【感想】日本史の謎は「地形」で解ける

竹村公太郎 / PHP文庫
(93件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
27
32
20
3
1
  • 「半蔵門」から「忠臣蔵」へ、徳川幕府百年の復讐とは?

     なかなか面白い!
     特に<徳川幕府百年の復讐>をテーマに「半蔵門は本当に裏門だったのか」「赤穂浪士の討ち入りはなぜ成功したか」「なぜ徳川幕府は吉良家を抹殺したか」「四十七士はなぜ泉岳寺に埋葬されたか」という一連の謎を追い求める著者のユニークな考察・見解には、その都度嬉しい驚きがあり、途中で止められなくなった。
     そのほか、「元寇~」「吉原遊郭~」「征夷大将軍~」「江戸無血開城~」「遷都~」など全18章の謎解きは、どれもこれも日本史の固定観念をひっくり返す、あるいは見直す文章展開が面白い。さすがは河川行政に長年携わり、日本全国の「地形」を熟知する著者、<現場百回>と自分の足で調べ確認する、著者の謎に迫る真摯な態度には脱帽というほかはない。
     余談だが、最終章ラスト8行の推理ゲーム(邪馬台国の所在地)には思わず笑ってしまった。著者のイタズラ心なのだろうが、昔、読んだ『陸行水行』(松本清張)を思い出し、(なるほどねぇ、それもアリかな)と。
    続きを読む

    投稿日:2015.05.01

  • 「謎」?

    読み物として読むには面白い。
    著者は自説に対して自信満々だが、「あまたある説の一つ」として楽しめば良し。
    溜池の章に出てくる「ダム」の話は、民主党政権に対する痛烈な皮肉。さすが元国交省。

    投稿日:2014.02.18

  • 面白い

    雑談のネタになる。ブラタモリを見ている自分は地質の話は面白い。

    投稿日:2017.10.01

  • 下部構造から

    マルクスの唯物史観から単語だけを借りてきたような「下部構造」が推論組み立ての柱になっている。下部構造=インフラ として「安全」「食糧」「エネルギー」そして「交流」を挙げ、それを根拠に話を進めている。どこまで本当かはわからないが、断定調にしかも思い入れたっぷりな語り口は、爽快感がある。とくに赤穂浪士の話は大変に面白い。とは言うものの、第12章の征夷大将軍の論説は牽強付会のきらいが強い。
    続きを読む

    投稿日:2022.03.27

ブクログレビュー

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  • planets13

    planets13

    ここまで断定してしまっていいのかなぁ...と思いもするけれど、納得感は大きい。とはいえ、これも一説なんだけど。

    投稿日:2023.12.24

  • ミイ

    ミイ

    地理・地形・土木の観点から史実を読みといていく一冊。
    トンデモ本なような気がしないでもないが、ミステリー小説を読んでいるようで興味深い。
    大阪城や延暦寺がいかに抜群の立地であったかがわかる。
    利根川大工事や吉良家への仕打ちなどを読んでいると、徳川家康の執念深さと忍耐強さにゾッとする。続きを読む

    投稿日:2023.05.01

  • Mkengar

    Mkengar

    本書、全体的にはなかなかおもしろかったです。地形や歌川広重の浮世絵から歴史的事象を考察するという内容で、ミステリー調の雰囲気があります。ただし題名と中身ですが、「日本史の謎は「地形」で解ける」、というのは本書を読む限り言い過ぎではないかと思いました。本屋で目につくためにも少し誇張して言ってしまえ、というところかもしれませんが、歴史は人文社会系だけでは説明できないのと同様に、地形だけでも説明できないと思います。しかしそのあたりは寛容に読み進めていけば、本書はなかなか面白いと感じました。全部で18章からなっていて、家康や赤穂浪士、遷都など多様な事象が取り上げられていますが、読者諸氏はそれぞれピンとくる章と、全然ピンとこない章とが出てくるのではないでしょうか。また著者は浮世絵が好きなようで、特に広重の絵からインスピレーションを得ています。これはなかなか面白い。ある種の推理小説風です。しかし広重に詳しい人であればご存知のように、広重の絵は架空の事象も描かれていたり、見る人を飽きさせない良い意味での脚色があることで有名です(雪が積もらない蒲原を積雪の絵で描くなど)。ですから広重の絵を100%当時の写実的なものとして解釈することは相当危ういのですが(現実にはなかった要素を絵の中に入れている可能性が十分ある)、本書はそういう細かいところはおいて、ある種の推理小説を読んでいるような気持で読むと面白いと思います。続きを読む

    投稿日:2023.04.26

  • Masaya

    Masaya

    地形から人の感情や歴史の動きを説明していて面白い。地域文化を知る上で地形観点から分析するヒントになりそう。

    投稿日:2023.03.19

  • わっさん

    わっさん

    土木(河川事業)の専門家の視点で論じられ、「なるほど」とうなずける話もあれば、「う~ん」と唸ってしまうトンデモ話(信長の比叡山焼き討ち、赤穂浪士)も。

    投稿日:2023.01.21

  • rib

    rib

    該当する時代の地形からアプローチし、歴史上の疑問に仮説を与えてくれる一冊。

    登場する地名をすぐに訪れたくなるほど、熱量のある筆致でした。とりあえず浅草寺と泉岳寺に行きたい。

    投稿日:2022.10.30

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