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柴田聡, 長谷川貴弘 / 講談社現代新書 (8件のレビュー)
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総合評価:
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まりも
2012年出版。中国共産党の経済政策に関する構造的な話を期待したが、思ったよりも時事的な話が多く話題が古い印象。
投稿日:2022.01.09
KENJI
リーマン・ショック以後習近平成立時までの経済政策をまとめた本。政治体制や政府内経済主管庁などを丁寧に紹介してくれており、中国経済の置かれた状況だけでなく、中央地方関係など政治体制の面での経済政策なども…カバーされており読むに値する。本書後半で、著者の10年先の簡単な予測も試みており、巷で言われるような人口減少などがもたらすインパクトは10年以上先だとして、習近平の2期は中国経済は引きつづき力強さを持ち続けるとした論点は圧巻。続きを読む
投稿日:2014.03.01
matthewgp
このレビューはネタバレを含みます
2013年から始まった中国の習近平・李克強指導において中国経済がどのようになっていくか、あるいは日本(企業)がそのマーケットにおいてどのように戦っていくか、を論じた本。 上記のような問題意識のもとに書かれたのであろうことは容易に想像できるのだが、内容は表題からうける印象とは異なり、特に前半は中国における政治経済体制の入門編と言う感じである。中国の政治体制がどのようになっているか、その政治体制が経済に対してどのように影響を与えているか・・という点から、いわゆる西欧諸国との経済政策の違いを論じている。 後半は18大以前からの中国の経済問題を提示したうえで、今後の経済体制がどのようになるのかという予想も含めて論じている。後半は実際に中国に赴任経験がある著者の本領発揮というところだが、一方で中国経済にそれなりに興味をもって接している人間からすると、ほとんどの内容が既知であるように感じる(少なくとも僕はそうだった)。著者の業務の関係上書けないこともあるとは思うし、新書という形から専門的すぎる内容はかけないところもあるので、仕方ないとはおもうがこの点で評価がちょっと下がる。 中国経済に既に触れている人間には物足りない内容だと思うが、これからかの国について勉強したい、あるいはニュースの背景を知りたいと思う人にはお勧め。
投稿日:2014.01.08
koochann
GDP2位になった中国の経済発展はいつまで続くのか?習近平政権が2022年まで続く中で、米国を抜いて1位になる可能性も指摘する。なぜなら中国は全体では2位であっても、一人当たりGDPではまだ世界でも8…9位(2010年)と下位に過ぎなく、発展途上国の顔も持っている国であるとのこと。アンバランスさは、またこの国の奥深さを感じる。従って、成長余力に富み、高度成長期の日本とは異なるとのこと。貧富の差の大きさを表すジニ係数がなんと日本、米国よりも大きい!という事実は驚き。社会的な不平等は危機的な水準に達している。一方、共産党政権下で意思決定の速さ、一貫ぶりが中国の強みであることもこの著書を読む中で痛感する。その中心になる官庁が「国家発展改革委員会」略称・発改委とのこと。今後、中国の経済動向は目が離せない。続きを読む
投稿日:2013.08.15
コロちゃん
本書を読んで、「中国」はもはや内部が見えない謎の国ではなくなったと思えた。 中国は「社会主義市場経済」という「特色ある社会主義」をかかげ、「共産党一頭支配」という日本から見ても異質な政治体制をとっ…ているが、かつては見えなかったその内容がすでに既知のものとなり、研究されつつあることが本書でよくわかる。 「政経一体システム」という中国独特の体制は、今までの世界の歴史の中で、ほかにあったのだろうか。 本書では「中国の政経一体システムの最大の強みはスピードと実行力にある」とし、「激しい混乱が発生する経済危機への対応において特に効果を発揮した」という。 確かに2008年のリーマン危機以来の経済危機への機動的対応などを読むと、実に素早くかつダイナミックである。 また、「共産党」と「政府」との関係や「党のヒエラルヒー」の構造には「政治体制としての安定性と競争的な人材育生システムを両立する手法を、独自のスタイルで確立しているのが中国式」であるという。 これを読んで思わず「日本の政治」と比較してしまった。「財政」や「年金」、「政府」と「国会」、「選挙制度」などに多くの問題点を抱えながら、一向に改革が進まない日本。「2世議員」ばかりで劣化しているとしか思えない日本の「政治家」。 民主主義が確立されている日本は、政治体制として一党独裁の中国よりも優れているはずではなかったのかと、自問してしまった。 本書で、明らかにされている中国の「政経一体システム」は、すくなくとも危機対応において日本よりも優れているようにさえ思えた。 「国家指導者人事」で中国の政治体制を考察し、「経済政策」で中国の経済を明らかにしているが、GDPの比較として「2017年時点で米国は約19.7兆ドル、中国は20.3兆ドルとなり米中逆転がおこる」という。 日本は既にGDPで中国に抜かれているが、数年後には、日本は、ますます巨大になる中国と対峙しなくてはならないのかと、暗鬱とした思いで本書を読んだ。 本書では「日本は中国なしではやっていけないし、中国も日本なしではやっていけない構造になっている」とはいうものの、戦略的対応については「三国志」の国である中国の方がはるかに優れているように思える。 どうも、本書で予想される今後の世界は日本にとって楽観を許されない世界になるようだ。 本書は、中国の現状をよく知ることができる良書であるが、その内容は決して甘いものではない。 しかし、中国をよく知る日本人はみな「親中派」になるように思えるが、そうならざるを得ないということなのだろうか。 日本は、好き嫌いは別として中国と共に生きていかなければならないのだろうとは思うが、未来は苦難の道となりそうであると思えた。続きを読む
投稿日:2013.08.04
racdog
中国経済は根拠のない脅威論あるいは悲観論が跋扈しやすいですが、この本に関しては、ひたすら定点的に公平に中国経済を紹介している好著です 新書というのは、えてして一般向けの適当な内容が多いですが、この本に…関しては全然そういう事はなく、実績と経験、データの読み込みに担保されています続きを読む
投稿日:2013.04.01
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