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西澤保彦 / 幻冬舎文庫 (16件のレビュー)
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総合評価:
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鈴木梟
このレビューはネタバレを含みます
最後にダブルの正体が奏絵だとわかるところで全て持っていかれた。またこの気分にさせられるとは。 凌辱シーンは読みたくなくなるような描写だけれども、それでも惹き寄せられる読み応え。 奏絵はきっと鳴沢を大切な仲間だと思っていただろうに、下らない妄執でこの結末は悲しいし切ない。
投稿日:2022.12.11
00020140624
あるサラリーマンへ恋人の誘拐と身代金要求の連絡が入る。誘拐の証拠はDVDを確認しろとの犯人の指示。その後身代金の受け渡し要求は行われず、数時間後に被害者女性が遺体で発見される。 犯人側の行動や思考、交友関係は逐一記述されるのに、捜査側の警察は推理の場面しか記述されないのが特徴。メリハリを付ける為かと思っていたがフェアな情報開示を行う為に、除長部分は削ぎ落としたのかもしれない。 ある人物の正体が判明した時は非常に驚いた。推定要素は充分という程散らばめられており、背が高い、男性の様な張りのあるヴォーカル、進路での葛藤、そして住所不定と記憶障害。所持していた年代物のウォークマン。友人の女装趣味ですらきちんと伏線になっていた。また、女子高生時代の話と加齢臭のするスキンヘッドのホームレス男性というのもミスリードに導かれた前提と思われる。 読了後やられたという気持ちでいっぱいも、犯行内容でむやみに人にはおすすめ出来ず★4。人を選べば★5。気持ちよく騙された~
投稿日:2022.10.29
dai-4
氏の著書で、個人的にとりあえず気になってピックアップした作品は、これで一通り読破って感じ。本作は、比較的自分の好みに一致する方向性のもの。タイトルからして尖りまくっとるし。どんどん頁を繰らせる引き込ま…れ度は大きかったんだけど、ラストの強引さも含め、細かく気になった部分は少なからずあったので、総合的にはこの評価。続きを読む
投稿日:2022.10.04
kilakila46
資産家のドラ息子が、ある目的のため、女性たちを凌辱殺人を繰り返す。 結構引き込まれました。 最後、そんな理由で殺人を繰り返したのかと、 もう一つ、高校の同級生女性の末路が面白かったです。
投稿日:2017.11.04
office4690
同じ猟奇殺人にしても『デッドマン』河合莞爾著よりは怖い、不気味な人物、行為は薄気味悪さを感じさせてくれる。小説としてはコロンボみたいに犯人登場からのストーリーなわけだが、その違いは最後に殺人の動機が…明かされることにある。なんだか狐につままれたような・・・それはないだろう(笑続きを読む
投稿日:2017.09.19
らきむぼん
倒叙でもあり、読者は犯人を知った上で読み進めるが、どうにも動機が判明しない。それどころか犯行においてのいくつかの不可解な行動も理由がわからない。 最後まで「理由」が謎である事が、読ませる小説になってい…る。そのミッシングリンクが明かされる瞬間が非常に気持ちがいい。 絶望としかいいようのない展開で、やはりこれもまた絶望を味わうためのミステリ。悲劇でしかない。ある意味では人間の深層の病理をかなり繊細に描いているようにも思える。続きを読む
投稿日:2017.08.01
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