【感想】ハムレット

シェイクスピア, 野島秀勝 / 岩波文庫
(52件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • planets13

    planets13

    欧米文学にありがちな、くどい印象がなくて読みやすい。原著を読むことができれば言葉遊びをもっと奥深く読めて、さらに面白くなると思う。残念ながら原著は読めないけれど、注釈をチェックしながらでも名作の称に恥じない出来映えだと思う。続きを読む

    投稿日:2023.12.24

  • だまし売りNo

    だまし売りNo

    叔父による簒奪は壬申の乱など古今東西繰り返されているが、ハムレットは復讐劇としては徹底していない。ハムレットは復讐に真っ直ぐに進むわけではない。ハムレットの父には飽食の罪があった。ハムレットは「父は飲食に飽き」と語る(シェイクスピア作、野島秀勝訳『ハムレット』岩波書店、2002年、190頁)。

    文学作品における飽食の罪は、物理的な行為だけでなく、精神的な側面も象徴する。欲望の無節制、自制心の欠如、他人や環境への無配慮さなど道徳的な側面を強調する。飽食が罪として描かれることで、人間の弱点や誘惑に対する警告として機能する。

    飽食の罪が文学作品で取り上げられる背景には物質文明や社会の浪費的な側面がある。物質的な享楽に溺れることで、人々は精神的な充足感を見失い、倫理的価値観を軽視する危険がある。この点で文学作品は社会のバランスや健全な生活様式の提案として機能している。

    飽食の罪は、登場人物の性格描写や物語の展開に重要な役割を果たす。登場人物がこれらの罪を犯すことで、その人物像が深化し、物語の展開に影響を与える。たとえば登場人物の転落や試練の過程が、その人物が飽食の罪に陥ることで象徴的に描かれる。

    文学作品が飽食や暴食の罪を扱うことは、読者に道徳的な教訓を提供し、自己啓発を促す役割を果たす。登場人物がその罪から教訓を学び、成長していく様子は、読者に自己改善や倫理的価値観の再評価を促す要素として作用する。

    飽食の罪が文学作品で取り上げられる背後には、人間の欲望や倫理的な葛藤、社会的なバランスなど、様々なテーマが含まれている。文学はこれらのテーマを通じて、読者に深い洞察や教訓を提供し、人間の本質や行動の意味について考えるきっかけを与える重要な役割を果たしている。

    ハムレットの第五幕第一場でハムレットは墓掘り人夫によって掘り出された宮廷道化ヨリックの頭蓋骨を見せられる。ハムレットは子どもの頃にヨリックに遊んでもらった。ハムレットは頭蓋骨を手に持ち、人生は無常だとホレイショに語る。NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』ではシャレコウベが重要なアイテムになっている。ハムレットの影響を受けたのだろうか。
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    投稿日:2023.08.14

  • やっくん

    やっくん

    #ハムレット #読了 #シェイクスピア
    小学校の頃、親戚の友達に遊びに行った時、本棚に美しいシェイクスピア全集が入っていたのを今でも覚えている。多分飾り用で読まれていなかったと思うけど、めくってみたら、あれ?いつもの小説と違うなぁ、なんだろう。あの時まだ戯曲だというのは知らなかった。
    でもずっと印象には残っていて、いつか読めるようになるかなぁって定期的に思い出す。気づいたら何十年も経ってついに読んでみようかと思うタイミングがまた来た。そして読んでみたらハムレットが3時間程度で読み終わった。しかも読みやすい。ストーリーは何となく知ってたけど、実際に読んだらメインストーリー以外の話とか人物とかもあって、やっぱりちゃんと文学だった!(それはそう)
    シェイクスピアの文学は英語圏ではいつも一番とされている印象で、正直ストーリーはオリジナルではなかったし、複雑でもないので、評価されているのはやはり文章というか、戯曲だから台詞だね。そこは納得したつもりで、台詞の想像力というかインパクトが凄い、上手く言えないけど、評価される理由はわかった。ただ翻訳だと、原文の素晴らしさはフルで伝わらないのも事実だ。
    シェイクスピアってこんな感じだよという経験が大事なのと、これから実際に舞台を観に行きたい気持ちにはなったので良き。
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    投稿日:2023.07.30

  • ゆっくり

    ゆっくり

    まさかシェイクスピアの沼を認識する日があるのか?と思っていたけど本当にそのまさか、1600年代に作られた作品が、この2020年代に読んでもまったく面白いのはすごいのひと言では?

    当時の価値観が身についていなくても、国語の教科書よろしく下の方に脚注がついているからしっかりと内容についていけるのが良かった。それどころか、当時の演劇におけるウィットやイングランドの情勢に至るまで読者を置いていかない工夫が凝らされている。他のシェイクスピア作品を読む場合も岩波版が正解なんじゃないか?

    舞台映えするであろう動きが見えるようだったし、観劇する機会さえあれば飛びつきたいなと思った。
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    投稿日:2022.11.30

  • 藤沢清人

    藤沢清人

    このレビューはネタバレを含みます

    世界中で愛読され繰り返し上演されてきた、詩人シェイクスピアの代表作。亡霊に迫られた王子ハムレットの復讐劇を描く。

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    投稿日:2021.09.20

  • よう

    よう

    初めての戯曲、初めてのシェイクスピアの作品。すごく面白かったです。難しそうという理由で遠ざけていましたが、注釈がとても分かりやすくて助かりました。

    一番好きなシーンはハムレットとレアティーズの対決の場面です。急展開に驚きました。これが本当の悲劇…。

    言葉の影に隠れた感情が小説よりも鮮明に伝わってきたように思います。もっと様々な戯曲を読んでみたいと思いました。

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    投稿日:2021.03.05

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