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青池保子 / プリンセス (1件のレビュー)
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総合評価:
崩紫サロメ
2
真・悪・美の世界
少女漫画というのは、だいたい女に都合のいいものである。というか、少女漫画に出てくる男というのが女に都合の良い存在なのである。 でも、そんな男ってかっこいいか?かっこいい男というのは・・・・ 女の都合…などに構わず、自らの望むがままに生きる男。 それが、ティリアン・パーシモン、本作品の主人公である。 本来、彼は『七つの海 七つの空』という作品の「悪役」であった。 だが、平凡なヒロインを守る正義のヒーローが勝つという「公式」に欺瞞を感じ、 また、作者自身がティリアンに惚れ込んでいった結果生まれたのが、『エル・アルコン』であるという。 時系列的にいって、『エル・アルコン』の方が先になるので、単独で読んでも全く問題がないであろう。 少女漫画の「欺瞞」に挑戦したティリアンは、ある意味、何者にも媚びない、究極的な「悪」であり「美」である。 だから、当然ながら、現実の「男」とも異次元の存在である。 作者、青池保子自身、絵柄や作風が変わり、今はもうティリアンを描くことはできないという。 (『エロイカより愛をこめて』のエーベルバッハ少佐はティリアンの子孫という設定で描いていたらしいが、すっかり別人・笑) 『エル・アルコン』が描かれた頃の少女漫画の常識も、作者自身も、変わってきている。 だが、読み返してみて、やはり、ティリアンの「悪」であり「美」であるところはなんら変わっていない。 そうか、欺瞞を剥いで、剥いで、剥いでいって残るのは、真・悪・美、ということなのだろうか。続きを読む
投稿日:2014.09.20
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