【感想】七つの大罪(1)

鈴木央 / 週刊少年マガジン
(88件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
24
33
24
2
0
  • 絵柄やギャグのセンスは鳥山明、ちょっとシリアスな場面には浦沢直樹の影響が見て取れる。女の子は士郎正宗か。

    中世ヨーロッパ風の世界を舞台にしたファンタジー。「七つの大罪」とはもともとはキリスト教からくる言葉だが、漫画好きならまずは『鋼の錬金術師』を思い出すのではないか。鋼錬に登場するホムンクルスたちの二つ名はそれぞれ「七つの大罪」から採られていた。「傲慢」「色欲」「強欲」「嫉妬」「怠惰」「暴食」「憤怒」の七つの欲望で、これは人間を罪へと導く悪しき感情であるとされる。だから鋼錬では悪の側にこれらの名が使われたわけだけども、鈴木央『七つの大罪』では、正義の側の二つ名となっている。主人公メリオダスは「憤怒」、巨人族の女の子ディアンヌは「嫉妬」という具合。

    ではなぜ正義の側に、悪しき二つ名が冠されているのか。それは彼らが罠にはめられて、国を追われたからだ。この世界では「聖騎士」と呼ばれるものたちが力を持っていて、メリオダスはかつてダナフォールという王国の聖騎士団団長を務めていた。ところが10年前のある日、彼らの長である聖騎士長が何者かに暗殺される。ただし、メリオダスは「団長……すまない……」という仲間の声(誰かは不明)を聴いたのを最後に、事件の記憶がない。つまり「七つの大罪」のうちのなかに裏切り者がいるということがほのめかされる。以来「七つの大罪」と呼ばれる七人は、罪人として散り散りになり、現在に至っている。

    そして10年後、移動居酒屋の主人として残りの六人を探していたメリオダスは、リオネス王国の王女エリザベスと出会う。彼女の国では聖騎士たちのクーデターが起こり、王都が陥落。王国の再興を決意した彼女は、「七つの大罪」たちに支援を求めるべく旅をしていたのだが、ひょんなことからメリオダスと出会い、彼に同道することとなる。物語はそこからスタートして、回を追うごとに「七つの大罪」のメンバーが登場し、集結するというのが、今のところのおおまかな筋立てである。

    作者の鈴木央というひとは1977年生まれで、1996年にジャンプでデビューしたらしい。その後、サンデー、チャンピオン、マガジンと、四つの週刊マンガ誌を渡り歩いているというからこれはちょっと珍しい。絵柄やギャグのセンスは鳥山明、ちょっとシリアスな場面には浦沢直樹の影響が見て取れる。女の子は士郎正宗か。つまり人気漫画家のいいとこどりをしているわけで、おそらくは器用なひとなのだろう。ストーリーはバトル漫画のテイスト。もともと主人公たちの設定が強すぎるので、それに敵対するキャラのハイパーインフレが気にかかるところではある。このあたりは「ドラゴンボール」に近い。鋼錬のように、本筋からぶれずに緻密な物語を構築できれば、さらに読み応えのある作品へと成長するのではないか。
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    投稿日:2013.12.29

  • ここ数年で読んだ少年漫画で1位か2位

    少年漫画の持つみずみずしさとわかりやすさ、勢いのある絵、キャラクター、心奪われる演出。
    もうやりつくされたと思っていた少年バトルマンガのパターンを踏まえつつ、軽やかに超えつづける(といってもまだ数巻だけど)七つの大罪。

    某マンガに絵が似てるといった批判も聞くがそんなことはお構いなしに、作画のすばらしさに感動してしまった。
    第1話の主人公を探して逃げてきた姫様エリザベスが追い込まれていく見開きのシーンの構図は、少年マンガの魅力が詰まっていて、作者のマンガ家としての腕にやられます。
    ストーリーもめちゃくちゃなようで伏線や強さのインフレを計算しながら進んでいる感じで、安心して長く楽しめそう。

    次第に魅力を増していくキャラクターたちには目が離せず、特に昭和のエッチなマンガのノリを地で行く(主人公にセクハラされても笑顔で流す)エリザベスがかわいい。
    今後も楽しみなマンガです。

    個人的に表紙のデザインとロゴのデザインが今のマンガに見えない(15年くらいまえのマンガだと最初は思った・・・)ので星は4つで(笑)
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    投稿日:2013.09.25

  • 引き込まれる何かがあります。。。

    友達から勧められて読んだのですが、ハマってしまいました!!

    絵が古くてなんかなぁ…と思いながら読んでいたのですが、読んでいくうちにその絵もすてきに感じてきました!笑
    お話は『THE•王道』って感じでドラゴンボールとかワンピースとかが好きな人は好きになると思います。
    主人公がめちゃくちゃ強くて、ヒロインがかわいくて芯のある子で…

    とりあえず読んでみてください笑
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    投稿日:2013.12.28

  • もっと早く出会いたいと

    久々にもっと早く出会いたかったと思った作品。
    中世っぽい世界観が良いです。かなり面白い。
    絵も線が細く繊細。子供っぽいところもありますけど。
    剣とか好きな人にもいいかもしれません。

    投稿日:2014.04.05

  • 漫画の面白さが詰まってる。

    まさに王道とも言える漫画の面白さに一巻目から詰まっている。主人公が最初から強いので最初から戦いに驚くべき爽快感、痛快感のようなものが満ちあふれている。キャラ設定や絵の感じも良く悪い所がないと言っても過言でない。
    このマンガがすごい等、今年の受賞はこのマンガは絶対上位にはいるんじゃないかと開始数話で思わせるワクワク感満載のおすすめのマンガです。
    マンガが好きな人なら絶対気に入ると思います。
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    投稿日:2013.09.25

  • デビュー当時の読み切り時代から好きですが

    鈴木央さんがジャンプでデビューして読み切りを描いていらっしゃったころから好きな作家さんだったのですが、ウルトラレッド以降他誌に移られて今回10年ぶりくらいに読みました。
    一言うまくなったなあという感想です。背景描写もデビュー当時からこの作家さんはとてもうまくて作品の雰囲気もあいまってとても綺麗なのですよね。
    数年ぶりに漫画を買いましたが、やっぱり好きな作家さんだったのでその後が気にはなっていたのですが、期待を裏切らないというか子供時代の思い出を思い出したというか読んでいてとても気持ちのよくなる作品ですね。
    これからもがんばってほしいと思っています。
    続きを読む

    投稿日:2013.11.30

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ブクログレビュー

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  • ムッネニーク

    ムッネニーク

    121冊目『七つの大罪 1』(鈴木央 著、2013年2月、講談社)
    「週刊少年マガジン」に掲載されていた大人気ファンタジー漫画の第1巻。
    ストーリーや世界観は『RAVE』を参考にしているのだろうが、『ドラゴンボール』風のタッチに『シティーハンター』っぽい性格の主人公という、マガジンよりもジャンプの血が色濃く流れている作品。著者の鈴木央はジャンプで漫画家デビューを果たしているが、やはり出身雑誌でその作家の色は決まるのだな、などと考えてしまった。

    〈でも オレを 見つけたろ〉
    続きを読む

    投稿日:2023.11.09

  • bukuawa

    bukuawa

    アーサー王伝説前日譚、最強最悪の騎士団"七つの大罪"の活躍を描くファンタジー第一巻。
    まずはお話のさわりということで、王国の危機を救うために七つの大罪を探す王女様と、かつての団長との出会い+一人目の仲間。すっとぼけた団長に対して王女様が良い子過ぎてどうかなとも思うけど、団長の過去を探す旅と聖騎士との戦いの今後に期待。続きを読む

    投稿日:2023.07.02

  • 白りんご

    白りんご

    このレビューはネタバレを含みます

    序盤はアニメから入り、かなり期間が空いてから原作を辿り始め、ようやく最終話まで完走。
    王道の少年漫画。イラストが初めから安定していて綺麗。
    キリスト教の「七つの大罪」や「十戒」をモチーフにしたキャラ達は、それぞれ個性が光っていてカッコいい、可愛い。
    エリザベス、記憶を取り戻してからがめちゃめちゃ頼もしい。
    エスカノール、最後は切なかったが、びっくりするくらい強い。
    敵対していたメリオダス・ゼルドリス兄弟が、ラスボスである魔神王を、内と外から力を合わせて倒す展開は熱かった。
    愛の力は、尊く偉大だ。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.12.11

  • saya

    saya

    このレビューはネタバレを含みます

    ファンタジーな世界観が良い。
    豚の帽子亭という名前、
    踊る小馬亭のようなファンタジーやヨーロッパの世界観ぽい店の名前かと思いきや、事実そのままだとは思わなかった。

    良くも悪くも少年漫画で、正直エロが鼻につくところが多い。

    何もできないと落ち込む王女様に
    「でもおれを見つけたろ」と言うシーンと、
    槍を投げ返すところが恰好良かった。
    相手は方角と距離を聞いて投げたのに、
    メリオダスは方角しかわからないはずだが
    よく投げ返せたものだ。

    パーティに嫉妬のディアンヌが加わりそう。
    少しずつ味方を増やしてラスボスへ向かう
    王道展開なのだろうか。
    謎が明かされていくのが楽しみだ。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2021.03.23

  • 蜜柑

    蜜柑

    アニメが面白かったので原作が気になって読了♪ノリとテンポが良くて読んでて楽しいです(^^)
    ギルサンダー甘いマスクだわ(^^)

    投稿日:2021.02.08

  • リュウヘイ

    リュウヘイ

    聖騎士らを止めるため七つの大罪を探すエリザベスは、メリオダスと出会い旅を再開する。そして聖騎士ギルサンダーと戦闘。

    この物語の鍵となる謎は、七つの大罪らがなぜ濡れ衣を着せられたのかということ。
    ユニークな仲間の登場を期待してます。続きを読む

    投稿日:2020.11.13

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