【感想】いい人ぶらずに生きてみよう

千玄室 / 集英社新書
(14件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • たけ坊

    たけ坊

    戦中派というのか、平和を想い戦中の不自由さは批判しつつも、抑止力の大切さとか国のために命をかけることの意義は大切にしている。ひとりひとりの想いの重要性、世界で苦しむ人への祈り、まずそこから始める。大和魂の理解は菅野覚明さんと一緒。教育制度を戻して中高を一貫にして縦のつながりを持たせる。千家の家紋のコマの意味と由来。乗馬を通して学んだ相性の合わない相手との付き合い。小さな前進の積み重ねが伝統。過多をやめてあるものを生かす。続きを読む

    投稿日:2023.08.31

  • こったむホライズン

    こったむホライズン

    型に血が入ることで形になる。

    大和魂というのは、元は源氏物語に出てきた言葉で、学問によって得た知識や理論を、生きて血の通ったものにする知恵や工夫をする心のこと。
    人々が思いがちな、ナショナリズムや軍国主義的な精神を指すものではないのですね。

    伝統における「新た」とは、古くから続いてきたものをただそのままに諾々と受け入れるのではなく、今日の自分なりにやるということ。
    伝統とはそのわずかな「新た」の積み重ねに他ならない。

    「今日今日と言いてその日をくらしぬる明日の生命はとにもかくにも」
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    投稿日:2023.04.23

  • hito-koto

    hito-koto

    初代千利休(1522~1591)に始まる茶道裏千家15代家元(1923~)、2002年からは長男宗室(1956~)に16代家元を譲り、自身は大宗匠に。近年は浮名も流されているようですがw。「いい人ぶらずに生きてみよう」、2010.5発行。これまでは、言いたいことがあっても飲み込んでいたとのこと。80代半ば、タイトルの心境に達したそうです。①「自分さえよければ」が不幸の始まり ②大学より丁稚奉公 ③師範学校の復活 ④学ぶべきは父の背中 ⑤真の男女平等とは、人をいたわる心。④はともあれ、いいこと仰いますね!続きを読む

    投稿日:2019.11.04

  • bqdqp016

    bqdqp016

    裏千家家元であった千玄室氏による、日本人の生き方に対する助言集。戦前、戦後の日本を知っており、かつ戦時中、特攻隊員であった著者は、まさに厳しい時代を生きてきた多くの経験を有する。著者の経験からは、戦前期の日本と今の日本とを比較すれば、現在の日本人はあまりにも情けなく映るのもわかるような気がする。茶道の世界の頂点に立つ偉大な人物ではあるが、純粋で地味な方のように思う。我々は、このような先人にもっと学ばねばならないと感じた。
    「無防備であることは罪です。構えができていないから、相手につけいる隙を与えてしまうのです。攻めるためでなく守るための、抑止力という力を持つ。それが、国際社会の中で生きていく国としての責任ではないでしょうか」p29
    「大学へ復学して一番びっくりしたのは、先生たちの態度でした。出征するときには、泣いて送り出してくれた教授なんてひとりもいなかった。万歳!万歳!元気で行ってこい、お国のために死力を尽くせよ!みんなそう言って、それが口先だけじゃなく、けっこう本気な雰囲気だったのです。ところが帰ってきたら、俺、そんなこと言ったことあるか?もともと戦争には反対だったんだ、君たちが戦争に行ったのは間違いだったと思う、なんて言って、すっかり民主主義者になっている。自分こそがデモクラシーを唱える男だと、堂々と講義する教授までいる。これにはびっくりを通り越して、もうあほらしくなってきました」p34
    「(教育で大事なことは)広く浅くではなく、たとえばお茶ならお茶といったひとつのことを徹底的に学ばせ、そこからいろいろ学び取らせる。そしてそれを芯にして世の中の物事を考える力、判断力、そして実践力をつけさせることです」p100
    「本当に大切なのは、いじめに対する抵抗力とか対処能力を子供自身の身につけてあげること」p107
    「どんな場合にも「当て舵」が必要なのです。人と人との付き合いというものは、時にはわざと力を抜くことも必要なのです。がむしゃらに自分の思うままにやっていたら、目標とは全くかけ離れたとんでもないところに行ってしまう」p117
    「1に国を守る。2に家を守る。自分という個人はその後にある。それが、私たちの子供時代の教育です」p133
    「僧堂でいただく典座料理は、お茶の懐石のもとになった精進料理ですが、本当にあっさりとして素朴なものです。量は多くはないので、お腹が空きます。でも、限られたものだからこそ、そこにありがたみを感じる。こんにゃくひとつ、菜っ葉ひとつ、粗末にしないで食べようと思うのです」p177
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    投稿日:2018.11.04

  • bax

    bax

    [ 内容 ]
    茶道裏千家の大宗匠が、日本人の生き方に意見する。
    「ずっと心にためてきた独り言今こそ話しましょう」。

    [ 目次 ]
    第1章 過ちから学んだこと
    第2章 海の向こうで考えたこと
    第3章 魂を磨くために
    第4章 日本の教育を憂える
    第5章 家が教えてくれたこと
    第6章 この国の未来のために

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]
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    投稿日:2014.10.05

  • ぴぴーこ

    ぴぴーこ

    自分を認め、他者を認める。そこにこそ平和の原点がある。
    千利休の言葉、叶うはよし叶いたがるは悪しし、が深く心に残った。何かを成し遂げたいと思ったとき、そのために努力して結果として叶うのは大事なこと。けれど、小手先のことに気を取られて、ろくな努力もせず、ただ叶えたい叶えたいという気持ちばかりが先走ってしまうのはよくないということ。何事も作為があってはダメ。すっと自然に叶うがよしなんだそうだ。
    これは私の英語勉強に当てはまる。話せるようになりたいな、英語ができるようになったらいいなと思うばかりで、ろくな努力もせずさまざまな勉強法に気を取られてここまできた。ようやく一念発起して、ラジオ英会話1つに絞り勉強しているところだから、とにかく継続して勉強しようと改めて思った。
    善人になろうなんて気持ちを持ったらダメ。人に迷惑をかけない、これだけでいいとの言葉に気持ちが軽くなった。善人なんてものはいない。だから、善人になろうとすることにそもそも無理があるのだ。さんざん無理してきたのかもしれないなあと思う。
    それからもうひとつ、まさに自分のことだと思ったのが、先読みのし過ぎ。自覚というのは、自分がしたことに対して感じたことを受け入れ、納得すること。それを何もしないうちから、ああでもないこうでもないと考えようとするから訳が分からなくなるのだ。ことさら迷わなくてもいいものを自ら進んで迷いに踏み込んでいくようなものだ。自分一人で都合のいいイメージを思い描いて、その通りにならないからといって迷う。勝手に自分で迷路にはまるこれぞ自分のことかと思った。選ぶときは正体不明の妙な自信をもたず、今ある事実や現実を材料にすること。自分の勝手な想像まで比較や判断の材料にしない。そして、選んだならそれが今の現実の自分。目の前にばーんと白い紙を置いて、そこに自分自身で絵を描いていくのだ。
    大きな白い紙を前にした自分を想像し、1日1日の積み重ねで絵が少しずつ作られていくんだなと思った。自分と向き合い、自分に責任を持つ。そして人に惑わされずに信念を持って自分の絵を描いていこう。しんみんさんに重なり、あらためて心豊かに大事に生きようと思った。
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    投稿日:2014.01.12

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