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神立尚紀 / 講談社文庫 (14件のレビュー)
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総合評価:
マサト
2
搭乗員たちが語る太平洋戦争
この本は著者が124名の体験談をベースに書いたドキュメンタリーです。 零戦の開発経緯から誕生、活躍や苦戦、終戦後の搭乗員たちの人生を 進藤三郎さんと鈴木實さんを中心に書かれています。 可能な限り主観…を排除して客観的に書かれている本ですが、 リアリティに息が詰まりそうになる場面もたくさんありました。 当時の搭乗員たちがどのような気持ちで戦っていたのか、 終戦を迎えたあとにどんな生活が待っていたのか。 様々なエピソードを交えながら非常に読みやすくまとめられた本です。 同じ零戦を題材にし、映画化もされた某ベストセラーもありますが、 あんなチープな小説より、多くの人にこちらを読んでもらいたいです。続きを読む
投稿日:2014.08.06
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林檎飴甘
物語は、中国大陸上空で零戦の初空戦を指揮下進藤三郎少佐。 オーストラリア上空でイギリスの誇る戦闘機「スピットファイア」を相手に一方的勝利を収めつづけた鈴木實中佐のふたりを軸に書かれている。 実際に零戦…に搭乗した者、特攻として出撃したもののさまざまな事情で戻ってきた者。 生き残った人たちが語る戦争は、やはり生々しい。 いまさら思い出したくないという人も多かったようだ。 ただひたすらにインタビューに答えてくれる人たちに真摯に向き合った結果が、この1冊には詰まっている。 第7章では坂井三郎を取り上げている。 彼には自著した「大空のサムライ」という作品がある。 何故ここで坂井三郎を神立さんが取り上げているのか。 ※「大空のサムライ」は当初は高城肇との共同執筆だった。 戦時中、海軍では「零戦」よりも国民に広く親しまれた「隼」という戦闘機があった。 では、戦後これほどまでに「零戦」人気が高まったのか。 坂井三郎が大きくその理由にかかわっているからだ。 戦後まもなく刊行された「坂井三郎空戦記録」は予想外の反響を呼ぶ。 しかし出版社は突如倒産してしまい、坂井へわたるはずの印税の一部も不渡りとなる。 「坂井三郎空戦記録」は、AP通信社の記者だった日系二世によって翻訳され、アメリカの出版関係者の手にわたる。 1957年「SAMURAI!」のタイトルでアメリカにて出版され、大きな話題を呼んだ。 世界十数ヶ国語に翻訳され、世界中で売れたという。 ブームの中で「ゼロ戦」はどんどん搭乗員だった者たちの思いとはかけ離れたイメージだけが定着していく。 他の搭乗員たちとの軋轢もあり、ある時期を境に坂井との交流は途絶えてしまったようだ。 戦争はけっして良いことではないし、許されるものではないと思う。 けれど、実際にその時代中で懸命に生きていた人たちの姿がここにあった。 筆者である神立さんが、妙な先入観を持たずに取材相手の話に耳を傾けている姿勢がとてもいいと感じた。 丁寧な描写で語られていく搭乗員たちの思い。 読み手であるこちらも真摯に向き合わなければならない・・・そんな気がしてくる一冊だった。続きを読む
投稿日:2017.03.02
wingbeatcom
最新・最強の戦闘機として登場した零戦が,数年後には苦戦を強いられ,特攻も任務となる中,多くの搭乗員のエピソードが紹介される.さんざん撃たれて落ちそうな相手を追いかけてコクピットを除くと,相手搭乗員の表…情が見え,とどめが刺せなかった話など,当たり前ですが戦いは人同士が行うのだと再確認させられる.「戦力不足なのに特攻で機体を失う余裕はない」と言う英国人捕虜の話はもっともなこと.パイロットというスキルを持ちつつも,10代20代で特攻などで戦死された方々が戦後も生き続けていたら,どのようなことを成し遂げていったか.続きを読む
投稿日:2015.07.12
ひでにーろ
『永遠のゼロ』『大空のサムライ』、そしてこの『祖父たちの零戦』とミリオタに順番まで決められて読んでみた。 『永遠のゼロ』で悲哀を、『大空のサムライ』でカッコ良さを、そして『祖父たちの零戦』でその真実を…学べました。 日本人なら知らなければならない、そんなことを感じさせる本。続きを読む
投稿日:2014.09.21
totssan
しばらく第2次対戦系を読み続けているが、本書も史実に忠実に沿った戦闘機乗り立ちの記録。来年で戦後70年になり、多くの人が鬼籍に入り、生き証人が潰える寸前。 祖母の弟が飛行機乗りで、戦死しているとの…話を幼少の頃きき覚えていたが、その仲間と思われる人の手記や体験談を読み、くるものがあった。例えば、自分の子供などにこの戦争の話をすることがあるのだろうか?などと思いながら読んだ。続きを読む
投稿日:2014.09.01
refresc
進藤三郎氏(=零戦緒戦の中国での空中戦の指揮官)と,鈴木實氏(=オーストラリア戦線でスピットファイアとの戦いの指揮官)への取材を中心とした実話.よく言われる緒戦での短期間の栄光→中盤以降の落日の現場…が語られている. 隊員同志の衝突や,海軍参謀たちの堕落,卑怯な言動なども実名で書かれている.坂井三郎氏の取材もあるが,彼も聖人君子ではなく,毀誉褒貶のある人だった.→いわば”等身大”の第一線パイロットたちを描く. 戦後,世論は手のひらを返したように彼らを扱った.”特攻くずれ”,”戦犯”とよばれた. どちらかの人物が晩年,「自分の人生は無意味だった」ともらしたそうだが,それは①戦後,彼らの扱い・評価がきわめて否定的だった,②結果として敗れた戦争で多くの同僚が戦死したが,自分らが生き残ってしまったという罪の意識,などによるものだろう. お二人は88,91歳で他界されたが,晩年,からだの動かなくなくなり人生の終焉が近づいた往年の名パイロットの描写は,だれもがやがて行き着く ”老死”の現実で,無常を感じた. いろいろな点で,印象深かった本だ.続きを読む
投稿日:2014.04.29
mochioka
小説にはないリアルが、まぁそんなもんだよな…というちょっと残念な感じと、へえ〜そういう側面も!みたいに気づきと、両方あって新鮮だった。
投稿日:2014.03.30
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