【感想】ビブリア古書堂の事件手帖5 ~栞子さんと繋がりの時~

三上延 / メディアワークス文庫
(590件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
134
244
137
4
1
  • 三上延による人気ビブリオミステリ第5弾!

    栞子に告白したものの、なかなか返事をもらえない大輔。そうこうするうちに身近な人から謎解きを頼まれ、ギクシャクしながらも協力して謎を解いていく。その裏に栞子の母親の影が見え隠れしている。
    いろんな意味で栞子の母親・智恵子はすごい人だ。本の知識の豊富さもさる事ながら、全てを知った上であえて栞子に謎解きをさせたり、栞子と大輔がどう動くかも予想した上で待ち構えたり。こんな人が身近にいたら気持ち悪いかも。
    実は、本作にはある仕掛けが仕込んである。エピローグまで読んだときに違和感を感じたのが気がつくきっかけになっているが、それに気がついたときには作者の周到な物語の構成に思わずうなってしまった。
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    投稿日:2014.04.07

  • 力の入ったいい巻でした

    本巻は四編仕立てです。最初はあまり価値のない雑誌を、売っては買い戻す婦人の話。二編目はマンガのブラックジャック盗難の原因を探る話。三編目は送られるべきでない本をめぐる謎、最終章はドラマが進行します。ブラックジャック関連のうんちくには、うなりました。手塚治虫ってのは本当にすげえな。

    栞子の親友として名前だけ出ていた滝野リュウが登場します。いきなり、「どこにいるの。あのおっぱいメガネ」などと言い放つ、サバサバしたいいキャラです。君、思っても言うてはいかん事があるがね、と突っ込みそうになりました。これで栞子周辺の人物が出そろった感じです。その他、一編目でずっと謎だった登場人物に、ある種のケリがついたり、確かに終盤にさしかかったな、と思わせます

    構成は工夫があります。プロローグの時間がシャッフルしてあったり、全体的に、栞子の母の智恵子の影が濃くなっていくような話になっていたり、連作短編を大きなストーリーの中にうまく入れ込んであります。なかなか読み応えがありました。

    ドラマの方はちょっと薄味かなと思います。もっと心をえぐるような話にも出来るような。でも、ラノベ的に時々ぱっと読んだり、ミステリーを楽しむためにはこれくらいの方が良いかなという感じもします

    最終章にむけて、盛り上がってるなーという感想でした
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    投稿日:2014.04.08

  • 栞子さんの印象が変わった

    栞子さんが抱える母と同じ衝動に対する不安と大輔との関係に一応の決着がついて一安心。
    何ですが、今まで栞子さんの本が好きというところも容貌も素敵だと感じていたのに、この巻を読み終えたら、惹かれる大輔よりも辞めていった歴代のバイトたちの気持ちに同意したくなった。
    大輔のフィルターを通して見ない栞子さんは、印象がガラリと変わるもんだ。恋は盲目とはよく言ったものです。
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    投稿日:2014.04.20

  • 次の巻が楽しみです。

    誰でも、隠れた自分を持っているものだとは思っていました。ただ隠し持っているものが非常識な人になりうるものだったり、ピュアな善人だったりすることで、得してる人、損してる人、いろんなすれ違いが生まれるのって辛いなぁと改めて感じます。
    今作は、智恵子さんが母として栞子さんのことを心配しているのがわかってうれしかったです。次巻がとっても待ち遠しいです。
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    投稿日:2014.04.23

  • 短編かな?

    長編でないのでサクサク読めていいです。
    長編はまとまった時間がないと一気に読めず内容わすれがちですが
    いくつかの話が入ってると短い時間でも読めるのがいいですね

    投稿日:2014.04.09

  • 五浦大輔くんに栞子さんの返事はいかに

    前作で大輔くんが告白して完結したと思っていたが、新たな展開に次回作がまちどおしい
    これまでと同様持ち込まれた古書に関する謎解きを中心にに話は進んでいく。
    ただ違うところは、その持ち込まれるなぞには栞子さんの母親篠川智恵子が裏で演出しているような影が見え隠れする。栞子さんは大輔くんに返事をするために、母親と話をする決意をする。
    母親との話の内容は、そして大輔君への返事は・・・・
    最後には母親のひとこととともに、天敵との対決を予感させる展開に次作への期待が増す。
    今回も古書の謎ときには感心する。古書店の人で本の虫という設定ではあるが、何でもかんでもすぐに知識が出てくる、記憶しているのが信じられない。特に母親の智恵子は、本の内容まですらすらと・・・あまりにも超人。
    しかしよく読んだブラックジャックの話には引き込まれ、ただふーんとうなるだけだった。
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    投稿日:2015.01.09

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ブクログレビュー

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  • レモン

    レモン

     よくもまぁこんな話を思いつくものだ、と毎話驚かされる。元々古書の知識が豊富なのか、参考本を買い漁るうちに思いつくのか。いずれにせよ元々古書好きの作者なのだろう。この第5巻では『ブラック・ジャック』で栞子さんが、私が小説を読む理由を代弁してくれているので、シリーズ中でも特に愛着がある。現実を実り多いものにするために。これからもたくさんの素敵な本と出会いたい。
     詩は自ら手に取って読もうとしてこなかったが、このように紹介されていると心に染み入るものがある。詩集も今度トライしてみようかな。
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    投稿日:2024.02.13

  • ひろきー

    ひろきー

    前巻で、大輔はついに告白をしていた。
    それに対して栞子は返事をあぐねいている。
    母親である、智恵子が関係しているようだ。
    そんな中で、文芸誌を売っては買い戻すという女性が居たり、
    漫画がなくなってしまい探してほしいなど、本にまつわる謎が舞い込んでくる。
    その陰には・・・。

    栞子の母親である智恵子の行動が未だに謎というか、
    少しだけ解っては来るものの、もう少しってところなのでしょう。
    今読んでいるということは何巻で第1シーズンが終わるかを
    知っていはいますが、さすがに内容まではわからないし
    そもそも、巻末のあとがきで、作者が進行度合いを書いているので、
    ある程度知った上で読者は読でいるのでしょう。

    今作の寺山修司を取り上げた話は、メインどころの話になると思いますが、
    感受性豊か?な自分としては思わず涙がポロリしてしまいました。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.30

  • pontakun2010

    pontakun2010

    このレビューはネタバレを含みます

    なんかすっきりしないんだよな。
    プロローグでは、5月31日、5月末日に大輔の告白に返事をする展開になっているのに、
    エピローグでは、5月が5日ほど残っている日、門野家を出て、栞子さんが母と会ったその日に返事をする展開になっている。
    そのため、自分にとって望んていた展開なったのに、そのズレが気になって、素直に内容が入って来ない。
    栞子さん以上の能力で人の心を読む栞子さんの母に恐怖心や嫌悪感を持ってしまったけれど、知識以外を捨ててしまう旅に無理強いして連れて行かなかった事だけには、好感が持てた。栞子さん自身も、自分の意思を母に伝えられた事は良かった。
    エピローグの最後には、田中敏雄からの手紙が届き、6巻の展開が不安でならない。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.01.25

  • 万年筆好きムギムギ

    万年筆好きムギムギ

    ここまで長かった(笑)
    やっと、大輔と栞子の恋が進展します。
    今回も古書にまつわる謎は面白く、また栞子が鮮やかに謎を解いていきます。
    最後の1ページを読むと、続編がすぐ読みたくなります(笑)

    投稿日:2023.10.31

  • こっふ

    こっふ

    母と同じようになってしまうことを恐れている、その気持ちがよく分からない。付き合うだけなら2人だから別に離れてもいいのでは?と思ったが、結婚を前提にというくらいだから子供を産むことは確定として考えているんだろうか。
    人の気持ちが本を読んだだけで満足してしまうとは到底思えない。もしそうなら、肉体を持って生きていること自体が否定されることになるんじゃないのか、と感じでゾッとした。そうか、志田さんや登場人物たちが智恵子さんに感じていた恐ろしさは、これか。
    続きを読む

    投稿日:2023.10.16

  • オミ

    オミ

    今巻の第2話では私の好きなマンガ「ブラックジャック」が題材にされていたので、嬉しかったです。

    1人の作者を深く深く取材されている作者さんの途方もない努力にいつも驚かされます。

    今巻のラスト2ページで、次の巻への期待が高まりました。続きを読む

    投稿日:2023.07.12

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