【感想】銀河英雄伝説10 落日篇

田中芳樹 / らいとすたっふ文庫
(1件のレビュー)

総合評価:

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  • 英雄たちの残照と伝説の終わり

    「銀河英雄伝説」という題名は、なんとなくB級映画の様な語感で、ともすればファンタジーや神話の様な印象を受けますが、
    むしろ硬直し腐敗した組織に立ち向かった英雄達の物語であり、社会人の方が読み応えがある物語です。

    ということで、繰り広げられる物語は題名とある意味で異なり、英雄譚という側面以上に様々な体制下で人間の想いや行動が描かれ、
    人類が銀河に進出した時代においても人の営みに変わりはないことと、陰謀を巡らせ戦い合う両陣営のどちらにも正義があることと、
    最終巻では、歴史を変えた英雄たちが次々と退場し、伝説の残照の中で誰が生き残り、日常の中で歴史を紡いていくのかが書かれています。

    「銀河英雄伝説」自体は、本伝が10巻で完結し、外伝が6巻予定されそのうち5巻が刊行されていますが、本伝は大団円で
    綺麗に終わっており、全巻通して読み応えがあります。とにかく一読をお勧めします。

    なお、星を△1したのは、新書版や文庫版の際にあった表紙・挿絵が、電子書籍化にあたって全てカットされている点です。
    この本に限らず、電子書籍の際に問題になることですが、小説の挿絵や表紙は、通常、編集部が作者とは別に手配しており、表紙や挿絵の著作権が別にありイラストレーターの同意を得て(電子書籍の契約をして)
    電子書籍化することは非常に難しいことが挙げらていますが、挿絵も本の一部であるので、その点が悔やまれます。それに挿絵なしにしては値段が高いのもありますし。
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    投稿日:2015.04.05

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