昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃

中川右介 / 幻冬舎新書
(20件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
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2
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  • 三島自決を知った当日、何を思い、何を感じたかについての約百二十名の記録

    三島由紀夫が自決した昭和45年11月25日。

    本書は、三島自決を知った当日、何を思い、何を感じたかについての約百二十名の記録をまとめた本です。

    百二十名は、有名・無名問わず、職業も文壇、政界、マスコミ人士等々、年齢も立場も様々な人たちです。

    彼らが語る三島由紀夫自決の衝撃は文字通り百人百様です。

    文学の破綻と見るもの、政治性を見るもの、狂気と見るもの。。。

    この様々な登場人物に、三島由紀夫自決を語らせることで、あの自決の持つ実像に迫ろうという意欲的な作品だと思います。

    個人的には、百二十名の中に村上春樹も取り上げられていたのが関心を惹きました。というのも「羊をめぐる冒険」の最初の章、「第一章 1970/11/25 水曜日の午後のピクニック」が、私自身、ずっと気になっていたからです。

    「羊をめぐる冒険」の執筆時期の1981年のインタビューでは、村上春樹は三島由紀夫のことを「読まないし、わかんない」と言っていますが、果たして本当なのかどうか。

    このことについて、著者の『作家の言うことを信用してはいけない。作家とは嘘をつくことを職業としているのだ』という切り込み方が、新鮮でした。

    百二十名の記録とは別に、全集くらいでしか読むことのできない、「要求書」、「檄文」、三島由紀夫の演説内容書き起こしが収められているのはありがたいです。
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    投稿日:2013.12.23

  • 「昭和45年11月25日・・・120名は何を感じとったか?」

    昭和45年11月25日・午後零時30分頃。

    作家である、三島由紀夫氏が、自らが創立した「楯の会」のメンバー4名と、自衛隊・市ヶ谷駐屯地にて、自衛隊の決起を促す演説を行うも、自衛官の野次と罵声により、演説の中止をし、楯の会・学生長・森田必勝氏とともに、切腹自決。

    当時から著名であった方々、当時は無名であったが現在は著名となった方々、約120名が、三島由紀夫氏の切腹自決の際に、「何を感じとったのか?」を時系列に記載されている。

    三島由紀夫氏の切腹自決に関して、今までは、三島由紀夫氏と楯の会からアプローチをした書籍ばかりであったが、この書籍は、三島由紀夫氏の切腹自決の報を聞いた方々からのアプローチを行っており、「昭和45年11月25日という日が、日本がどのような衝撃を受けた日であったのか?」が判明する書である。

    三島由紀夫氏を知る際の、参考となる良書であると感じた。
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    投稿日:2014.01.08

ブクログレビュー

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  • 小野不一

    小野不一

    120人に及ぶ証言や記録を収録している。荒井由実や丸山健二まで出てきて驚いた。因(ちな)みに丸山の反応は実に底の浅いもので、後々アナーキズムを礼賛するようになる萌芽を見る思いがした。折に触れて三島を批判したのも三島の丸山評が本質を衝いていたためだろう。
    https://sessendo.blogspot.com/2019/01/451125.html
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    投稿日:2019.01.21

  • kivune

    kivune

    本書は三島を直接的に理解するための書ではない。三島が生きた最後の時代の雰囲気を、彼自身の死を通じて今に呼び起こす書となっている。
    三島自決のニュースに直接触れたことのない世代にとって、三島は大変不思議な存在である。自衛隊基地での演説シーンが稀にテレビ流れるが、必ずといっていいほど具体的な解説はない。三島が大声で叫んでるな、でも聴衆から共感得てないぽいな、自衛隊決起を呼びかけるなんて極右の親玉みたいなものかな、そんな感想を持つ。一方で三島の著作を読めば、テレビで見た彼と同一人物が著したのだろうかと疑うほどの耽美的な文章が並ぶ。自分の中で矛盾する三島像をつくりあげ、いつの間にか「三島由紀夫問題」化していたし、またさせてしまっていた。でもそれは理解の努力を放棄しているだけで、我々からは想像できないほどに彼は極端に思想の純度が高かったのだろう。
    本書からは三島の死について喪失感を語る者はあれど、深い共感を語る者はほとんどない。また、三島自決の報に触れた人々の思いと、三島の檄文等の温度差を見せつけられる。事実社会の空気はそのようなものであったであろうが、そこにこそ三島自決の直接的要因があるようにかんじる。戦中世代として戦前の空気とのあまりの差異に強烈な違和を感じている中で、自衛隊の「何か純粋さ」を見つけしまったことを想像する。彼にとって行動もまた肉体や服装や思想以上に美しくあらねばならず、世にはびこる欺瞞性に我慢できなかったのだろう。敗戦体験、文学、演劇、写真集、自衛隊体験、楯の会、自決と介錯、これらはきっと三島の中で逡巡しながらも一本の線でつながっている。
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    投稿日:2017.10.28

  • polyhedron

    polyhedron

    とても良質な理系本レビューを載せてるこのサイトの書評がきっかけで読んだ。
    三島の演説も檄文も全容を知ったのは初めて。彼の文学はこの日に完成したのだろうか…。
    昭和45年11月25日―三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃: 中川右介 - とね日記 https://t.co/ol0nRdR5wf続きを読む

    投稿日:2017.10.16

  • hito-koto

    hito-koto

    三島由紀夫は単なる人気作家ではなく、あの時代のスーパースターだったようです。当時80万部の平凡パンチが1967年春ミスターダンディの読者投票をした結果(11万以上の投票)は、1位が2万票近くの三島由紀夫で、2位以下が三船敏郎、伊丹十三、石原慎太郎、加山雄三、石原裕次郎、西郷輝彦、長嶋茂雄、市川染五郎、北王子欣也だったそうです。中川右介氏の「昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃」、2010.9発行です。文壇、演劇・映画界、政界、マスコミ百数十人の事件当日の記録をもとにしたノンフィクション続きを読む

    投稿日:2016.10.14

  • poron330

    poron330

    このレビューはネタバレを含みます

    三島由紀夫が市谷の自衛隊東部方面隊総監部に乗り込み、自衛隊の決起を促し自決した三島事件から40年以上経つ。この本には三島由紀夫は出てこない。三島の周囲にいた120人の証言である。証言者は作家川端康成から椎名誠、政治家田中角栄から菅直人、芸能人中村歌右衛門からドリフターズ、歌手美空ひばりからユーミン、等等多彩である。もちろん嘆き悲しむ人から、嘲笑する人までいるわけだが、当時の昭和日本の社会的な雰囲気が良くわかる本である。時代の切り口としては大変よく出来たドキュメンタリーとなっている。

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    投稿日:2015.01.19

  • フッタ

    フッタ

    このレビューはネタバレを含みます

    「1970年11月25日あの奇妙な午後を僕は今でもはっきりおぼえている」と村上春樹の「羊をめぐる冒険」は始まる。昭和45年11月25日がどんな時代の一日であったかを知るにはとても良いやり方で、この本は書かれている。100人以上の著名人が11月25日をどう感じどう過ごしたか、又その人が三島とはどのような位置関係にあったかを知る事で間接的に時代と三島を知る事ができる。先の村上春樹にも少なからず影響を与えたはず。そして読めば読むほど、三島は自身の信じる陽明学、「知行合一」の最後の実践者であると再確認することになる。それから40年、時は流れて今、時の総理は憲法改正、自衛隊の国軍化を目指している。右翼化する日本と言う人もいる。しかし三島の時代と比べてもどれほどの人が憲法や自衛隊の事を本気で考えているのだろうか?平和ボケもいいかげんにして欲しいと言いたくなる。与えられた物に満足していてはいつまでたっても本当の戦後は終わらない。三島の檄文をあらためて読んでほしい。

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    投稿日:2013.06.08

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