【感想】夕子ちゃんの近道

長嶋有 / 講談社文庫
(65件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 19d92

    19d92

    読み終わった時には「もう少し世界を信用してもいいかな」という気になれる。
    泣ける話というわけでも、ジンとくるハートフルストーリーというわけでもないんだけど、出てくる人それぞれがそれぞれのやり方で誠実に生きていて、そのさまを映し取る作者の眼差しも誠実。続きを読む

    投稿日:2023.06.13

  • agjmd

    agjmd

    『猛スピードで母は』を読み、同じ作者の作品を手に取った。
    「働くのが嫌になってしまっただけだ。働くのだけではない、たとえば広くて暮らしやすい新居を探すことや、部屋を暖めるものを買いに行くことすら。」という語り手の心境に共感した。続きを読む

    投稿日:2022.04.13

  • ksk84

    ksk84

    「猛スピードで母は」にハマり、超速で買った長嶋有さん二作品目。

    相変わらずのこのゆるり感。
    良いですねぇ…( ´ ▽ ` )

    修飾し過ぎない、伸びやかで透明感のある文体。
    自然体を地で行く、さわやか純文学という感じでしょうか。
    村上春樹さんとかとは真逆を行くイメージです。

    そして、まあ何というかエモいですよねぇ…

    お風呂のかき混ぜ棒とか、なんかそんなもん昔あったなぁ…とか(笑)
    登場人物の名前とかも…朝子とか夕子とか…何か具合が絶妙ですよね。

    あと、個人的にはもう瑞枝さんにひたすらにメロメロにされました…( ̄▽ ̄)

    天真爛漫さとミステリアスさ、そしてときおり見せる弱さという、このバランスがもう絶妙で絶妙で…
    今まで読んだ小説の中でも一番ハマった女性かも(笑)

    「私の子供をつくってくれる?」のくだりとか…もう東京ラブストーリーを彷彿とさせる勢いでしたね…
    こんな女性だったら、もはや騙されても良いからお付き合いしてみたいなぁ…

    あと、全体的にはちょっと長過ぎたかなという気もしました。
    けっこうな読み疲れ感あり…

    こういう系の小説は、さらりと短く美しくで終わった方が良いのかなと。

    まぁでも、それにしても長嶋さんの描く女性は素敵ですねぇ…(´∀`)

    さあ、さらなる出会いを求めて次の一冊を…( ̄▽ ̄)

    <印象に残った言葉>
    ・そんなことしてどうするのって問いかけてくる世界から、はみ出したいんだよ(P70)

    ・じゃあ君、私の子供つくってくれる(P110、瑞枝)

    ・「弱っている人は、人前に出ない方がいいんだ」こないだ昼間にガメラも海底で一人で傷を治していたよ。(P110)

    <内容(「BOOK」データベースより)>
    風呂の攪拌(かくはん)棒を人にあげたがる女、鋸(のこぎり)を上手に使う娘、北の湖を下の名前で呼ぶフランス人、そして空気の抜けるような相槌をうつ主人公……。自覚のない(少しだけの)変人たちがうろうろと、しかし優しく動き、語りあう不思議なユートピア。柔らかな題名とは裏腹の実験作でもある、第1回大江健三郎賞受賞作。(講談社文庫)

    第1回大江健三郎賞受賞作、ついに文庫化。フラココ屋というアンティーク屋の2階に居候暮らしを始めた「僕」。店長、常連さん、店長の孫たちなど彼を取り巻く人々と時間の流れを丹念に描く。連作短編集。
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    投稿日:2021.10.06

  • jyunko6822

    jyunko6822

    このレビューはネタバレを含みます

    長嶋先生の書く女の子の淡々とした魅力、朝子さん、夕子さんの描写で改めて上手いなぁ!って思う。ちょっと年上の女性たち、瑞枝さん、フランソワーズさんも。

    さりげなく自分をこのフラココ屋のアルバイトに据えながらそして尚且つ正体不明の男にしておきながらも皆から嫌われずかといって愛されもせず確固たる位置を占める人物にしているところ、相変わらず、長嶋先生の人生の楽しみ方を振り返り振り返り見てしまう。
    この本を読むのは多分三度目。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2021.03.29

  • littleyellow

    littleyellow

    骨董品屋、フラココ屋の2階に居候する主人公の周りで繰り広げられる日常が描かれる。それぞれが思い悩みながらも、今ある自分の人生を生きる、ゆったりとした時間が流れるフラココ屋の空気を感じられて心地よい。登場人物がみな個性的で温かく、特にタイトルになっている夕子ちゃんは次女らしい自由さと、一生懸命なのに抜けているところが可愛らしい。続きを読む

    投稿日:2021.02.27

  • 魚子

    魚子

    大学時代、図書館に通って読み耽っていた、この「夕子ちゃんの近道」を、ずっとずっと読み返したいと思い続けて、旅先の本屋で見つけ、ついに叶った!

    久しぶりに読んでみると、全く違う感覚が。
    作品を通してほのかに感じる、奇妙な薄暗さ。
    そして、最後の方で気づく。
    主人公の素性が、最後まではっきりわからないのだ。

    主人公が、どうしてフラココ屋の屋根裏にやってきたのか。彼は何者で、どこからやってきたのか?
    ゆるりとつながっていく、近所の人たちとの日常。
    皆付かず離れず、仲良くしているようで、お互いの深い部分は、なにも知らない。

    夕子ちゃんの近道。
    知ってるようで、知らなかったこと。
    ほんとうのことは、なにも知らない。かも。
    続きを読む

    投稿日:2020.02.09

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