【感想】セカンドタウン

嶋戸悠祐 / 講談社ノベルス
(8件のレビュー)

総合評価:

平均 3.3
0
3
4
1
0
  • 話中に登場する小説の方が面白い…


    核戦争後の日本社会。
    セカンドタウンや外界といった
    奇妙な閉鎖的社会が生まれた。

    そこで繰り広げられる、
    おぞましい出来事や政府の陰謀が
    ゾッとする。

    話中、紹介される小説の話しが
    あるんだが、これが本編より長い。
    いや、むしろこの小説の話しだけに
    本腰入れてもらった方が面白かった
    かもしれない。
    かなりグロいですけどね。

    核戦争や政府うんぬんは拭い去って、
    食人族ソニー一家としての作品に
    してほしかった。

    探偵や、政治絡みの話しは軽い予測
    もできたし面白くなかったな。
    まぁ、予測はばっちりハズレました
    けど。

    本作のセリフの中に
    「僕は驚きたいんだ。だから読んで
    る時に余計な推理はしない」とある。
    僕も、まさしく同意見だ。

    本の醍醐味は、やはり勘ぐらないに
    限ると思いました。
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    投稿日:2018.10.18

ブクログレビュー

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  • mayuko

    mayuko

    出だしがとにかく気持ち悪い!
    でもそれなりに面白かった。
    価値観の違いが齟齬を生み出す、という着眼点がよかった。

    ミステリーというよりはホラーかな。

    投稿日:2016.06.23

  • 及川

    及川

    嶋戸悠祐の『セカンドタウン』を読了。

    本作は衝撃的だった。1章から既にインパクト大。あまり具体的に想像したくない表現が多数出てくるのだが、没頭するあまりに想像してしまった。

    推理する場面も多々ある。納得のいく論理的推理がなされている。

    中盤で作中作が出てくるのだが、セカンドタウンの謎を解く大きなヒントになっていた。

    それにしてもこの作中作、1章以上のインパクトであった。帯に「限界を突破するR18小説」と書いてあるのだが、なるほど納得。グロさに関してはかなりのものがある。読んだ後には、グロ耐性が付いた気がしたほど。ちなみにモデルは「ソニービーン一族」だという。

    現実のセカンドタウンに話は戻り、語られた真実が物語などではなく現実であることに驚愕する。しかしまだ驚くのは早く、信じられないことまでしていた。よもやここまで壮大だとは思っていなかったので、推理は完全に外れてしまった。

    これ以上はネタバレになるので書けないが、セカンドタウンの常識というのは恐ろしいものだった。

    それと、物語とは直接関係ないのだが、江戸川乱歩の『孤島の鬼』という作品が作中に出てくる。作者とはネットで知り合いなのだが、本作を読了後に感想を伝えたところ、どうやら乱歩の作品に多大な影響を受けているらしいとのこと。

    やはり有名な作家が与える影響は大きい。
    続きを読む

    投稿日:2014.07.25

  • ゆい

    ゆい

    前作はあまりにも日本語が下手過ぎて★一つという評価だったんですけど、その点に関してはこの2年間で随分と改善されているようです。ただ、肝心のストーリーは凡庸で、「さぁ、これからやってやるぞ」的丸投げな結末にはがっかりです。続きを読む

    投稿日:2014.03.11

  • F.t

    F.t

    このレビューはネタバレを含みます

    <あらすじ>
    高い壁に囲まれた町『セカンドタウン』
    セカンドタウンの住民は壁の外『外界』に出ることは法律で禁止されており
    外界の人間はセカンドタウンの『自治体』の許可があれば入ることができる。
    セカンドタウンの中心に高い塀で囲まれた『塀の中』と呼ばれる場所があり
    そこには病院や学校、自治体の本部など、重要や施設がある。

    セカンドタウンに住む戸丸は
    ある日、郊外の肥溜めに落ちた高校の担任・中山先生を発見した。
    自治体を呼んで無事助け、中山先生は塀の中の病院に入院することに。
    そのときに、戸丸は中山先生から鼻無男という化け物に襲われた話を聞く。

    後日、戸丸は外界に住む友人・祝詞に中山先生の話をすると、祝詞は
    『真実を伝えたい。祝詞家、裏庭の物置の中に』
    というメモを残して失踪。
    更に同日、中山先生が病院の屋上から飛び降り自殺する。

    三日後、戸丸は祝詞家へ何とか辿り着き、物置の中に入る。
    するとそこには、祝詞が書いた戸丸宛のメモがあった
    「俺は追われている。セカンドタウンの秘密を知ってしまった。
    お前を含め、この世界そのものが『ソニー・ビーン』だ。洞窟の外は『外界』だ」

    戸丸は、メモと共にあった小説『ソニー・ビーン』を帰宅途中のバスの中で読んだ。
    ソニービーンと妻とその子供達は食人殺人一家で、子供は生まれたときから
    人間を食べていたので殺人に対する罪悪感や食人の異常さを感じない、
    という内容だった(詳細はソニー・ビーンで検索)

    小説を読み終わった後、戸丸はバスの中で外界から来た探偵・数多に出会い
    戸丸は今まで起きたことを全て話した。

    そこで数多が出した真相とは?セカンドタウンの真実とは?


    <オチ>
    100年前、世界戦争で日本は核爆弾を落とされた。
    日本は関東を覆うドームを建設し1/3の国民を核から守り、鎖国が始まった。
    でも自給自足が困難になり、国は関東とは別の場所にセカンドタウンを造った。
    その理由は、セカンドタウン内の『塀の中』に秘密裏にクローン人間工場を造り
    臓器売買の収益を国の財源にするためだった。
    中山が言っていた鼻無男はクローン失敗作で、彼は塀の中のことを知り逃亡し
    肥溜めに落ち、そして殺されたのだ。
    セカンドタウンの住人は洗脳で過去の記憶を消され外界の情報を遮断され
    外界の人を同じ”人間”と思っていなかったので、外界人をペットのように扱い
    更にはクローンで失敗した肉を当たり前のように食べていたのだった。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2013.10.07

  • とも

    とも

    高い塀に囲まれた町、セカンドタウン。
    その郊外にある古井戸から救出された高校教師・中山は井戸の底での恐怖体験を教え子の戸丸に語った。
    ―直立する壁を這い、糞尿をすする鼻のない異形の男・・・。
    そしてその後、中山は病院の屋上から飛び降り命を絶つ。
    戸丸はクラスメイトの祝詞に相談するが、祝詞は一遍の物語を遺して姿を消す。
    その物語に秘められたセカンドタウンの真実とは・・・?

    第3回福ミス優秀賞にてデビューされた、嶋戸さんの第2作目。
    1作目が1作目だっただけに、恐る恐る手に取ったのですが。
    これまたかなり複雑な読後感。
    舞台はSF?謎はミステリ?内容はホラー?
    とにかく、私が今まで読んだことないような居心地の悪さ。
    それなのにものすっごい惹かれてしまったという。

    何なんだろうなぁ・・・。
    ものすごい悪趣味なんだけど、最後に明らかになるアレがとにかく強烈。
    人物像ひっくり返っちゃって。
    いやぁ、参った。
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    投稿日:2013.09.22

  • 藍果

    藍果

    このレビューはネタバレを含みます

    とても面白かった。超どストライクに私の好み。"セカンドタウン"と呼ばれる一度入ったら出ることは出来ない特殊な町をめぐる話。閉鎖された特殊な世界観での徐々に常識が紐解かれていく様が素敵。この手のタイプの話が好きな人は好きだと思います。文章も個人的に読みやすくマルなので作家さんも気にしていきたいです。

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    投稿日:2013.08.31

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