【感想】ヴィンランド・サガ(14)

幸村誠 / アフタヌーン
(31件のレビュー)

総合評価:

平均 4.6
15
8
1
0
0
  • 世界の大きさを感じた

    誰も悲しむことのない世界を作るため、いまや王となったクヌートに進言するために殴られても殴られても倒れないトルフィン。
    「俺に敵なんかいない」、その言葉に世界の大きさを感じた。
    「プラネテス」の主人公であるハチマキの姿にも感じたことだが、世界は大きく、自分もその一部であるということ。故に彼らは何者も恐れずに立っていられるのだと、そう思った。
    トルフィンの生き方に触れて、クヌートは正しい王となり、オルマルは男となった。
    大きな重力を持つ星に惹かれた星々が周囲を巡るように、あたかもそれがそうなるべき道に乗ったようだった。
    感動した。

    …と思ったら最後にユルヴァに全部持っていかれた。もう、おもしれえなぁ!
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    投稿日:2014.04.07

  • 二人の道

    神へ反逆し戦闘により人を支配しようとするヴァイキング最強の王クヌート。
    善き目的を善き方法でのみ成し得ようとするトルフィン。
    同じ楽土をを求めながら、その手段が異なる二人。
    トルフィンは農場を守ることができるか?二人の邂逅は・・・。

    奴隷編終了の巻。ふっと笑えるシーンもあり、なごみます。
    トルフィンは立派な男になったなぁ。
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    投稿日:2014.03.29

  • 理想としては悪くないかもしれませんが...

    非暴力を訴えるトルフィンの考え方は理想としてはともかく、現代ですら結局軍事力がものをいう国家間の争いにおいては、ちょっと非現実的だと思ってしまいました。
    今もテレビでウクライナのニュースが...。

    ましてや略奪が正当な報酬と考える暴力が支配する時代です。いいように喰いものにされるイメージしか浮かびません。この考え方を理想通り最後まで貫くと、戦うという最後の選択肢を選ばざるを得ないときには、相手と対等に戦う力は残っていないのではないのでしょうか?

    だからトルフィンは少なくともこの考え方を心の内に秘めておくべきだったと個人的には思いました。

    ただ物語としては面白いので、この先どう展開していくのか、著者がどこに着地点を見いだすのか、非常に気になります。
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    投稿日:2014.04.20

  • 少年は地獄をくぐり抜けて父と同じ地平に立つ

    この幸村誠という作家は、前作の「プラネテス」も共通して「手の付けられない威勢のいい若造が一人の男になる」ことを描いているように思う。

    父の死、暴力と死にまみれた戦争の世界、政変からの奴隷生活と激変する環境を生き抜いたトルフィンは、ようやく父が見ていた世界と同じ境地にたどり着く。プラネテス以上に丁寧に時間をかけてたどり着いた、一人の男の姿。

    2巻の表紙と、14巻の表紙を比べてみてください。

    かっこいいです。
    人の成長とはこういうことかもしれない。
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    投稿日:2014.04.09

  • 二人のヴァイキングの辿る道

    ヴァイキングと言うとノルマン人の印象が強い。こちらはデンマーク人が主人公。アレクサンダーや織田信長、ナポレオンなど時の覇者達が果たしてどのような動機で修羅の道を歩んだのか知る由もないが、彼らの道の先に今があるのは確か。トルフィンとクヌート。これから二人の運命はどちらに向かい、再び何処かで交わるのか。新たな展開が楽しみな叙事詩だ。続きを読む

    投稿日:2014.06.14

ブクログレビュー

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  • tabito8

    tabito8

    クヌートはトルフィンと別のアプローチを取っていただけで目指す方向せは同じだったということね…
    現実的にはクヌートのやり方がリアルと言われるんだろうな。楽土をつくるのは神に叛逆っていうのがよく分からなかったけど、これから二人は神に逆らって平和を築こうとしているわけか。

    蛇の本名が明かされて今後一枚噛みそうな予感。
    クヌートもなんだかんだ和解したし、こっから1・2巻以来の少し平和なターンが落とずれそう。

    久しぶりに会った母にトルフィンはトールズに似た目をしていると言われていたけれど、もうトルフィンは本物の戦士ってやつになったってことなんだろうか。殴られ続ける道を選ぶトルフィンはやっぱり本物の戦士の道を歩んでいるんだろうけど、まだ完成形ではない気もする。
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    投稿日:2022.09.06

  • enbooks

    enbooks

    このレビューはネタバレを含みます

    クヌートここで改心するか。クヌートとトルフィンは対立すると思っていただけにこの展開は意外だった。

    あぁーでもクヌートは呪いから解放されて良かった。目つきも穏やかになったし笑顔も見れた。あと悩みの種はフローキやトルケルのような戦い好きのヴァイキング達かな。クヌートの周囲ではまた一波乱ありそうだ。

    一方、トルフィンは何より家族と再会できてよかった。母親がトルフィンの眼の変化に気づいた場面はグッときた。あとトルフィンはヴィンランドを目指すのみか。あまりワクワクする展開が予想できないが、これからどうなるのだろう。

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    投稿日:2017.11.21

  • clamamus

    clamamus

     農場編の結末と、帰郷とが描かれた14巻である。
     悲惨な戦争の終わりは、驚くほどに笑いに溢れていた。これはまた恐ろしく優れた結末だ。本当に笑わされてしまった。
     帰郷の折の顛末なども、これは確かにユルヴァらしいというか、なんというか。彼女の肝っ玉母さん具合は、北欧の血筋を強く感じるところである。

     面白かった。ただそれだけが感想であり、星五つをつけた理由もまたそれである。
     
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    投稿日:2015.11.18

  • くわっち

    くわっち

    このレビューはネタバレを含みます

    トルフィンは戦が終わった後になってようやくクヌート王に面会に行く。
    そこでトルフィンの思い描く真の戦士として非暴力により面会を勝ち取る。
    トルフィンとクヌートの邂逅。同じ楽土を求めながら、方法が異なるふたり。
    ここではクヌートが描くヴァイキングの王としての楽土への道が示される。
    永久に交わらないふたりの道だったが、この邂逅によりクヌートは方針を転換することになる。

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    投稿日:2015.03.29

  • yoshimitaka

    yoshimitaka

    このレビューはネタバレを含みます

    こんなにカッコイイ顔面ボコボコキャラがかつていただろうか…?(いたかもしれない)

    とにかく戦わない、という意思を貫くトルフィン。
    それは確かに彼の得たたった一つの答えであり、目指すべき道…なのでしょうが。逃げる、というのも難しいものです。財産や土地、地位…狙われているものを全て捨てていかなければならないわけですから。
    殴られ続けるトルフィン。それはもうひたすら痛々しかったわけですが…彼の行く手にはその比ではないほどの苦難が待っているのでしょう。

    結局、「逃げだす」事だって自分から足を踏み出さなきゃ何も変わらない、のだと。


    それから、トルフィンだけじゃなく、クヌート、そしてオルマル達。全てに救いがあったのがよかったなぁ、と。
    特にクヌートはまさか救われるとは思ってなかったので、これは本当によかった。
    もうきっとトルフィンとクヌートの道が交わる事はないのだろうけれど、友達としてがんばって欲しいものです。

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    投稿日:2014.11.24

  • けい

    けい

    トルフィンは本当の強さを身につけたんだなあ、と。
    プラネテスのような笑えるシーンもあって、少しほっとできる巻。

    投稿日:2014.11.13

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