【感想】キマイラの新しい城

殊能将之 / 講談社文庫
(39件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
4
13
11
3
1
  • 愉快な物語

    同じ作者の「ハサミ男」、「黒い仏」、「鏡の中は日曜日」ほどの奇想や仕掛けはありませんが、並みの作家なら、ずば抜けたアイデアといえるでしょう。
    中世の幽霊が語るパートで語られる現代社会を見る目が大真面目ながらもずれている面白さ(特に現代の六本木で馬上槍試合をしてしますばかばかしさといったら最高です)、現代人視点のパートのドタバタ劇調の面白さの両方が楽しめます。
    導入部分の設定からしてそうですが、リアリティよりも喜劇的に本格もののパロディを追求した物語だと思います。
    どちらかというと、ミステリをたくさん読んできた人向けのストーリーではないでしょうか。
    続きを読む

    投稿日:2015.05.19

  • いろんな意味で面白い

    750年前の外国の幽霊が、建物に取り憑いて日本にやってきた!
    その幽霊が「自分は誰に殺されたのか調査してほしい」と言い出して、依頼を受けた無能な探偵・石動。
    昔の外人が見た現代日本という異世界ミステリとしても楽しめるし、館ミステリの変形としても面白い。
    この作品は島田荘司のパロディでしょう。
    建物をめぐる推理の末に出てくるひと言が、島田作品の「あるネタ」の壮大な皮肉になっているのが面白かったです。
    バイクを駆っての冒険があるのは『異邦の騎士』へのオマージュ?
    殊能作品でいちばん笑いの要素の強い作品。おすすめ。
    続きを読む

    投稿日:2013.10.15

ブクログレビュー

"powered by"

  • 馬南神空

    馬南神空

    このレビューはネタバレを含みます

    これが遺作なのか……。
    巻末解説に拠ればバカミスだそうだが、二つの密室殺人のトリックはどちらも脱力もの。ことに現代で起きる秘書殺しのトリックには怒った方がいいのかも知れない。とはいえ、このトリックを成立させうることから逆算した結果、中世の騎士が現代に現れる設定にたどり着いた気もする。でもやっぱりマイケル・ムアコックが先なのかなあ。古城の密室に対する、水城探偵のやっつけ推理にも爆笑。先例について色々言われていますが、そもそも推理の根拠が「天○」なら、成り立たないじゃないか。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.02.04

  • ss512(試)

    ss512(試)

    このレビューはネタバレを含みます

    今度は中世ヨーロッパの騎士が現代に甦り、750年前の死の真相を石動が解き明かす!?本当に色々と楽しませてくれるなぁ。もう何が起きても驚かない自信はあった(耐性は付いた)が、これが名探偵石動の最後の事件かと思うと物足りない。
    もっと読みたかった。。。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.01.16

  • 鈴木梟

    鈴木梟

    非常に面白かった
    黒い仏を読んでいたからこそ楽しめたのか、、
    水城優臣の登場で胸が高鳴る!
    石動は今回も全然名探偵じゃないのがいい
    このシリーズの続きがもうないのが悲しい、、

    投稿日:2023.01.02

  • ohanamama

    ohanamama

    ちょっと特殊な設定のため、
    最初はカタカナが頭に入らない。。。

    すごく好き嫌いは分かれそうな気がする。

    最後のオチもえっそうなの?という感じで、
    あまり好きではなかったけど、読ませる力はさすが。

    投稿日:2022.03.17

  • may

    may

    このレビューはネタバレを含みます

    コメディ要素強め、かな。「黒い仏」で振り落とされなかったなら問題ないかと。
    石動が相変わらずイスルギィという感じだったけど、まかの水城優姫登場で歓喜しました。テレビ見ながら通話しながらという、片手間で推理。流石。
    エドガーのロポンギルズでの立ち回り、かっこよかった。あれについていけたカゲキも凄いけど、本当に声をかけなきゃよかったね、としみじみ思った。いい人故に巻き込まれ。
    エドガーの死の真相は、切なかった。どんな思いで日々を過ごしていたのか。

    これから先、シリーズが続いていけば、石動とアントニオと時々水城で活躍するのだろうなと期待がどうしても膨らむ話だった。でも、もう二度と、このシリーズの続きが読めないのが悲しい。
    シリーズ全部読めてよかった、ありがとう。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2021.09.05

  • 花嵐

    花嵐

    石動戯作シリーズ第四弾。最初の方はわりとバカミスって感じなんだけれど、段々キャラクターに感情移入していって最後まで読むとエドガー氏の最期の真相にはわりと胸にくるものがあった。このユーモアとシリアスの落差よ。全体的な事件の真相としてはあっさりと解決したのでミステリとしてはちょっと物足りなかったかな。続きを読む

    投稿日:2021.07.03

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。