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城繁幸 / 光文社新書 (357件のレビュー)
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総合評価:
崩紫サロメ
14
恵まれた人の話ではあるが、ポジティブな姿勢には好感
思った以上にポジティブな本で驚いた。 著者は、従来の年功序列の弊害とその崩壊による更なる弊害で、若者があまりにも報われない社会(会社)になっていると述べる。 その部分はそうだなあ、と思う。成果主義と…いってもやはり「年功序列」的なシステムの上の成果主義。 若者にも中高年にもやさしくない状況だ。 多分本書は就職して3年くらいの若者をターゲットとしているのだろうか。 「レールを降りることの意味」として次のように励ましている。 それは、一言でいえば、「自分で道を決める自由」である。レールの先にはどうやら明るい未来は少なそうだが、 代わりにどこでも好きな方向へ歩いて行けばいいのだ という。 そしてそうした若者の例として、ソニーを辞めてコネクティを創立した服部恭之社長など、 「レールを降りて好きな方向に歩いている」若手起業家を紹介している。 彼らレールを降り自分の足で歩いている人間は、それぞれの動機と常に正面から向き合っている、と言う。 自分の胸の奥にある動機に従うか、それともそんなものは忘れて、 昭和的価値観に身をゆだねるか。 決めるのは上司でも友人でも親でもない。自分自身だ。 その選択に際して、本書が多少なりとも参考になれば幸いである。 とのこと。 いい話だと思うのだが、本書を参考にして、 そういう選択をできる人間というのは、既に「レールに乗ることができた」若者である。 著者の経歴を見てみたところ、東大法学部卒→富士通入社→社内で新人事制度の運営に携わる →退社→コンサルティング会社設立、 ということで、例に挙がっているような人々と同様、大企業の正社員になれた人である。 若者の離職に関して言うと、著者のように「自分の胸の奥にある動機」に従う場合だけでもないだろう。 ソニーや富士通の正社員という、そんなレール自体が最初からない人が殆どだろう。 もっともっと追い詰められた状況、例えばブラック企業の問題などもある。 離職も何も、就職すらできない若者もいる。 だから、少々、「恵まれた人」の話という気がするが、 それでも、働くことに対して「自分の胸の奥にある動機」と正面から向き合うことが大事だ、 という主張には共感するし、働く上で忘れてはいけないことだと思い直す機会となった。 続きを読む
投稿日:2014.12.24
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mike
世代間格差の本
「若者がなぜ3年でやめるのか」というタイトルには惹かれなかったが、進められて購入。若者がやめる理由というより、世代間格差、現状の年功序列の問題点が広く指摘されている。世代間格差は最近でこそようやく取り…上げられることがでてきたが、非常に大きな問題であるとこの本を読んで痛感した。世代間格差ほど本人の努力で解決できない格差は今の日本にはないのではないか、世代間格差こそ今の日本に存在する最大の人権問題といってもいいのではないかとすら感じた。できるだけ早い内に知っておいた方がいい内容であると思う。続きを読む
投稿日:2014.08.20
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showide
働くことへの動機づけが変化してきている。年功序列が機能し高度成長を持たされてきたが、年功序列が終わり成果主義の時代となって来ている。現実は成果の出せない成果主義の中、働く意味を問われているとおもう。
投稿日:2024.03.04
nagaten
このレビューはネタバレを含みます
年功序列の制度が今でも根強く続いていることがわかりました。仕事に対する価値観の違いから、勤続年数の低下が生まれていると改めて感じました。
投稿日:2023.01.19
本の虫
最近の若者は、、、という言葉で片付けるのではなく、そのバックグラウンドにある背景を客観的に分析できていると感じます。私自身が若者ですので、名著と呼べる本でした。
投稿日:2022.12.24
hiroたろう
大卒3年以内に37パーセントが辞めている。 非正規雇用の平均勤続年数はもっと短い。 成果主義は、あくまで年功序列制度の上に成り立っている。 給与は、序列が上がらないとあがらない。 要は成果主義は年功…序列制度と何ら変わらない。 いいように見せているだけ。 会社に立ち向かうはずの労働組合も年功序列。 発言力の高い年配世代の声しか反映されない。続きを読む
投稿日:2022.12.03
なつか
東大という基盤があってこその意見という気はするけど、欲しいものはやっぱり自分で手に入れるしかない。年功序列うんぬんは言い訳でしかない
投稿日:2022.01.23
寺田 友明
私の職場にはなかなか新入職員が入ってこない。そして、入ってきてもすぐにやめてしまう。こちらの求める物が高すぎするのか、それとも若者の忍耐力が不足しているのか。私は今の若い20台の世代は、休みや給与、む…しろ休みや退社時間にばかり目が向いていると考えていた。しかし、実際にはそればかりではないようだ。むしろ、引退後の生活、無駄に物をほしがらないというように堅実で、かつ現実社会をよく見ているのかもしれない。 若者は下積みは望んでいない、意味のある、やりがいのある、責任ある仕事をしたいと思っているのかもしれない。40台手前の私の頭も、昭和な価値観、年功序列の価値観が支配している。私の仕事の顧客は個人個人を対象にする仕事だ。一人一人の対応は違えど料金体制は国の制度に縛られている。すなわち、経験があろうがなかろうが資格さえあれば誰でも同じ料金を請求することができると言うことだ。だから、私たちが行う仕事は、働く場所が違うが概ね同じような内容のことを行う。そのような環境の中で、職場、領域などで違いを有無要因はなんであろうか。賃金なのか、やりがいなのか。 勤務時間、有給休暇を含む休日体制はもはや当たり前のことだ。サービス残業、意味があるのかないのか分からない書類仕事を遅くまでやるような働き方はまさに、本書でなんども主張される昭和な、年功序列の価値観である。人か定住の生活を始めた遠い昔から、資本家と搾取される労働者の関係は、形を少しずつ変えてきてはいるが、働くものがそのような価値観の中で仕事をしていると環境は変わらず、かつ新しく入ってくる職員にもこの価値観のフィルターを通しての話をしてしまっているのではなかろうか。 今まで就職説明では、今の職場のいいところを主張してきたつもりだ。しかし、振り返ってみると、リハビリとしての職場として、やりがいとキャリアプラン、その意義を感じられることを説明してこなかったと思う。もう一度自分自信が、働く意味、やりがいを何に感じているのかを明確にして、新たに職場に入ってくる若者、同じ職業につく若者に話していきたい。私の職域は少なくとも年功序列には遠い職域だと思っているが、忍耐、下積みなどと考えるこの姿勢は、まさに昭和な、年功序列の価値観の塊であろう。続きを読む
投稿日:2021.08.01
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