【感想】海獣の子供(1)

五十嵐大介 / 月刊IKKI
(63件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
29
14
11
1
0
  • 描かれた海の世界へ飛び込むように読む

    このマンガは、ある女性(未来のあの子)がその女性をおばあちゃんと呼ぶ少年に、自分が生きて体験した”海の物語り”を語る、こんな言葉から始まる。

    「海のはなしをしよう。まだ誰も知らない海の物語りを。深海に潜む巨大なサメの事。海を旅する幽霊たちの事。そして、海と宇宙を繋ぐ道の事」。

    五十嵐大介の驚くべき自然の描写力にかかると、自然はまるで宇宙のようで、深い奥のほうから光が射す海や森に、思わず吸い込まれていってしまう。その自然=宇宙の物語は、自分をうまく表現できない少女と、ジュゴンと共に生きていた少年二人を通じて、海と人間をめぐる人類史にまで、その射程は伸びていく。

    人はどこから来て、現在は未来へ向かうどの地点なのか。そうした大きなテーマも、結局は家族のことや男女のこと、かつての過ちのような、それぞれの人が抱えるパーソナルなことから始まる。

    美大出身で、一時農家としても働いた異色のマンガ家の作品は、読むのと同時に体験するものでもある。その世界にダイブして、浸りながらゆっくり時間をかけて読んでみてほしい。
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    投稿日:2013.09.20

  • 体感しなきゃ……

    ここまでの空気感を出せる作家さんなんて、かつていただろうか、素晴らしい
    美大生とかは確実に好きだね
    この作家さんのような絵を見たことがある方、この作家さんが元祖ですんで、ひとつよろしく
    蟲師を除き影響を受けた、というか、物真似の域を出ない亜流作家さんたちとは違います
    …………読まなきゃ
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    投稿日:2013.09.24

  • 海に関するロードムービー

    世界中にある海に関する信仰や特異な事象を紡いで織り上げる大きな物語。

    本の中で差し込まれる海に関する証言は、
    ニュースや記事で見たことがあるものから
    聞いたことのないものまで。
    それらが醸す不気味さとリアリティを
    ちょっと癖になる独特な絵が包み込む。

    ゆっくりとした大きな海流に流されるように物語に呑み込まれていく感じは
    まるで映画を見ているかの様な感じ。
    勧善懲悪の様な映画ではなく、
    観た人によって感じるものが違ってくるロードムービーの様なものかも。

    万人が最高の作品とは言わないだろうけど
    自分たちが生きている世界について
    いつもと違う視点で観れるだけでも充分楽しめると思う。

    全5巻。丁度良い長さだし是非読んでみて欲しい。
    きっと一気に読み上げてしまうだろう。
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    投稿日:2015.08.30

ブクログレビュー

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  • すいかシャクシャク

    すいかシャクシャク

    映画を見てどんな話なのかザックリしか分からなかったから読みたいってずっと思ってた。1巻を読んでまだ全然わからない。海の描き方は好き。早く全部読みたいな。全部読んだらわかるのかな?

    投稿日:2024.02.19

  • saya_blossom

    saya_blossom

    図書館で発見
    1巻からまとまった数あったのと
    海洋生物学を学ぼうかなと思ってたこともあり
    借りてみた

    ナウシカのコミックを読んだときのような
    この世界の広がりに慄く感じ
    宇宙や命の解釈
    知らないままでもいいこと
    こわいけど、気になる
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    投稿日:2024.01.25

  • ももも

    ももも

    絵と物語の雰囲気、設定好き。海洋生物の情報が詰まってるのも好き。コマ割りとか表現は思ってたより普通だったけど、読みやすい。少しテンポゆっくりだなあと思ったけど、その分人物の性格とか心情描写がしっかりしてる気がするのでアリなのかも続きを読む

    投稿日:2022.10.31

  • アワヒニビブリオバトル

    アワヒニビブリオバトル

    益井くん走行会@アワヒニ天満橋店「海外に持っていって読み返したくなる本」で紹介された本。
    2016.01.08

    投稿日:2022.10.30

  • wwords

    wwords

    絵が印象的。
    1回目に読んだ時は、ちょっとわかりにくくてふーん、と思っただけだったけど、2回目はかなり引き込まれてる。
    独特の世界観。

    投稿日:2022.01.02

  • mimikado

    mimikado

    ここ近年で、類をみない感嘆と感動を覚えた作品。原作の扉絵だけで「う…あ〜⁉️」と声を上げてしまうほど。何もいない水平線から、海の生き物たちがどわーっと蠢いて出てくる描写は、漫画(静止画)なのに「動」を伴う。五十嵐大介氏は、動画に近い漫画を描く作家だ。デジタルを用いての漫画がぎょうさん増えたけど、この作品の線は、作者の手で紡ぎ出される「生」の線だからから生まれたこの作品だ。ペン軸は何か?あるいはボールペンじゃないのか? ってゆー推測や憶測すら、見てると楽しい。ペンの癖さえ想像する余地が十二分にあるのはもちろん、作品そのもののスケールが半端なく絶大で、一読で理解するには足らない威力を持っている。日本に生まれてよかった!だってこの漫画を最大限の語学力(日本語)をもって、読めたんだもの。「良かった」とか「面白い」って言葉は、平均化されすぎてて、表現に用いることは好きではないんだが。この作品においては敢えて言うと、未だ、理解不能なものも含めて面白い。
    現象の奥行きが、果てしなく深い作品だ。
    劇場化されて観にも行った。原作の全てには及ばないものの(劇場の尺に収めざるを得ないから仕方ない)、あれはあれで良かった。良くあの線と世界観を「動」に表現し、奮闘したと思う。スタジオ4℃ 、私は評価しているよ。
    続きを読む

    投稿日:2019.09.24

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