【感想】限界集落株式会社

黒野伸一 / 小学館
(222件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
40
81
72
9
2
  • これからの農業の生きる道

    会社を辞めて骨休めとして父方の田舎・止村にやって来た主人公が、出会った地元の老婆や子供の「村を寂れさせたくない」という声をうけて農業法人を立ち上げる顛末がお話のメイン。
    過疎地の農業で生き残りをはかる為に主人公がすすめる改革案は、今の地方の現状を考えると「これは確かに有効かも」というほどリアリティがあり、お話だからと言って夢物語と流せないものがあります。
    また、登場人物達の個々の事情や成長が丁寧に描かれていて、それぞれに肩入れして応援したくなります。
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    投稿日:2013.10.25

  • 素直に楽しめました

    「限界集落」をどう再考して行くか?
    都会から色々な事情と異能?を持った就農研修者と元金融/財務のプロの主人公が限界集落の人々と共に取り組んで行くプロジェクトの物語で素直に楽しめました。
    農業の事は素人ですが反対側の金融/財務の側面はしっかりリアリティーがあると感じました。
    本当に些末なコメントですが、主人公の愛車はイグニッションは回しません。ボタンを押すだけです(苦笑)。
    続編が出ると良いなという読了感でした♪
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    投稿日:2013.11.04

  • やっぱり日本の農業には頑張って欲しい!

    少子高齢化で過疎化が進む集落を再生していくお話です。
    登場人物のキャラ設定がはっきりしているので、ドラマを見ているかのように、彼らのやり取りに違和感なく入り込めます。
    過疎化の進む村での問題点も知ることができたので良かったです。

    話はテンポよく進み、最後はハッピーエンドなので、読み終えた後が気持ち良かったです。
    確かに、「現実はこんなにうまくいくかなぁ」と思う部分もあるのですが、
    そうであって欲しいと願わずにはいれません。

    最近、政府は、日本の農業を強くすると声高に言いますが、
    産業として農業を発展させようとし過ぎて、この本で描かれているような、純粋な人々の優しさや暖かさ、繋がりを絶対に損なわないで欲しいと心から思いました。

    日本の農業頑張れ。
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    投稿日:2013.11.11

  • 「野菜のくず」が語りかけるもの

    「村おこし」という観点でいうと、有川浩の『県庁おもてなし課』と比較されやすい作品だろう。
    『県庁~』の方が、一般に「駄目な人達」と批判されがちな公務員を主役にしているところに新しい面白さがあれば、
    ちらは、「駄目なお役所に変わって俺たちがやってやる!」というある意味王道エンターテイメント的な面白さがある。

    逆に言えば、大筋のところが、割とありふれた「王道☆逆転劇」であるとも言える。
    少々調子よく進みすぎるところもあるのだが、筋よりもディテールで面白いところが結構ある。

    例えば、質はいいのだけれど、形がいびつで商品化しにくい野菜を売ろう。
    そのために何かマスコットキャラクターを作ろう、という話になる。
    この限界集落株式会社は、地元の人もいれば、都会で挫折してやってきた人の両者からなる。
    そこで活躍するのが、売れない漫画家で日雇い派遣をやっていた「冴えないデブ」の千秋。

    彼が「不思議菜」という名前を提案したシュールな野菜キャラに、
    元エリート銀行員の優が、もっと強烈な名前でないと駄目だ、「野菜のくず」でいこう、と主張。
    結局「野菜のくず」達のシュールで自虐的なWebマンガがホームページに掲載されることになるのだが、
    これが一部の若者の間で大人気となる。
    が、多くの人(特に中高年)には「何がいいのかわからない」という。

    「野菜のくず」というキャラに惹かれる若者たち、理解できない大人たち。
    ある意味現代社会のひずみを上手く切り取っているな、と思う。
    おそらく、「野菜のくず」に惹かれる若者たちは、自分たちが社会で「くず」として扱われていると、
    どこかで感じているのだろう。
    描きようによっては非常に重いテーマになるのだが、
    それを痛快王道逆転劇に取り入れることで、不思議なバランスが生まれる。

    社会問題×エンターテイメント。
    タイトルと中身がマッチしている。
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    投稿日:2014.11.04

  • あくまでもフィクションですね。

    面白かった。
    「ローマ法王に米を食べさせた男」も読んであったのですが、こちらは、あくまでもフィクションですね。
    軌道に乗りかけていた限界集落からの脱出が、暴力事件でとん挫しそうになる、ところぐらいから、あぁやっぱりフィクション、なんだなぁ、って思ってしまった。
    でも、ハッピーエンドで終わっていたし、続きもあるようなので、読んでみたいと思います。
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    投稿日:2015.10.06

  • ちょっと物足りない...

    筆者が話のテンポを重視したのか、状況変化・場面展開が少し唐突で、 人物の内面変化の過程も省略されていてちょっと物足りなかったです。また、前半部のトントン拍子な展開はともかく、中盤から終盤の展開は持って行き方も終わり方もちょっと強引に感じました。
    むしろここから先こそ本当に大事な所じゃないでしょうか?

    ストーリー自体はとても好きなタイプなので、続編が出たら購入してしまいそうです。
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    投稿日:2014.01.15

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ブクログレビュー

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  • にしど

    にしど

    企業のためにIT企業を辞職した優が故郷の限界集落で村民達と農業経営により町おこしする話。
    農村の人口減少など問題だけでなく恋愛話もあり楽しく読めた。
    個人的にはじいちゃんばあちゃんのやりとりや口調が楽しかった。続きを読む

    投稿日:2024.02.24

  • 亮



    起業するためIT企業を退職し、それまでの休息として故郷へ帰る。

    そこは限界集落と呼ばれる山間部。
    人口の半数以上が65歳を超え、店も無ければ、郵便局、路線やインフラなどもない。

    そんな限界集落で過ごすうちに、都会から逃れ就農研修に来た若者達と出会う。

    このまま行けば廃村となる運命の村を救うべく、過疎、高齢化、雇用、食糧受給率、日本に山積みにされた社会不安へ挑む。

    村の再生、村起こし。

    現代の農業、地方集落が抱える諸問題が描かれる。

    読了感も良く、勇気づけられる一冊でした。
    続きを読む

    投稿日:2023.02.20

  • chanaobook

    chanaobook

    地方の廃村間近の止村を東京のエリートが、経営力を駆使して救うお話。

    農業の様子と、収益化を図るためにさまざまなアイディアを出す主人公を読んでいて活力が出てきた。

    農業ではないけど、将来同じような境遇になるので背筋を伸ばさなきゃな…と痛感しました。
    何事も勉強!資金力、そしてビジネスへの愛情が必要だと思いました。

    村の人々の人間模様も個性のある野菜のくずたちのようで楽しかったです!
    続きを読む

    投稿日:2022.03.10

  • グッチ

    グッチ

    なるほどね...
    て言う内容だけど、スト-リ-(展開)の先読みが出来るので
    メモに取りたいくらいの、作家の想いを残して欲しい。
    琴線に響く書き手の力量を問いたい。
    作文ではないのだから。

    投稿日:2022.02.23

  • bookbuku123

    bookbuku123

    このレビューはネタバレを含みます

    下品
    きらいなタイプだ

    引いた
    土下座
    人探し
    デブ表現

    なんかいろいろと無理

    気持ち悪いと思った

    化粧したのを見て化けたっていってたのに
    村の発展と共に〜にすり替わってた

    もしアダルトビデオに出演歴があったとして、何が問題なんだろうか

    地元住民の反発や農協の妨害、後追いの競合とか
    課題や障壁になりそうだなーってところには
    触れるけど、都合よく解決されていった


    田舎最高ーってなる漫画は、ばらかもん
    田舎陰湿…ってなる作家は、湊かなえ

    過疎化による限界集落、でなくても少子化のスピード凄まじいから
    お金のかかる機能の維持を諦めて
    どんどん縮小して
    移り住んでいってもらうところはたくさん増えるんだろうなと思った

    数年前に見た予想グラフ、
    戦後の人口増加の角度で
    人口減少だった

    おやき食べたい

    レビューの続きを読む

    投稿日:2021.06.25

  • rickun

    rickun

    亡き祖父の暮らした過疎化した寒村に、ほんの骨休みのつもりで帰って来た、アメリカ留学や大手銀行に勤めた経験のあるエリート多岐川が、村を再び豊かにしようと、村全体を農業法人化していく話。食えない、儲からない農業をいかに儲けて、若者に魅力あるものにするのか。その工程も面白く、また登場する人々もワケアリなので、どんどん読める。ドラマ見てから読んだけど、設定以外全然違った!続きを読む

    投稿日:2021.06.14

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