思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本

郷原信郎 / 講談社現代新書
(44件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
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  • 「みんなが言ってるから、あいつが悪いと思ってた」って事、ありますよね?

    "建築不況、食品偽装、市場混乱、メディアスクラム、裁判員制度"について、正式に調査・提言してきた方が、マスコミが報じなかった実態を書いています。

    始めは、騙されていたのか!と腹が立ちますが、よく考えると、自分で考えず、マスコミのバッシングに乗っかって、根拠も無く「社会の悪者」を批判していた事に気付かされます。正に思考停止状態です。

    恐ろしいのは、社会の風潮に流されて、自分が実態を知らない事に気付くチャンスが大変少ないことです。
    日常生活でも、(規模は小さいですが)似たような事が起こっていると思います。

    現代は匿名で簡単に、個人や会社をバッシング出来る時代ですが、取り返しのつかない批判をしてしまう前に、是非読んで頂きたいです。

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    投稿日:2014.06.25

ブクログレビュー

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  • stratton

    stratton

    先日、社内会議の席で「思考停止」というフレーズを
    連発するヒトがいて、なかなか面白い表現をするなぁ
    と思っていたところ、本書を書店で見つけた。
    そこで、すかさず購入。

    食品企業の不祥事や、年金記録の改ざん問題、裁判員
    制度などを取り上げて、「法令遵守」という「思考停止」
    に警笛を鳴らしている一冊。

    不二家の信頼回復対策会議の議長を務めた郷原さんの
    論理展開は実に明晰で、説得力も十分。
    (不二家のところは少し甘い気もするが。)
    法曹界の方には必読の書、と言ってもいいほどの内容と
    思う。

    ただ、マスメディアを斬った章はやや物足りなかった。
    本書で取り上げられている「思考停止」はどれも罪は
    深いが、中でももっとも罪深いと思うのはマスメディア
    だから。
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    投稿日:2018.11.18

  • ykikuchi

    ykikuchi

    "多くの人に読んでもらいたい本の一つだと感じた。たまたま私は、伊藤ハムの事件について、従業員の声も聞けたし、柏市の保健所の立場の声も聞けた。概ね本書に記載の通りである。中核市になった柏市が保健所を自主運営する最初の仕事が伊藤ハムの水質問題になった。本書に記載の通り、見誤った対応のすえ、何ら食品に問題がない商品の回収をせざるを得なくなった企業の風評被害は甚大であり、従業員たちの苦労も聞いているだけに、正しい報道をすることのないマスコミには憤りを感じる。
    同様に、本書のTBSと日テレの対応の違いとその後の処分の違いに、また怒りすら感じてきてしまう。
    いずれにしろ、風説に惑わされずにしっかり実態を把握できる教養なり、感覚を持ちたいものである。"
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    投稿日:2018.10.18

  • 赤黒い人

    赤黒い人

    ルールを盲目的に遵守することによる思考停止の危険性を訴える内容。
    本書で紹介されている事件について、当時はなんとなくニュースを見て、なんとなく悪いんだろうなあと思っていたのを思い出す。

    投稿日:2017.08.22

  • ちぃ

    ちぃ

    新書を読むのは久しぶり!
    2000年代に話題になった食の偽装/耐震強度偽装などのトピックをテーマに、報道によって拡張された言葉と実際の数字の間にあるギャップを検証することで、どれだけ人が情報を鵜呑みにしてしまうかということを前半で説いている。後半はメディアの不完全性についてが中心だが、大衆を「育てる」メディアの在り方まで説けたらなおよかった。時代は変化しているのだから過去に作られた「法令」の名のもとに、検討を放棄するのでなく、異なる立場の人々がそれぞれ検討を重ね納得のいく社会規範を形成していくことが必要と結論付けている。

    最後の結論は同意。
    でも、やっぱり食品も建築偽装も、一個曖昧にするとじゃあどこまでいいの?ってなるから、ある程度厳しく罰せられることは必要で…
    メディアは過熱し過ぎでも、注目されないと民意形成のための議論の対象にもならないからね。
    問題は、どの番組もほぼ横並びで同じことを言ってしまうことね。でもそれが正しかったかというと微妙だと。
    そして311以降メディアはある面では改善されて、ある面では改悪されたと思うのです。ということを私は語りたい。
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    投稿日:2016.06.14

  • 板橋区民

    板橋区民

    「はじめに」を読んで、法令遵守の何がいけないのかと思ったが、読み進めていくうちに著者の考えが理解できた。マスゴミの曲解による煽情的な報道、それに迎合する検察、裁判員制度の欠陥、法科大学院の問題など、著者の言うとおりだ。
     しかし残念ながら事態は何一つ良い方向に変わっていない。昨今の食品偽装問題でもシャケ弁をトラウト弁に言い換えるとか、大の大人がくだらない議論をしているのを見ると心底がっかりする。司法当局の認識の通り、90%以上の日本人は馬鹿か幼稚かのいずれかだ。これは間違いない。低俗なTVの報道を真実と思い込み、納豆が体にいいと聞けば納豆が棚から消え、バナナを食べれば痩せると聞けばスーパーでバナナを奪い合う。まさに思考停止だ。
     もう5年ほどTVを見るのをやめているが、この世からTVが無くなっても結局ほかの何かに騙されるだけで、日本人の馬鹿と幼稚はずっと変わらないんだろうな、と思う。
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    投稿日:2014.10.26

  • Keiichiro Oe

    Keiichiro Oe

    元検事の郷原信郎氏による、形だけ、言葉だけの「コンプライアンス」に警鐘を鳴らす本です。

    わたし自身を振り返ってみると、会社に勤めていた頃は毎年のように「コンプライアンスについて」というようなウェブ講座を受講させられ、ろくに内容を見ず、黙々とマウスのボタンを押し続けたことを思い出します。

    法令の本質的な部分が見逃されて、無関心へと至るわたしのようなケースも問題ですが、逆に形式だけの「法令違反」に異様にこだわる社会やメディアの在り方を問うているのが本書です。

    著者の定番ネタ(?)である検察批判もしっかり盛り込んであります。ブルドッグソース事件の判決については、わたしも大いに疑問を感じており、このような奇妙な判断が規範としてまかり通るのは納得できません。また同じ章にあるアーバンコーポレーションとパリバが仕組んだ疑惑の社債引き受けについても、著者のおっしゃる通りと思います。

    本書に収録されている事件は、残念ながらどれも旬が過ぎたというか、いま読んでもピンとなかなか来ません。しかし本書が提起している「思考停止」問題は依然として残っており、引き続き問われていくべき問題だと思います。最近では、STAP細胞を巡る研究者に対しての個人攻撃に、「思考停止」のにおいを感じます。

    (2014/3/24)
    続きを読む

    投稿日:2014.03.23

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