【感想】クラインの壷

岡嶋二人 / 講談社文庫
(216件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
65
87
43
6
1
  • 「壺」にはまる不安感

    ヴァーチャルゲームのモニターとなった主人公が、仮想現実の先に見たものは―。

    二十年以上前にこの作品が書かれた、ということがスゴイ。
    何が真実なのか、はたまた真実でないのか、主人公と一体となって「仕掛け」にはまってしまうと、もう「壺」から抜け出せない。SF・ホラーの名作。続きを読む

    投稿日:2013.10.18

  • 切ない気分になれる名作ミステリー

    仮想現実をテーマにしたSFミステリーの名作。

    初版から25年が経ち、SFとしては使い古されてしまった感のあるガジェットが登場しますが、テンポの良い展開とぐいぐい読ませる筆力によって今でも十分に楽しめます。

    現実と仮想のあいだから抜け出せなくなった主人公の喪失感は、こういった良質な小説を読み終えた後に我々が感じる喪失感と限りなく一致していて、切なさが身に沁みます。
    続きを読む

    投稿日:2013.09.25

  • 知ってる人は知ってるよね、な本の一つ。

      「世界が存在していると言うことを証明するのは不可能である」という命題を基にしているホラー小説です。ちょっと前には小林泰三さんなんかを中心として「シュレーディンガーの猫」ものが流行っていますが、その更に前、これも大流行してました。『マトリックス』シリーズはその最後の輝きかな・・・。

     文章力とミステリ的な仕掛けの面白さも秀逸。ホラーやミステリを求めて読書を進めている人は、必ずどこかで出会うことでしょう。

     推奨は高校生以上。本好きであれば中学生も。
    続きを読む

    投稿日:2013.09.28

  • 内にも外にも繋がった挙げ句、出口がない。みたいな。

    多分、十数年振りくらいのブランクで再読。以前は図書館で借りて読んだと思われる。記憶していた通り、気持ち悪い終わり方する秀作である。素直に受け取ればそのまんまの解釈で良いのだろうが、敢えて疑ってみればいくらでも悩んでいられる。また、十年後くらいに読みたくなりそう。続きを読む

    投稿日:2016.02.15

  • 最高傑作。

    まいった。最近読んだ中で一番よかった。まいった。まいった。まいった。まいった。まいった。まいったまいったまいったまいったまいったまいった。って感じの内容です。買ってください。

    投稿日:2017.04.06

  • 奇妙なSFホラーミステリー

    ヴァーチャルリアリティがテーマのSFミステリー
    はじめは、ごく普通の近未来SF小説ですが、読み進めていくうちにだんだんと奇妙な話に引き込まれていきます。
    ホラー小説のような怖さではなく、不気味などうしようもない、絶望感の入り混じった恐怖があり、この本を読んでみないと味わえない気持ちにさせられます。
    20年以上前に書かれましたが、色褪せることのない作品。おすすめです。
    続きを読む

    投稿日:2017.04.13

ブクログレビュー

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  • 久能整

    久能整

    このレビューはネタバレを含みます

     今でいうVRを扱った王道SFミステリー。まだその存在が開発されていない時代に物語の要素として活用しているのがすごい。ラストの虚構と現実の区別がつかなくなる描写が怖かった。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.02.02

  • のいる

    のいる

    王道SFミステリ。
    ラストはありがちかと思いましたが、作品発表当時にこのVRの世界を表現しているのがすごいと思う。

    投稿日:2023.09.24

  • タエ

    タエ

    図書館でタイトルを見て、ああ懐かしいなと思い、思わず借りてしまった。
    当時は面白くて夢中で読んだ。タイトルも記憶に深く刻まれている。
    今回は展開を知っていた(覚えていた)ので、ワクワク感はなかったがそれでも面白かったし、今となってはメタバースへの警告に思える。続きを読む

    投稿日:2023.08.27

  • くりくん

    くりくん

    クラインの壺。引き込まれる。仮想空間?夢?に入り込む最新ゲーム「クライン2」。これがドラクエⅢ、ファミコン時代に書かれた作品とは思えない。全く色褪せない作品。ネタは使い古されている感はあるけど、最後まで良くもって楽しませてくれた。
    本当に1989年にかかれたとは思えない!
    続きを読む

    投稿日:2023.07.29

  • マクガフ

    マクガフ

    今でこそありがちなバーチャルリアリティネタだけど、90年代以前にここまで題材として昇華してるのは流石。プロットも読み易くキレイにまとまっていてバシバシ読み進められる。解散前最後の作品で、殆ど井上夢人氏の手によるもらしい。続きを読む

    投稿日:2023.07.27

  • JINTA(じんた)

    JINTA(じんた)

    岡嶋二人の作品は『99%の誘拐』『チョコレートゲーム』を読んで、本書『クラインの壺』を読んだ。事前知識など何も入れず、どんなミステリなんだろうと思って読み進めていった。衝撃だった。なんという世界観。これが1989年に出版されたというのだから、さらに驚き。SFの最前線を突っ走っている。2023年の今読んでも色褪せることがない。小説の中のこんな世界が現実になる日も近いかもしれないと、携帯電話すらない当時からスマートフォンが当たり前の時代になった今は思える。まるで大作映画を観た気分にも近い。『マトリックス』を初めて観た衝撃にも近い。映像でなく、文字のみだからこそこの無限の創造力を引き出したのかもしれない。読んでいる最中は本当に脳がバグっている感覚になった。最後に自分に問いたい。今生きている現実は本物か?そこまで考えさせられた本作は傑作。続きを読む

    投稿日:2023.07.26

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