故郷/阿Q正伝

魯迅, 藤井省三 / 光文社古典新訳文庫
(28件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
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5
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ブクログレビュー

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  • まりも

    まりも

    魯迅の代表作を新訳したもの。故郷、阿Q正伝のほか、狂人日記等を掲載している。明治期の日本文学の影響を感じさせる。魯迅の評価は、時代背景や新しい文体で書いたことも大きいのだろう。いつか原文でも読んでみたいと思った。続きを読む

    投稿日:2018.05.31

  • block

    block

    東京で近代文学を学んだ魯迅は
    本国において、ブルジョア生活を満喫しながら共産党を擁護していた
    大陸的なおおらかさというか、虫がよすぎるというのか
    ポストモダンのはしりと呼べるのかもしれないし
    ある意味では戦後日本を先取りする存在なのかもしれない
    そういう人物だった
    作品には、自虐的な認識も反映されているように思う
    この本の解説では、大江健三郎や村上春樹に与えた影響について
    論じられている

    「孔乙己」
    科挙の合格を志しながら、初級試験に受かることすらできぬまま
    ホームレスに落ちぶれたアル中おじさんのプライド

    「薬」
    人血饅頭を万病の薬とする野蛮な風習残りし時代に
    奇跡の花が咲き誇る

    「故郷」
    身分の高い家の息子が、平等な世界を一瞬夢みる話
    のんきなものだ

    「阿Q正伝」
    おれは絶対悪くない、ほんとのおれは世界で一番えらい
    そんな考え方で自分をなぐさめるみじめな男
    その軽薄さはしかし、君子ならざるすべての人民に共有されるものだ
    革命がそのことを一瞬だけ明るみにさらす

    「端午の節季」
    阿Qとは正反対に
    人間みんな似たり寄ったり、という理屈で自分を慰める教師の話
    みんな給料が出なくて困っている
    とはいえ、みんなで踏み倒せば借金も怖くないだろう
    しかし宝くじに当選するのはひとりだけだ…

    「あひるの喜劇」
    蛙とあひるの共存は可能か否か
    共産独裁体制の未来を予見するかのようなユーモア作品

    「藤野先生」
    民族の敗北を素直に、率直に受け止めようとするところに
    魯迅文学の原点がある
    太宰治「惜別」の元ネタ小説

    「范愛農」
    出資と言い換える欺瞞によって賄賂を受け取りつつ
    間違った人物ならば出資者といえども批判するのが公正というものだ
    そう嘯いて罵倒的論陣を張る新聞社
    それに文句をつけたらつまらない人間というレッテルを貼られてしまう

    「兎と猫」
    兎を殺害した猫に復讐を企てる男の子

    「狂人日記」
    被害妄想者の日記が食人の風習を告発する
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    投稿日:2017.02.17

  • のっぴ

    のっぴ

    魯迅の代表作16篇所収。
    訳がわかりやすく、読みやすい。
    『阿Q正伝』はわりと衝撃的。社会や周りの人に全く受け入れられない人物が抹殺されていく様は不気味さを感じる。

    投稿日:2016.12.06

  • kouhei0210

    kouhei0210

    最近この光文社の古典新訳が気に入っていまして。
    今回は魯迅。昔いつかの教科書で読んだ気がしますが
    正確にはおぼえていませんでした。
    有名なところでは、
    「阿Q正伝」「故郷」「狂人日記」・・
    「故郷」は内容を少しだけ覚えていて、どこかで読んだと
    思います。たぶん、何かの教科書だったような・・・
    続きを読む

    投稿日:2016.10.28

  • kuritanu

    kuritanu

      岩波文庫の竹内好訳を読んでから、この本を読んだ。
     竹内好の日本語は見事だと思うが、原文の表現を生かし、現在の日本語で書かれた本書も大変良い。
    魯迅の文体に近い訳になっているというだけでなく、注釈、解説が素晴らしい。竹内好の注釈も非常に詳しいが、この本の方がわかりやすい。例えば「阿Q正伝」で、阿Qが県城に行ったあと、(竹内訳では「城内」)田舎に帰って、県城で誰でも「麻醤」を打っていると知識を披露する。竹内の注には「ごま味噌の意、麻雀と同音。このころは上層のごく一部でしか麻雀はやらなかった。」と書かれている。藤井注は「半可通の阿Qによる『麻将』すなわち麻雀の言い間違え。」とある。この注で、阿Qが都会に行った田舎者の常で、知ったかぶりして自慢していたということがわかった。同じく「柿油党」についても、竹内の注では意味が分からなかったものが、「『自由党(ツーヨウタン)』という言葉がわからず、似た音の『柿油党(シーヨウタン)』と解釈したもの」で、村人たちも阿Q同様、意味もわからぬまま感心していた、と読み取れた。阿Q正伝が伝えたかったことを考えれば、この辺のことが読み取れるかどうかはかなり大事なところだと思うが、竹内注では読み取れないのだ。(まあ、読み取れる人もいるんだろうけど、わかりやすい書き方ではない。)
     ただ、教科書に載っていた「故郷」をもう一度読みたいという人は、この本では同じ感動を得ることはできない。こちらの方が、より原文に近いのだろうが、高橋健二訳の「少年の日の思い出」や内藤濯訳の「星の王子さま」のように、その日本語訳があまりに広く長く読まれたため、たとえ多少間違っていても、なじみのある方に懐かしさを覚えてしまうのだ。竹内好は長い原文を短く切って、歯切れよく、印象深く訳している。「故郷」に関しては、竹内訳でよいではないか、と思ってしまう。
     『吶喊』には入っていない「藤野先生」や『吶喊』の「自序」の漢方医のことを詳し書いた「父の病」も入っていて、魯迅の代表作が網羅されている。値段は岩波よりちょっと高いが、これから買うなら絶対にこちらが良い。訳者による解説も大学の講義のようで面白い。
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    投稿日:2016.08.22

  • goodbye0nin

    goodbye0nin

    魯迅『故郷/阿Q正伝』光文社古典新訳文庫

    魯迅作品のおもしろさを理解できませんでした。

    当時の中国の事や中国の文学について知っておかないと味わえないのでしょうか。

    医学ではなく文学で自国を変えようとした魯迅の文学を理解したかったです…。

    それにしても個人的には、光文社古典新訳文庫の訳はとても読みやすくわかりやすい言葉ですが、どうも好きになれないです。
    続きを読む

    投稿日:2015.08.11

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