【感想】これがニーチェだ

永井均 / 講談社現代新書
(46件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
13
19
4
3
1

ブクログレビュー

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  • ニーチェ

    ニーチェ

    ニーチェの分かりやすい入門を期待してたのに開けてみたら著者のニーチェの批判だった……メルカリ行き
    著者の感想文が欲しいのではなく、ニーチェの思想がどんなものなのか説明するだけで良かったのに残念

    投稿日:2024.03.01

  • ぬえ

    ぬえ

    相互性の原理 力への意思 パースペクティブ主義 称揚
    類比 相即的 糾合

    ニーチェという人について
    勝敗に対する態度は他者、自己をどうにかするのではなく、勝負、あるいは環境を変えていく。この態度が弱者である。(道徳を信じる信じないではなく、新しい価値観を据えるのもまた弱者。だが、弱者の救いはここにしかないと。)ガンジーもそうなのかな。非暴力非服従。
    「真実への意思」コレ最重要
    道徳の否定、あらゆる人間に対する愛を持つ。
    道徳に代わるものとしての「力への意思」?

    p27 道徳の真実

    人間心理の構造を分析!ぶち壊していこう!

    p30 道徳に抑圧されていた快楽を解き放つよろこび

    道徳的な行為(利他的)を人々の喜びとして信じ込ませれば、人間は皆利己的な行為そのものを利他的な行為として行える為、世の中はより良くなっていく。

    道徳、良心 虚構を信じる「サピエンス全史」

    真理への意思。嘘を暴くという存在としてのニーチェ。哲学者してるなあ

    「すべての哲学者が道徳に負けた」p42 まじ?

    系譜学……議論を相手の領域で為すのではなく、本来の領域で議論をしていく試み。
    だが、領域設定によっていくらでも違う解釈ができてしまうために泥沼の議論にならざるを得ない。
    「力への意思」という設定に対しての疑問p42
    空間内での内部対立しかしていない。信じる、信じない、という。
    神はいないと信じた方が良い、とニーチェは言っているに過ぎない。これは真実ではなく、ただの思想だな。p45

    同情は苦悩を取り除こうとする。p48 自助論?

    p51 道徳心の欠如したものは世界から必ず排除される。

    本来あった神がキリスト教とその道徳によって殺されたp81

    道徳、人権、進歩はある意味では神であり、今も生き続けていると言える。人々が道徳(なんらかの価値観)をあるものと信じて行動している限り神は生き続けるp86

    p87 三種のニヒリズム(新興宗教を破壊する新興宗教)
    神がいる。(道徳)神が死ぬ。(道徳の消滅)神が生まれる(無知という神の台頭)
    「無」という神p88 新しい道徳か

    価値評価。料理、小説は本質が先にあって、存在はあとから肉付いてくる。だが、人間評価は違う。
    ニーチェの人間の価値評価は「何を基準にしようと、それは自由だが、とにかく自分で自分を直に肯定できるということ、これこそが人間の「よさ」を最終的に決める。」92

    「能動的ニヒリズム」価値評価の土俵を自分自身で設定する

    価値の転倒 「目には目を」という相手の価値観があるが、「左の頬をも差し出せ」ということで自分の土俵に相手を持ち込む。
    ユダヤ人はその代表例。神の憐憫がもらえるのは不幸なものであるとの。

    記憶は善 忘却は悪 という一般的な価値観の否定

    内在的な「道徳」心の中に「神」を飼う人類(パノプティコン)

    人は人には償うことができない罪を背負って生まれてきた、という前提に立つことによって神のみが人を救済することができるという論理を成立させることができる。

    意味のない人生を、「罪」を与えることによって意味付ける。その「罪」からは神に従うことによってのみ逃れることができる。

    自分の心の中の苦悩に自虐的な快楽を覚える101

    自分では決して償うことのできない負債を負う(生まれた時、既に罪を背負っている)

    「罪人」という烙印を押されることによって自己を救う

    神の前にひれ伏し、許しを請うしかない「人」のでっちあげ

    「われわれは自分の存在の意味の問題に苦しんでいるので、苦悩という最も強い潜在的な力をもっていたものに意味が与えられて、そのマイナスのパワーがプラスに転化することは、大変喜びなのである。」

    第二空間

    「現に生きている自然的世界の彼方に、そうあっ て欲しい欲求を投影した別の世界を、それこそが真の世界だとして捏造すること、それが ニーチェ的な意味での形而上学である。」
    芸術至上主義、超現実主義

    「単に理想や理念に過ぎないものこそを真に実在すると見なす倒錯的な精神のあり方」

    「真実は醜い。真実によって亡びないために、われわれは芸術を持つ。」

    内部における外部の捏造 真実の援護射撃

    「真理とは、それなしには特定の種類の生き物が生存できなくなるような、ある種の誤謬である。結局は生にとっての価値が問題なのだ」
    これが正しいとすると、この主張もその「真理」に相当してしまう。(嘘つきパラドックス)
    もう一つの解釈は、この文章は例外的に「誤謬」には含まれないとする解釈。

    第1空間……神(共同主観)の不在、その論理的証明
    第2空間……神不在の世界での、神に代わる存在、または新たな神についての考察

    宗教の考えが「生きる知恵」としてではなく、「真理」そのものとして扱われることに対する批判

    腐敗した退廃的な生がその真理を必要しているだけ、という問題

    パースペクティブ主義 環世界と同じかな




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    投稿日:2023.11.26

  • sugar41

    sugar41

    あるところで薦められていたので読んでみました。
    この本を読むに足るだけの知識が自分にはなく、読み進めるのになかなか苦労しましたが、ニーチェの「神は死んだ」について、何となくは理解できた気がします。
    、著者も書いているように、本書は著者が思うところのニーチェであって、ニーチェには、もっと多面的な見方があると思うので、時間を見つけて、他のニーチェ本も読んでみたいと思います。

    哲学もそうですが、人文科学や社会科学は、数学でいうところの公理ほどは、確実な土台がないので、根本的なところを考えだすと、なかなか厄介ですね。
    まあ、それはそれで面白いところはあるのですが。
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    投稿日:2023.11.18

  • ゆいと

    ゆいと

    一章 道徳について 道徳を基礎付けるものはなく、道徳的だから、道徳行為は正当化されると言うトートロジーの説明に終始する。

    投稿日:2023.09.22

  • D-Rinn

    D-Rinn

    このレビューはネタバレを含みます

    哲学初心者の私ですらこの分野のアイドル的存在との認識がある、ニーチェ関連本に初挑戦。しかし、永井均先生の主張が多分に織り込まれており読み解くのに四苦八苦してしまったのです。

    なぜ読むのに苦労するのかと考えると、ニーチェの王道的な思想を学ぶ前に、本作の世間一般的なニーチェ論に対する批判と対峙することになったからだろうと憶測されます。でも逆に、私のニーチェ像は本作から出発することとなり、ある意味で恵まれているではあるのかなと感覚的に察する。

    相手の気持ちを慮ってできることを手助けしようといった慈愛なんてものは、何となく刷り込まれているけどもそれが同情になっているとそれは暴力であると指摘する。その精神的な侵略は逆に相手を傷つけてしまう可能性を感じた。
    P47:敵は私を理解しようなどとはしない。だから、私の固有性は敵からはいつも守られている。だが、同情者は違う。彼らはいつも自分自身の知性と感性を携えて私の内面深くに入り込んできて、私を理解という名の暴力でずたずたにされてしまう。

    ルサンチマンにおける僧侶的価値評価の巧妙な例え。タームとしては、奴隷道徳に該当するのかな。
    P95:ぶどうに手の届かなかった狐が、「あれは酸っぱい部ぶどうだ」と言ったとしても、それはすでにある価値空間の内部で対象の価値を引き下げているにすぎない。・・価値の転倒が起こるのは「ぶどうを食べない人生こそが良い人生である」と‐人に言いふらすだけでなく‐自分の内部で実感したときである。

    「力への意志」概念について言及していると思われるが、理解が追い付かない。むずい。。。
    P140:いまだ実現していない自分の欲望を「そうあるべき」という形で世界に押し付け、それゆえに暗に「ものごとの進行の全体を断罪」しないではいられない。欠如と苦悩を背負った者の隠微な復習意思を起点とする、本質的にルサンチマン的で、そうであるがゆえにロマンティックな世界観である。

    ここにも「力への意志」を理解する一助となる文章がある。
    P144:ニーチェの力への意志説は贋金をモデルにした貨幣論なのである。それは何かを‐じつは自分の必要から‐真理であると信じ込むことなしに生きてはいけない弱者の存在様式をモデルにした人間理解であり、弱さと卑小性を最も抽象化された本質を世界へ投影した世界解釈なのである。

    永遠回帰は仏教にある輪廻と相似かなと思ったら、全然違った。たった一つの固有である人生を良いも悪いも一切合切違わぬ形で永遠に繰り返すという思想だった。諦観・無常なんて概念はなく、途轍もなく人生への熱量が大きい気力たっぷりの概念かなと理解。
    「超人」は実社会には全く適応できない感は否めない。偶然の連鎖における必然性。話が逡巡するしていて掴みどころがないが、胸のわくわく感は止まらない。そんな感じ。
    P208:人生の無意味さは、耐えるべきものなのではなく、愛すべきものであり、悦ぶべきものであり、楽しむべきものなのである。

    ニーチェの第一歩を踏み出しましたが、ここにハマると沼だな。過激でカリスマ性を感じずにはいられない。気持ちを落ち着かせるためにも、次はもう少しフラットなニーチェ解説をしている本で中和しようと思う。

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    投稿日:2023.01.17

  • Φ

    Φ

    読むのにとても疲れた。
    しかし、こうした哲学的なプロセスはとても面白かった。

    わからない用語や一般的なニーチェ空間の扱いについては、山川の倫理用語集を参考にした。
    一歩一歩、対話形式で読むといいかもしれない。続きを読む

    投稿日:2022.05.16

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