【感想】ニートな彼とキュートな彼女

わかつきひかる / 創元SF文庫
(7件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
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  • SF的なセンスオブワンダーは無いが秀作だと思う。

    人工知能と少子化した社会というありふれた材料を丁寧に料理してあり、短編にもかかわらず濃い内容と軽妙な語り口で最後まで読ませてくれます。
    近頃長編を読む時間と気力が無いのでこういう短い作品で秀作が大量にあればなあとか考えてしまいます。
    仲人コンピューター、ナイス。
    ハッピーエンドで気分も上々。
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    投稿日:2015.10.10

  • 【小説】 ちょっと苦笑してしまう短編SF。たった54ページだが、これで十分。

    ちょっと苦笑してしまう短編SF。
    たった54ページだが、これで十分。
    タイトルから連想される恋愛小説的要素はほとんど無いかも。

    投稿日:2014.04.16

  • 可愛らしいお話

    ジュール・ベルヌ以来、SFは現実を予言するという。2011年の第2回創元SF短編賞最終候補作だそうだ。11年前は「直近未来SF」という位置づけの作品であったが、IoTが普及し始めた今となっては現実の物語と思える。物語そのものは、文字通りキュートで可愛らしいお話である。続きを読む

    投稿日:2022.03.10

ブクログレビュー

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  • peaceful-horse

    peaceful-horse

    第二回創元SF短編賞の最終候補作を集めたアンソロジー。
    前回と比べると面白い作品が揃っている印象。

    ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

    ●空木春宵「繭の見る夢」

    高校古文で目にすることもある「虫愛づる姫君」を題材にした作品。
    物語としては面白いけど、個人的にはファンタジーにしか思えなかった。言語SFは苦手。


    ●わかつきひかる「ニートな彼とキュートな彼女」

    執事のようにコンピュータが生活をサポートしてくれるアパートを舞台に、男女の出会いを描いている。ショート・ショートとしては綺麗に終わっていて良い。ただ物足りなさも残った。


    ●オキシタケヒコ「What We Want」

    宇宙船に乗って商いをしている関西弁の女性商人と異星人のコンビの話。異星人の体の話が理解しづらいけれど、キャラクターが活き活きとしていてテンポよく読み進められた。途中の空白がもったいない。


    ●亘星恵風「プラナリアン」

    再生の代名詞とも言えるプラナリアの話を下敷きに、車椅子の青年がある女性と出会い、そして治療を受けるまでを描いていく。大抵のSFはバイオロジー的な話は遺伝子改変で強引に済まされてしまう傾向があるけれど、本作は生物学的に無理の少ない良作。でもプラナリア小説ではないのが残念。


    ●片瀬二郎「花と少年」(第2回創元SF短編賞 大森望賞)

    頭に花の生えた少年の成長記。主題が違うからそこまで気にならないけれど、「プラナリアン」とは反対に生物学的な説明があまりにも稚拙。主人公の葛藤とその答えも”よくあるお話”で新鮮味が感じられなかった。


    ●志保龍彦「Kudanの瞳」(第2回創元SF短編賞 日下三蔵賞)

    予知能力をもつ妖怪”くだん”を人工的に作り出すプロジェクトに携わる一人の研究員の話。これもやはり予知の原理が生物学的に無理がある。それ以外は綺麗にまとまっている印象。個人的にはこれが一番。


    ●忍澤 勉「ものみな憩える」(第2回創元SF短編賞 堀晃賞)

    中年のサラリーマンが久しぶりに訪れた街で過去にタイムスリップする話。日常から非日常へと入り込む様子は「千と千尋の神隠し」を思い出す。丁寧に描写されていて、読むのが楽しかった。最後の肩透かしは無理やりな感じが強い。


    ●酉島伝法「洞(うつお)の街」(第2回創元SF短編賞 受賞後第1作)

    ユニークで難解。異形の人たちの日常が描かれ、最後にはその世界の全貌が見えてくるのだけれど、捉えどころがない。かと言って読み手を置いていく訳でもない。例えるなら、道の先に先導する灯りが見えるのに追いつけそうで追いつけない感じ。簡単に表せば「?」:「!」=9:1。ここでバイオロジーの話を出したら負けな気がするから言わないでおく。想像力をかきたてられる絵画のような小説だった。
    続きを読む

    投稿日:2013.03.31

  • いなえしむろ

    いなえしむろ

    新人作品集。

     「繭の見る夢(空木春宵)」は漢字が多く読みづらいからパス。次の「ニートな彼とキュートな彼女(わかつきひかる)」はライトな感じが良い作品。

     期待の「What We Want(オキシタケヒコ)」はいまいちだったが、「プラナリアン(亘星恵風)」はなかなか面白かった。阪大基礎工学部らしい。

     話題だった「花と少年(片瀬二郎)」は好みではなく、少し期待の「Kudanの瞳(志保竜彦)」も説明不足。堀晃推奨銘柄の「ものみな憩える(忍沢勉)」は確かにロマンティック。いいな、こや乗り。

     なお、ラストの「洞の街(酉島伝法)」は漢字が多く読みづらいからパス。凝りすぎ。
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    投稿日:2012.09.17

  • niken

    niken

    前作と比較して、作者の一言が追加されていた

    1.繭の見る夢
     SFというよりファンタジー。実は女という設定含め、必要?という設定がある。
    前半は筆力があって読ませるが、肝心のコトノハグライが出てくる後半はよくわからない。SF的アイディアも不明。残念

    2.ニートな彼とキュートな彼女
     読みやすい。が、それだけ。

    3.What We Want
     肝心のわらしべ長者の部分が皆無。それでも最後にちょろっと書かれるがそうじゃないだろ。全部任せて駄目なら諦めるってさわやかで、ものわかりがいいスタンスが書かれているが、もっとドロドロのマキャベリズムを振りかざさないと駄目なところだと思った。アカギばりに。
    小ネタは沢山。

    4.プラナリアン
     面白い。この本の中で一番面白かった。前半と後半の繋がりも特に気にならず、アイディアもアイデンティティを扱う正統派だった。読みやすく、分かりやすい。

    5.花と少年
     結末含めた主張には首肯できる。けど、モンスターが?

    6.Kudanの瞳
     これは漫画で読む話。イメージ喚起させられるほどの筆力でもなかった

    7.ものみな憩える
     SF?ファンタジー。地味。

    8.洞の街
     世界観が分からない

    前の本に比べて読みやすい作品が多かった。
    新しいSFという観点から言うと?新人だから新しいということでもないらしい。こういう事情を知れる本書は貴重。
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    投稿日:2012.05.11

  • 田辺 ふみ

    田辺 ふみ

    第2回創元SF短編賞の最終候補作から七編と受賞者の新作。
    なんだか、1の時はなんか、もやもやする作品が多かったのですが、2はしっくりくる感じでした。自分の好みの話が多かったってことなのか。
    プロの作家が混じっているせいもあるのか。
    亘星さんの名前に親近感があるので、応援しようっと。
    続きを読む

    投稿日:2012.04.01

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