【感想】檸檬のころ

豊島ミホ / 幻冬舎文庫
(166件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
57
59
28
3
2
  • みずみずしい

    著者の書く作品には、日常があふれている。
    が、そこには雨滴のようなかすかなさみしさや悲しさが必ず潜んでいる。読んでいて泣きだしそう、ということは決してないが、どこか心に気泡ができたような感じがするのだ
    この作品も、高校時代という輝かしい時間を描写しながらも、どこか悲しい。大学の進学による恋人どうしの別れや、言い出せないまま他人に奪われた幼馴染への恋、趣味を通した実らない恋など、切ないテーマを扱ってはいるが、それとは別種の、もっとささやかな悲しさだ。
    この感覚は、豊島ミホを読んだ者にしかわからないだろう。
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    投稿日:2013.12.07

  • 素晴らしい

    当たり前は大事というものを実感するとともに感動した、、、、、

    投稿日:2014.08.29

ブクログレビュー

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  • 123daaah

    123daaah

    「成瀬は天下を取りに行く」の著者 宮島未奈さんが旧TwitterXで殿堂ゾーンとして本棚の一部を公開していました。豊島ミホさんの作品ばかりだったのでその中の1冊(20年程前の作品)を手に取ってみました
    短編か?と思いきや、意外な所で繋がっていて「おっ!」と思わず声が出てしまう連作短編集です。著者が「底辺」だったという高校時代。底辺でもそこには人が存在していて必ず物語があります。そしてそこでは誰もが主役です。
    解説で「豊島ミホは、ふつうをかがやかせる達人」と称してましたが、この本を読みながら昔を思い出し、私も都合よく自分自身の記憶を改ざんして高校時代を輝いていた事にしておきました。
    リアルタイムで読んでみたかったと思いはしますが、その時代、読書よりも楽しい事が沢山あったので、この本を手に取った「今」がリアルタイムなんだろうなぁとこの歳になると思います。
    支離滅裂で申し訳ないですが、タイムスリップさせてくれる小説。またいつか再読する機会がありそうです。
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    投稿日:2024.04.03

  • planets13

    planets13

    ささやかだけど、しっかりとあるその存在感。とても素直で可愛らしい子達 (若い頃なら絶対にこうは思わなかっただろうけど)。「地味」とあとがきにはあるしセンセーショナルではないけれど、だけど、これは地味なのではなくてメジャーすぎて目立たないだけでしょ。続きを読む

    投稿日:2023.12.24

  • Liz

    Liz

    甘酸っぱく、爽やかで、若々しい、けれど鼻を掠める香りはツンと響く、檸檬のような青春時代。豊島さんの描く青春は、ただキラキラしたフレッシュなものではなく、高校生の等身大を微細に表現したもので、どのお話もどこか切なく懐かしいような気がした。今振り返ると小さな世界だったと思うのに、高校生の頃は目の前に広がるものが全てだと思い込んでいた。けれどあれは違かったんだ、自分を取り巻くものを世界の全てにできる力が若さの中にあったんだと、この本を読んでいたらそうも思えた。

    2023.7.20 読了
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    投稿日:2023.08.15

  • 1542457番目の読書家

    1542457番目の読書家

    こんなんずるいって〜〜
    ありそうな普通の話を書いているからこそ、2007年の本がこんなにも“くらう”小説になってるのかなとか思っちゃった

    投稿日:2023.06.17

  • まき

    まき

    このレビューはネタバレを含みます

    「痛いの」(ルパンとレモン)

    どの文章を切り取ればいいのか分からないくらい、一文一文が刺さりすぎた「ルパンとレモン」。

    西と秋元との甘酸っぱい日々は、いつしか過去のものとなり、今や互いにとって「痛い」ものに変わっていた。
    この痛みと正面から向き合った西は、大好きな秋元が、既に両思いである友達の富蔵と、最高の形で付き合い始めるために、次の試合でホームランを打とうと心に決める。
    うん、かっこいい。かっこいいぞ、西。

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    投稿日:2022.09.04

  • チルチルミチル

    チルチルミチル

    このレビューはネタバレを含みます

    文自体は少し子供っぽく書かれていて読みやすかった。これも7個の短編が入っているけど、全部1つの「北高」というキーワードに関連している人たちで、先生だったり卒業生だったり生徒の視点で書かれていた。私は高校生になったらきっとこういう青春生活を送るものだと小学校の頃から思っていて、その思っていた理想にぴったりのようなお話。実際は全然そんなことなくてかけ離れてるけど、でも今の開智での高校生活は勿論すごく楽しい。特にお話についての感想は、1つ選ぶなら『レモンとルパン』が好き。
    ずっと長年片思いしてきた相手に、やっとのやっとで想いを伝えた主人公に女の子が「痛いの。」の一言で片付けられてしまうとこが辛くてヒリヒリした。
    本の中では複数の視点から同じ人のことを書いていて、同じ言動を見ても見る人によって思っていることや捉え方が違くて、当たり前なことだけれど現実世界ではやっぱり知ることができない域だから、本にされると分かりやすくて面白い。西くんから見た長年片想いしてきた大好きな人:秋元さんと、白田さんから見た憧れの人:秋元さんと、佐々木くんから見た彼女:秋元さん、そして本人視点の秋元さん はどれも別人かのように書かれていた。

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    投稿日:2022.06.01

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