自由論

ミル, 斉藤悦則 / 光文社古典新訳文庫
(17件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
7
3
2
0
0
  • 多数派の専制

    ミルトン・フリードマンの選択の自由を思い出しました。
    このミルの作品は古い皮袋のように見えます。ですが、私たち日本人に今でも非常な教訓を与えてくれると思います。
    実際に多数派の専制を行ったファシズム国家の後継として日本はナチズムの共産主義批判のような的外れなこともできないし、逆にナチズムが社会主義者に行ったような弾圧もできないのだという当たり前のことがこの古い知の伝道書には描かれているように思います。
    …感想文、送っちゃおうかな。
    星5つ。
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    投稿日:2016.07.20

ブクログレビュー

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  • hiromiel

    hiromiel

    「正当な理由なしに他人に害を与える行為は、いかなる種類のものであろうとも、周囲の人々の不快感によって、さらには周囲の人々の積極的な干渉によって、抑制されることが許される。
    もっと重大な場合には、その抑制は絶対に必要である」(P137)

    現在、リアリティ番組「テラスハウス」に出演していた木村花さんの死の原因がSNSによる誹謗中傷であるとして世間を騒がせている。
    自民党の三原じゅん子議員が座長として、自民党政務調査会にインターネット上の誹謗中傷・人権侵害等の対策PTが立ち上がり、法整備が検討されているが、詳細は発表されておらず、三原議員がTwitterで明らかに偏向的な発言に賛同するような考えを示しており、早速先行きが懸念されている。

    他国の例では、イギリスでは日本と同じくリアリティ番組出演者の自殺が相次ぎ、法律制定についての署名活動が起こり、ドイツ、フランスではSNS事業者に対して脅迫や攻撃的な内容を含む投稿は24時間以内の削除を義務付ける法律が制定されている。
    削除の基準は民間の事業者にゆだねられており、今後議論の余地がある状況である。

    意見、批判、誹謗中傷の定義は難しい。
    個人的には、人格・容姿など生来持って生まれたもの、後天的に自分と切り離せないことを死や侮辱的な言葉を用いて過度に否定することは誹謗中傷といえると考える。
    意見・批判は、言葉や行動に対して事実や経緯とともに語られており、第3者がその意見、批判に対して、ある程度納得できるものである。
    どちらにも、感情は含まれると思うがあくまでも常識的な範囲で事実に基づいて発せられたものであるか、第3者がその意見、批判に至った経緯を把握した時に、納得できるものであるかそうでないかという違いが意見・批判と誹謗中傷にはあると思う。

    ミルは「議論における中傷」について、表現の自由の限界としてこう語っている。
    「真理と正義のためには、支配的な意見の側にこそ、相手を中傷非難する表現を控えさせることが重要なのである」(P133)
    先の自民党議員にはインターネットよりまず現実での国会ヤジをどうにかすることも考慮して頂きたいところである。
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    投稿日:2020.05.30

  • jumpinjackboy

    jumpinjackboy

    ここ最近も「あいちトリエンナーレ」の問題や、川崎のヘイト・スピーチ規制条例をめぐる問題などで、何かと話題に上る「表現の自由」。中学校のときに公民の教科書で教わるが、改めてちゃんと学んでみようと思い、そのことについて触れた重要な古典である本作を手に取ってみた。読んでみると飜訳の妙もあるのか全体的に予想していたよりもわかりやすく、とても勉強になった。ただ、内容については同意できない部分もある。本作が発表されてからだけでも2世紀以上が経過し、現在われわれは自由権というものが当たり前のように定着している世の中に住んでおり、たとえば「公共の福祉」などを理由に、自由が制限される場合についても十分に理解している。ただ、本作が執筆された当時はまだ議論が不十分なせいか、どうも内容に理想論的、原理主義的な部分が散見される。そりゃたしかに自由権は極力制限されないことがベストなのだろうが、本作の内容を現代で忠実に実践したら、おそらく社会はたちまち混乱に陥ってしまうだろう。また、もうひとつの同意できない部分として、これも時代柄仕方がないことなのだろうが、どうもキリスト教を絶対視するような価値観が眼につく。自由をめぐる議論のスタートとして、キリスト教も仏教もイスラーム教も、そのほかのマイナーな宗教もすべて同一線上にあるというところを大前提にしないといけないので、その部分にかんしては明確に間違っていると言っておきたい。とはいえ、現代社会におけるあらゆる自由は本書を含む偉大な先達の議論がもとになっており、この感想を書けることじたいも表現の自由のおかげといえる。そういう意味でも、全人類にとって必読の書であると言っても過言ではないだろう。続きを読む

    投稿日:2019.12.17

  • ときお

    ときお

    大学生の頃からずーっと積み残して10年近くなる(積み残してたのは岩波版)。教員なってから2,3年目くらいで読もうとしたが途中で飽きて挫折。やっと読めた。岩波より訳が読みやすいこともあり一日の空き時間でさらーっと読めた。なぜこんな読みやすい本を放置していたのだろう。表現の自由のところとか読んでるとさすが200年前の人でも視野が広くて,いい歳こいてネットで政治論議にはまってる日本の大人たちとは違うよなと思った。古典的な自由主義者の感覚は個人的な好みとして好き。続きを読む

    投稿日:2018.10.10

  • pyohei

    pyohei

    こんなに読みやすい哲学書は初めて!というくらい読みやすかったし、ミルの時代は尖った意見だったかもしれないか、今の時代に求められてることも書かれており、必読だと。

    投稿日:2016.12.08

  • kouhei0210

    kouhei0210

    読みたかった。JSミルの自由論が新訳で読みやすく
    なって、文庫本で読めるということが、少し衝撃的な
    ことではないかと思います。
    自由に関しての考察と、現代にも通用する論理とその
    論理展開における思考の流れが読んでいて非常に
    気持ちのいいものでした。
    自由に対する社会政治的、哲学思想的、慣習的、道徳的
    それぞれにおける切り口においてのある意味
    考えつくされているバイブルのようなものであるような
    きがします。
    公私の区分の原理に結びついた思想と言論の自由によって、
    世論=多数派の専制を抑止し、多様性を持った民主主義を
    成熟させることの有用性を再認識させられる内容です。
    続きを読む

    投稿日:2016.08.28

  • Flooding Throne

    Flooding Throne

    20数年ぶりに再読。新訳のおかげで当時よりはるかに読みやすい。今読むと教科書的な説教臭さが若干鼻につくが、やはり自分の軸の一つとして揺るがせに出来ない一冊だ。

    投稿日:2016.01.02

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