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ミネット・ウォルターズ, 成川裕子 / 東京創元社 (25件のレビュー)
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総合評価:
あゆみのパパ
養鶏場、の方は抜群面白かった。
火口箱の方はちょっとね❗会話過多かな? それにしても両方とも新しい推理小説で あることは間違いない。
投稿日:2016.01.06
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ひまわりめろん
大好きなミネット・ウォルターズも本作入れて残り3作 大事に読んでいきたい ミネット初めての中編集、制約のある中で書かれたものらしく、ミネットらしい朗らかさがあまり感じられなかったので残念 『養鶏場…の殺人』 うわー、こんな女いるよなーというかなりめんどくさい女性が登場 そりやそうよね実話がもとらしいので さすがの筆運びで、ほんとこの女性がイライラさせられる 上手い 上手いけど面白いかといったら、う〜ん 『火口箱』 偏見による思い込みが悲劇を生むのと同様にその逆も…という社会派ミステリー こちらはミネットらしい朗らかな女性が登場して少し好み あ、でもよく考えるとミネットらしさってとことん後ろ向きな女性ととことん前向きな女性の書き分けのような気がする そうか片方しか登場しない中編だとまさにミネットの魅力半減なのか続きを読む
投稿日:2023.10.05
chirolin
中編2編。私には初めてのウォルターズ。 読みやすく面白い。スピード感も毒気も切れ味もある。 古き良き時代の英国ミステリではなく、現在社会のミステリ。 大矢博子の解説も普通で良い。(筆の力に同感)
投稿日:2023.07.11
じゅう
イギリスの作家「ミネット・ウォルターズ」の中篇ミステリ作品集『養鶏場の殺人/火口箱(原題:Innocent Victims: Two Novellas)』を読みました。 「P・D・ジェイムズ」、「ア…リ・ランド」、「コリン・ワトスン」に続き、イギリス作家の作品です… 「ミネット・ウォルターズ」作品は『遮断地区』以来なので、約2年振りですね。 -----story------------- 1920年冬、「エルシー」は教会で純朴な青年に声をかけた。 恋人となった彼が4年後に彼女を切り刻むなどと、だれに予想できただろう──。 英国で実際に起きた殺人事件をもとにした『養鶏場の殺人』と、強盗殺害事件を通して、小さなコミュニティーにおける偏見がいかにして悲惨な出来事を招いたかを描く『火口箱』を収録。 現代英国ミステリの女王が実力を遺憾なく発揮した傑作中編集。 解説=「大矢博子」 *第4位『ミステリが読みたい!2015年版』海外篇 *第6位『週刊文春 2014ミステリーベスト10』海外部門 *第6位『2015本格ミステリ・ベスト10』海外ランキング *第8位『このミステリーがすごい!2015年版』海外編 ----------------------- 読みやすさを念頭に置いて描かれた2篇が収録されています… 『養鶏場の殺人』は普段本を読まない大人に読書に馴染んでもらう企画で、『火口箱』は読書好きの人に普段読まないジャンルを読んでもらうという振興の目的で、それぞれ出版された作品です、、、 実際に読みやすかったし、それでいてしっかり読み応えのある内容で愉しめましたね。 ■はじめに ■養鶏場の殺人(原題:Chickenfeed) ■火口箱(ほくちばこ)(原題:The Tinder Box) ■解説 大矢博子 『養鶏場の殺人』は、1924年(大正13年)にイングランド南東部・サセックス州で実際に起きた「エルシー・カメロン」殺害事件を、経緯も人名もそのままに小説に仕上げ、末尾に「ミネット・ウォルターズ」の推理を述べた作品… 犯人とされた「ノーマン・ソーン」は絞首刑となったが、最後まで「エルシー」の自殺であると訴えていたそうです、、、 真実は藪の中ですが、美人ではなく、華やかな恋愛経験もなく、でも、プライドは異様に高く、自分の理想通りに物事が進まないと腹を立て、冷たくなった恋人に結婚を迫るために妊娠したと嘘をつく… そんな人格として描かれた「エルシー」には感情移入できず、常に「ノーマン」の立場で読み進めましたね。 直接的な事件の原因を作ったのは「エルシー」の性格や行動なんでしょうが… それを許してしまっていた「ノーマン」の優柔不断な態度にも、問題はありますよね、、、 顛末だけみれば、現代の日本でも、色んなところで同じようなことが起きているんでしょうけど、本書では「エルシー」を掘り下げて丹念に描くことで、実録物でありながら、恋愛ホラーのような印象の作品に仕上がっていましたね… 肥大したエゴが倒錯する様を、畳みかけるように描写する迫力が強い印象として残りました。 『火口箱』は、イギリスの片田舎を舞台に、老女二人の強盗殺害事件を通して、小さなコミュニティーにおける偏見がいかにして悲惨な出来事を引き起こしたかを描いた作品、、、 アイルランド人の男性「パトリック・オライアダン」が村内の老女と住み込みの看護師を殺したとして逮捕された… それから8ヵ月後、同じ村に住むアイルランド出身の女性「シヴォーン」は、「パトリック」の両親が村から排斥され、脅迫や嫌がらせを受けて危険な状態であると警察に訴える。 しかし、話を聞いた警部は夫妻の自作自演を仄めかした… そして翌月、「オライアダン家」が火災に見舞われ、焼け跡から一人の焼死体が発見される、、、 小さな共同体の中の差別や偏見意識を主題とした作品なのですが、その差別や偏見意識から生じる思い込みを逆手に取ったトリックが隠されており、意外な結末が愉しめる作品でしたね… 真相がわかると登場人物の印象が一変して見えるのが素晴らしいですね。 あることが原因で登場人物たちの間には共同体が崩壊すれすれになるほどの緊張が高まる。そうした事態は本筋の事件捜査からは副次的な要素に見えるが、実はそうではなく、全体を構成する不可欠のピースであることが最後には判る趣向なのである。どこにも無駄がなく、箱根名物のからくり細工のようにすべての部品が利用されている。その徹底ぶりが素晴らしいのである。 イギリスにおける、イングランド人とアイルランド人の関係性について、改めて気付かされる作品でした… そりゃ、ラグビーの試合でも熱くなるよなぁ。 読みやすくて愉しめる作品でした… 甲乙付け難いですが、個人的には『養鶏場の殺人』の方が好みでしたね。続きを読む
投稿日:2023.04.03
としこし
やってしまった。以前読んでたのにブックオフで買ってしまったー。 内容覚えてなかったから普通に楽しめたからいいのだけど。 養鶏場の殺人は、実際の事件が元になっている。犯人の青年が少しずつ追い詰められて…、劇的なことは起こらないのに徐々にどうしようもなくなっていくのが怖い。その過程の描写がさすが。 火口箱はこの作家らしい偏見とか差別意識がつよくはびこっている村の話で、真実が見方によって本当に正反対の方向に見えてしまうのが面白かった。視点をひっくり返される。そして偏見あるが故に、人の話の真髄が見えなくなり、自分が損する恐ろしさ。続きを読む
投稿日:2021.10.29
mikahayashi
「養鶏場の殺人」と「火口箱」の2編が収録されている。 「養鶏場の殺人」は、イギリスの「クイック・リード・シリーズ」の一冊。本をあまり読みつけていない大人に向けて、平易な言葉で書かれた本を読むことによ…って読書になじみ、読む力を高めてもらうという計画の一環で刊行された。 実際に起きた殺人事件を、経緯も人名もそのままに、作者の推理を展開した作品。犯人は絞首刑になるのだけれど、被害者でもあったのでは?と考えさせられる。 「火口箱」は時系列が入れ替わり、お話が進んでいく。 イングランド人とアイルランド人の偏見や差別意識が犯罪を大きくしていくというお話。 読了した時に「なんでこんなことになったんだろ?」とクエスチョンマークが沢山。結局、結末がわかっている段階で、もう一度読み返し、「なるほどね~」と納得。 時系列に沿って書かれていないことで面白さが増す。続きを読む
投稿日:2020.03.08
なー
このレビューはネタバレを含みます
珍しい中編集。 サラ・ウォーターズと混合してて未読だったけど、英国女流作家の容赦なさが随所に効いてていい感じ(*^◯^*)
投稿日:2018.10.26
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