【感想】月の裏側

恩田陸 / 幻冬舎文庫
(276件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
28
87
105
28
5
  • 恩田版「盗まれた街」

    ホラーSFぽいのだが、主人公たちが積極的に解決に動き回るわけでもないので物語的カタルシスはあまり無い。むしろ故郷への郷愁やその関係性が強い知り合いが知らず知らずのうちに何か得体の知れない者に変わっている恐怖などある種独特の雰囲気を楽しむ作品。続きを読む

    投稿日:2013.12.13

  • 状況が分かってからの方が深い・・

     自分が自分であることの証明ができるか,昨日の自分と今日の自分は本当に同じか・・・そんなことがテーマになっています。
    そんなことが起こるとは俄には信じられませんし,「状況」にはツッコミどころは満載ではありますが,何が私個人を私と定めているのか・・・考えてみるには興味深く,状況が分かってからの方が面白く読めました。続きを読む

    投稿日:2017.09.14

  • ちょっと読むの大変

    なんとなく初めの方が、理解できず、3回くらい読み返しました。ストーリー自体は好きです。

    投稿日:2022.06.02

ブクログレビュー

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  • 海外おやじ

    海外おやじ

    このレビューはネタバレを含みます

    恩田陸氏の初期の作品。モダンホラー。

    とある町で人が失踪するも、無事帰ってくるという事件が多発。彼らは『盗まれて』しまったのか。

    ・・・
    本作、失踪後に当人が帰ってきます。その時の意識だけないのですが、あとは普通なのです。

    こうした筋から、自然と洗脳とか、死とかを考えました。

    意識や記憶の連続性を自認できる場合、周囲から『お前洗脳されたんだ』と言われても『はあ?』って思うでしょう。もし死後の世界があるとして意識や記憶があり『あ、俺死んだんだ』ってわかったら、死への恐怖は薄いのではないでしょうか。

    本作の『盗まれる』というのは言わばこのような状態。ただし『盗まれている』間は記憶がない。だったら別に恐怖とかは余りないんでないの?と感じました。

    で、思いました。
    意識・記憶の一体性・連続性こそがアイデンティティなのであり、これが保持されない(というか確証できない)のが死であり、だからこそ、死は怖いのではないでしょうか。

    まあその意味では本作は余り怖くはなかったかな。

    ・・・
    いつも書きますが、恩田さんは作風の広さが半端ないです。創造意欲はどこから湧くのでしょうか?感心してしまいます。

    青春小説やエンタメ小説としての恩田さんしか知らない方はこうしたモダンホラー系も読んでみていただきたいです。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.01.01

  • mayurenee

    mayurenee

    SFホラー。

    何が本当で、何が嘘かはわからないけど
    大多数になればそれが本当になる。
    この世の中には説明ができないこと、説明しなくてもいいことがあるんじゃないか。

    そうなのかもしれないな。

    登場人物の多聞さんがでてくる不連続の世界 を続いて読みたい続きを読む

    投稿日:2023.10.10

  • aida0723

    aida0723

    このレビューはネタバレを含みます

    ジャック・フィニィの「盗まれた街」は過去に読んだことがある。面白かったのは覚えているがラストの記憶がない。オイラの頭はほんとに残念だ。盗まれた人がどういう風に帰ってくるのか事実を知った協一郎、多聞、高安、藍子が世間にその証拠を出さない理由にいまひとつ納得ができないけど、最後まで相手の姿かたちをはっきりさせないままこれだけドキドキさせてくれたことに感心。というか相手が敵なのか味方なのかもよくわからない。殺される訳でじゃない、少しの間世の中から消えてまた帰ってくるだけだ。それを四人がそれぞれどんなふうに捉えるのか、ってことだ。多聞の盗まれても盗まれなくても一緒じゃないの?的な考え方って長生きしそうだな。
    ”真実は男のものだが、真理は女の中にしかない。男はそれを求めて右往左往するだけだ„ って言葉が頭に残ったんだけど、なんか解せないんだよなぁ。   

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.08.27

  • りさパパ

    りさパパ

    なかなか理解するのが難しかった 勝手な解釈だけど月の裏側って、月は存在して見ることができるけど裏側はここからは決して見えないもの 存在するけど見えないものって、人の意識とか深層心理だったり、人によって見るあるいは想像する、思うことがそれぞれ異なるという側面を描いたのかなぁと。続きを読む

    投稿日:2023.08.07

  • もちこ

    もちこ

    全体的にどんよりとした雰囲気の中で、唯一教え子の多聞ののほほんとした性格に救われた。
    恩田作品の中でも突出した不可解な気味の悪さ。この世には説明できないことが、私たちの知らない間にどんどん生まれているのかもしれない。

    ☆印象的な言葉☆
    「人間は、一人では生きていけないが、一人で何もできないわけではない」
    続きを読む

    投稿日:2023.08.05

  • 美華恵

    美華恵

    私は何者か?

    スピ系に興味がある。
    人は言葉を発しなくても、感覚的にわかってしまうのでは?といったことは、ずっと感じていたけれど
    (そのせいで生きづらい)
    目に見えない意思により、潜在最終的には、みな同じことを考えるように、意識を操作されて?いるのであれば
    「人間はそのままで完璧」という自己肯定感低めの人向けの言葉と相反する。

    さて、私はナニモノか?
    どう生きていったらいいんだろう?

    読んでいて、ところどころ、ツジツマが合わないところがあって、ん?って思ってしまった。
    そこは、読んでいる人が落ち込まないように、現実には戻すために、あえて、なのか? 笑
    続きを読む

    投稿日:2023.07.30

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