佐藤棋士が訝し気にみつめ、周囲に心の波が伝わり始めたとき、ようやく羽生棋士が先手を指したのです。後日、羽生棋士は、詩人吉増剛造氏とのテレビでの対談において、このとき先手を指さなかった理由を、「突然、迷いが生じたのですか?」と聞かれ、答えています。「いえ、そうではありません。静寂がやってくるのを待っていました」/
    深い直感力が求められる重要な意思決定の場面において、最も大切なことは「何を選ぶか」ではありません。最も大切なことは「いかなる心境で選ぶか」なのです。/
    東洋的治療の発想とは、「全体観察」→「構造理解」→「要所加療」→「全体治癒」という思考です。/
    例えば、我々が病気になって漢方療法を受けるとします。そこでは、病気の原因を病原菌だと診断するのではなく、「抵抗力の低下」←「体力の低下」←「食生活の不規則」←「生活習慣の乱れ」←「精神の問題」といった捉え方をするのです。そしてそれら全体に働きかけるような療法が提示されるのです。/
    「マネジメントの本質は、矛盾との対峙である」との真実をこそ、伝えなければならないのです。では、なぜ、我々マネージャーは、「矛盾」と対峙し続けなければならないのか?「矛盾」とは、「生きたシステム」の本質に他ならないからです。/
    複雑系のような「生きたシステム」は、相対立する「矛盾」の狭間の絶妙のバランスの中にこそ出現するのです。従って、その「生きたシステム」の「矛盾」を解消してしまうと、そのシステムは文字通り「生命力」を失ってしまうのです。/
    分析力や推理力については、「一人の個人」が単独で発揮する能力よりも、「複数の人間」が集団で発揮する能力のほうが一般に高いと言えます。しかし、直観力や洞察力については、優れた「一人の個人」が発揮する能力のほうが、「複数の人間」が集団で発揮する能力よりも高いことが多いのです。/
    決断力を持ったマネージャーとは、いかなるマネージャーでしょうか?分かりやすく述べましょう。勘が鋭く、腹がすわり、言葉に力のあるマネージャーです。/
    そもそも、企画とは、それが重要な企画であればあるほど、その「内容」は形式的な意味しか持たなくなるものです。なぜならば、どれほど論理的かつ詳細に構想された企画でも、所詮、その企画どおりに物事が進むことはないからです。それゆえ、熟練の経営者が見ているのは、企画の論理性や緻密性ではありません。それは戦略やビジョンですらありません。究極、その経営者が見ているのは、ただ一つです。その企画を提案してきたマネージャーの、決意の強さと確信の深さです。どのような企画でも、それが優れた企画であればあるほど、必ず一度や二度は「予想外の困難」に直面します。そのとき支えになるのは、企画の論理性でも詳細なデータでもありません。そのとき支えになるのは、あらゆる創造性を発揮して困難を突破していこうとするマネージャーの強い決意であり、プロジェクト・メンバーが信頼を寄せることのできるマネージャーの深い確信に他ならないのです。/
    張本選手は、若手選手に対して、「理想のフォーム」ではなく、「理想のフォームを見出すための具体的な方法」を教えようとしたのです。それが「一晩中素振りをしなさい」という言葉の意味なのです。/
    熟練のマネージャーは部下に対して、「何を身につけるべきか」を教えるのではなく、「何を行えば見につくか」をこそアドバイスすべきなのです。/
    マネジメントにおける「聞き届け」の姿勢とは、「深い共感のこころを持って部下の話を聞く」ということに他なりません。一人の人間として、部下という一人の人間と正面から向き合うことです。/
    人間関係が壊れるときというのは、どちらかが、どちらかに対して「シニカル」な姿勢を持ったときです。すなわち、「どうせ、彼は」「しょせん、あの人は」との枕詞で相手を見る姿勢であり、「正対」ということの対極にある姿勢と言えます。我々は、このシニカルな姿勢に陥った瞬間に、目の前にいる一人の人間の人生に対する「敬意」失いはじめます。そして、そのとき、人間関係もまた深いところで壊れはじめるのです。すなわち、「正対」するとは、シニカル姿勢に陥ることなく、相手の人生に深い敬意を持って接することに他なりません。/
    これからの新しい時代において我々マネージャーに求められるこうした資質は、かつての古い時代の価値であることに気づきます。「一途」であること。「一徹」であること。/
    マネージャーが部下の成長を支えようとするならば、まず最初に教えるべきは、こうした「こころの姿勢」です。この「こころの姿勢」であるかぎり、どれほど失敗を積み重ねようとも、必ず成長していける。この「こころの姿勢」であるかぎり、当面どれほどの成功がやってこようとも、必ず壁に突き当たる。そうした世界が存在するということです。/
    新入社員だからこそ、最も「高み」にあるものを見せなければならないのです。/
    登山を目指す初心者には、もちろん、靴の履き方から、ザックの背負い方、地図の見方という基本的なことを教えなければなりません。しかし同時に、いつの日か昇るであろうアルプスの名山や、さらには、いつか登ってみたいと願うヒマラヤの最高峰を仰ぎ見せなければならないのです。そして、もし、その新入社員が、アルプスの名山やヒマラヤの最高峰をそのこころの深くに刻むならば、彼にとっての「成長の目標」は定まります。それは、かれがビジネスマンとして、生涯かけて登っていくべき道を知るときに他なりません。そして、それこそが、一人のビジネスマンの先輩であるマネージャーが、これからの長き道を歩み始めた一人の後輩に伝えてあげられる、おそらく最高の「何か」なのです。/
    組織には、「メンバーを成長させる空気」というものがあるのです。そして、我々マネージャーが、部下の成長を支えたいと願うならば、職場に、その「空気」を生み出すことができるかが問われるのです。では、その「空気」とは、どのようにすれば生まれるのでしょうか?その方法は、たった一つしかありません。  マネージャー自身が、成長すること。 マネージャー自身が、成長し続けること。 マネージャー自身が、成長したいと願い続けること。 そのことしかありません。/
    言葉や論理によって表すことができない暗黙知を伝えるには、古くから、これら三つの方法を用いるべきであるとされています。「否定法」「隠喩法」「指示法」という三つの方法です。/
    複雑系の知: (1)個別の分析をするな、全体を洞察せよ【全体性の知】、(2)設計・管理をするな、自己組織化を促せ【創発性の知】、(3)情報共有ではない、情報共鳴を生み出せ【共鳴場の知】、(4)組織の総合力ではない、個人の共鳴力を発揮せよ【共鳴力の知】、(5)部分治療ではない、全体治療を実現せよ【共進化の知】、(6)法則は不変ではない、法則を変えよ【超進化の知】、(7)未来を予測するな、未来を創造せよ【一回性の知】/
    これからの新しい時代、マネジメントは、企業を合理的に運営するための単なる「テクニック」ではなく、「生きたシステム」としての市場や企業や職場に処するための高度な「アート」になっていきます。そのことを、我々マネージャーは、理解しておくべきでしょう。しかし、そのことは、決して、マネジメントに携わる人々にとって、「新たな困難」がやってくることを意味しているわけではありません。それは、「素晴らしい時代」がやってくることを意味しているのです。それは、マネジメントという役割が、ますます「やり甲斐」のある、素晴らしい役割になっていくことを意味しているのです。そのことを、我々マネージャーは、深く確信すべきでしょう。/
    続きを読む

    投稿日:2013.07.31

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