【感想】かのこちゃんとマドレーヌ夫人

万城目学 / 角川文庫
(393件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
135
150
66
4
2
  • 一味違う万城目作品。

    他の万城目作品とは一味違った趣の小説だが、面白いのは相変わらずだった。

    ページ数は少なめだが読了後に物足りなさを感じることもなく、しっかりとしたストーリーを奏でている。

    主人公が猫と小学一年生の女の子ということもあり、ほのぼのとして明るい気分になれた。猫が人間の言葉を解するという点は万城目学らしいがその他では軽めの設定であるような感じがした。

    軽く読めるのであまり時間がない人でも気張らずに読めると思う。
    続きを読む

    投稿日:2016.12.27

  • 乳歯がぬけて・・・そして大人になっていく?

     猫のマドレーヌ夫人と小学1年生かのこちゃんの1シーズン。
     しかしこの二人?のペアの話が中心ではなく、少女にとっての初めての「フンケーの友」のお話と、猫にとっての「想いもよらぬ老犬と愛」のお話。それを万城目様の魔法をかけると・・・・ちょっと切ないけど、素敵で未来を感じる物語になります。 お勧めです。
    続きを読む

    投稿日:2016.07.23

  • さすがの直木賞候補作。暖かいだけでない、喪失と成長の物語。

    私は本当に万城目作品が好きだとわかりました。この本は比較的短く数時間で読み切れますが、その中にこれだけ贅沢で不思議な物語を入れ込んでくるのは万城目さん、すごいです。人の言葉を理解するネコと一緒に暮らす女の子。2人をとりまく家族と犬とそれぞれの友達。登場人物(動物)はこれだけで、かつ強烈な事件が起こるわけではありません。が、2人の日常がすごく不思議な視点で新鮮に描かれています。万城目さんによって不思議ワールドに自然に引き込まれていく感覚が、本当にクセになります。女の子の成長にゆっくりとつきあい、避けられない別れや喪失に読み手として一緒に向き合うことで、普段は意識しない自分の心の隠れた部分が味わえます。暖かくも切ない名作でした。続きを読む

    投稿日:2015.10.19

  • 期待以上でした

    初めましての万城目作品。
    表紙の猫に惹かれて(大の猫好き)。

    かのこちゃんは小学1年生の女の子、マドレーヌ夫人はアカトラの雌猫。マドレーヌの夫は玄三郎という…年老いた柴犬(!!)
    小さくもぶっとんだ笑いが作品にちりばめられていて、面白可笑しく読ませて貰いました・・・が!第4章の最後でまさかの涙!涙!悲しくて、それでいて美し過ぎる第4章のマドレーヌ夫人と玄三郎のエピソードは読む度に涙してしまいそうです。続きを読む

    投稿日:2015.07.13

  • 私は猫又である。

    猫主観は夏目漱石の吾輩は猫であるを思わせます。また、猫と犬と人間が織りなす物語は短いけれどぐっとくる作品です。自由と愛ある束縛を選ぶとしたら。人間の言葉が猫に通じているとしたら。犬と猫が言葉を交わすことができるとしたら。そんな猫をめぐるファンタジー。マドレーヌ夫人はどこに旅立ってしまうのでしょうか。それとも居残ってしまうのでしょうか。自由も愛ある束縛もどちらも代えがたいものです。小品ですが、いい作品です。続きを読む

    投稿日:2015.07.05

  • 優しい気持ちになる

    とても優しい気持ちになるお話です。
    幸せな気分で涙がこぼれるイイお話でした。

    投稿日:2015.04.06

Loading...

ブクログレビュー

"powered by"

  • MASIA

    MASIA

    万城目学、祝直木賞。

    小学1年生のかのこちゃん、人間の言葉がわかり、犬とも会話ができる、アカトラのマドレーヌ夫人、そしてマドレーヌ夫人の『夫』、年老いた柴犬の玄三郎。

    ほのぼのと話がすすんでいく…

    かのこって、名前は鹿の子からきてたなんて。
    『鹿が言われた』なんて…
    おとうさんは、鹿男なのか⁇

    茶柱、ならねう◯◯柱、笑えた。

    マドレーヌ夫人が乗り移った『かとりさん』はどうなったんだろう。
    ミンチの代金は…
    肉屋はどうしたんだろう…
    気になる…

    かのこちゃんとすずちゃんのお茶会もよかったな。
    また、かのこちゃんとすずちゃんが会えたらいいね。

    マドレーヌ夫人と玄三郎もいい夫婦だったな。

    マドレーヌ夫人、どっかに行ったとしてもきっと戻ってくるんだろう…

    続きを読む

    投稿日:2024.04.14

  • 名探偵へろこ

    名探偵へろこ

    万城目さんの本は初めて読みました。猫好きの私には犬と仲良しの猫もなかなかすごいなと思いながら読みました。かのこちゃんとすずちゃんの出会いと別れ、マドレーヌ夫人と玄三郎の出会いと別れ、成長に従い沢山の出会いと別れがあったことを思いだしました。乳歯が抜けて新しい歯が生えるように主人公も様々な経験をしながら大人へと育っていくんだろうな。沢山の人達に見守られながら。続きを読む

    投稿日:2024.04.13

  • もと

    もと

    万城目作品の中で、1番のお気に入り。

    指しゃぶりが外れないかのこちゃん。どこか気品漂う猫のマドレーヌ夫人。マドレーヌ夫人を想う優しい犬の夫、玄三郎。鼻ちょうちょを飛ばす仲良しのすずちゃん。どの登場人物を見ても何故か温かく心がホッとする。

    柔らかな日常に起こる驚きの出来事は、さすがの万城目ワールド。しかし決して派手ではなく、優しさに満ちた日常の中の出来事として溶け込み、物語がより一層風通しの良いものになっていると感じた。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.17

  • 葉月レモン

    葉月レモン

    このレビューはネタバレを含みます

    かのこちゃんかわいい!!
    とても純粋で、真っ直ぐでとても愛くるしい
    マドレーヌ夫人、あなたに会いたい!!
    とても気高くて、美しい心を持ったあなたが
    とても好きです

    マドレーヌ夫人はふらっとかのこちゃんの家の飼い猫になった。そこで出会った夫で犬の玄三郎と愉快なかのこちゃん一家と生活することに…
    はじめはかのこちゃんの、知恵が拓かれた瞬間を描いた物語。親指をしゃぶる癖が抜けなかったかのこちゃんだが、ふとしたときにマドレーヌに親指を舐められ、その信じられないくらい臭い匂いを嗅いでしまったことから親指しゃぶりを脱することに成功する(笑)
    あとすずちゃんとの出会いも素敵だったなぁ。
    次に描かれたのはマドレーヌ夫人が「猫股」になって、かのこちゃんに助言したり、玄三郎のためにお肉を入手したり、空き地を救うと思いきや、それが夢だったという物語。でも夢でありながらその勇気はちゃんと伝わっていて、心が温かくなった。
    次に描かれたのはかのこちゃんとすずちゃんの別れの物語。2人が夏祭りで過ごす楽しい時間や、別れの瞬間はとても儚くキレイだった。
    最後はかのこちゃんとマドレーヌ夫人の別れの物語。玄三郎をがんで亡くし、かのこちゃんは夫を亡くしたマドレーヌ夫人に家に縛られなくてもいいんだよと首輪をとって解放してあげることに…最後2人は離れ離れになったが、かのこちゃんがいつかマドレーヌ夫人とまた出会えたら嬉しいな。

    本作を通して、
    無垢な心や初心を改めて教えてもらえた。
    万城目さんはいつも私に
    かけがえのない想いを伝えてくれる。
    これからも万城目作品から目が離せない!!

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.03.13

  • Forever Galaxy

    Forever Galaxy

    最初読み始めたとき、何気ない日常を書いているほのぼのとした作品だと思っていた。しかし、かのこちゃん、マドレーヌ夫人を中心に展開されていく日常はとても柔らかい印象を与えつつ、いつかは訪れる別れの悲しみも表現している。また、作者の最後の比喩的メッセージがたまらなく良かった。続きを読む

    投稿日:2024.03.09

  • 雪だるま❄️

    雪だるま❄️

    万城目さんらしいファンタジー色は出しつつ、また新しい物語を読ませてくれた。
    最初の「知恵がひらかれた」というので引き込まれた。
    あまりに現実と離れていて冷めてしまう、みたいなことがないのが万城目さんの小説。
    かのこちゃんの可愛らしさや、マドレーヌと玄三郎夫婦が醸し出す空気が魅力的で、別れの話には切なさと透明感があって、総じてやっぱり面白かった。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.25

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。