十角館の殺人〈新装改訂版〉

綾辻行人 / 講談社文庫

総合評価:

4.6
(38件のレビュー)
28
8
0
2
0

この作品のレビュー

  • 一行で語られる真相

    ****************************************************************************************************************
    (あらすじ)
    有名な作家名をあだ名としてお互いを呼び合う程、推理小説にどっぷりはまった大学のミステリー研の面々7名が、十角形の館の立つ孤島での合宿を行う。館を立てた建築家、中村青司は、同島の別の屋敷の火災事故で一家もろとも無くなったというが、そこにはいくつもの懐疑点があったという。
    そして、唐突に始まる謎の連続殺人事件。犯人は7人の中にいるのか?それとも、8人目が潜んでいるのか?彼らの命を狙う理由は何なのか?

    時同じくして、島の外では、本土に残ったメンバーが、過去のメンバーでもあり研究会の歓迎会の最中の事故により死亡した中村青司の娘"千織"の死に関する怪文章を受け取り、偶然にも、中村青司と千織の、過去に起こった事故の真相を追う事となる。

    はたして、現在人知れず島で起こっている怪奇な大惨事と、過去に起こった事故による中村青司、千織の死との関係は?
    ****************************************************************************************************************

    外界との交信手段が途絶えたクローズドサークルで発生する事件と、同時に本土で行われるの過去の事故の調査とが、約1週間の出来事としてリアルタイムに並行して描かれていく本格派推理小説。

    どんでん返しの、たった一行の真相が面白い!
    一見ずるいようでいて、実はその全てに矛盾なく、ヒントとなる場面もしっかり描かれているので、終盤におけるたった一行での種明かしまでその事に気づけなかったのが、また悔しい。種明かしを読んだ時、全ての事件が一気に繋がります。

    なるだけ素直な気持ちで、犯人が誰なのか類推しながらゆっくりと読む事が、この物語を最高に楽しむコツだと思います。ひたすら先が気になり、スラスラと読み進んでしまった自分は惜しいことをしました。
    続きを読む

    投稿日:2013.09.24

  • 何度読んでも面白い傑作

    ミステリーには一度読めば満足するものと、真相に気づいてから改めて読み直すものがあります。この作品はまさに後者に属する部類の名作。
    こんなことをレビューに書くのは気が引けるけど、初読の人はぜひ電子書籍版ではなく、紙の新装版で読むことをおススメします。そして気に入ったらぜひ、手元でいつでも読み返せる一冊としてReaderに入れましょう。夏が来ると読み返したくなる、そんな一冊だと思います。 続きを読む

    投稿日:2013.10.03

  • 求めていたミステリーがここにある

    私自身あまりミステリーを読んでこなかったのでこのジャンルの初心者ですが、早い段階からこの書籍に出会うことかができて本当によかったと思います。
    最初は早く謎を解きたいと思っていましたが、謎が解明された時は解けてしまったことがもったいないと感じてしまったことはこれが初めてです。
    出来ることなら記憶を消してもう一度初めから読みたいと切実に願ってしまうほどに鮮やかな叙述トリックでした。
    今でも思い返しては「あの1行」が記憶のなかに刷り込まれてしまったことが悔しくも、しかし爽快という二律背反な感情が私の中に同居しています。

    外部との連絡のとれない絶海の孤島 その館でおこる連続殺人 
    有名で古典的すぎるこのテーマが上質な読み解くエンターテイメントとして成立しているのはやはり小説という媒体だからです。
    この作品をドラマや映画といった映像化作品には出来ないでしょう。出来たとしてもこの小説を読んだときの衝撃は絶対に再現できてないはずです。
    ミステリー小説の金字塔ともいえるこの作品が多くの人に愛される理由が良く分かりました。また、私にとっても愛すべき一冊となっています。
    続きを読む

    投稿日:2014.03.29

  • ここが元?

    改定前の初刊がおよそ30年前とのこと。
    隔絶された場所での連続殺人て、これまでも似たような設定で多くのミステリー作家さんがtryした作品多くあったように思うけど、そのお手本となる作家さんなのかなぁ…という位、著者の名前も作品も知りませんでした
    (恥ずかしながら)。
    携帯やパソコンなど全くない時代の話だったので、逆にいつもよりゆっくりと字面を追って読んだ気がします。最初「ン?」と引っかかったものがあったけどその「ン?」が日々起きる事件にかき消されて、最後騙されました。
    素直に読めるミステリーでした。

    続きを読む

    投稿日:2016.02.27

  • 日本の「新本格ミステリ」は本書から始まった

    おそらく出版されてすぐ読んだと記憶しています。
    クリスティの『そして誰もいなくなった』へのオマージュでもあるので、先に読了しておくと、さらに驚きを増すでしょう。
    ここからワタシのミステリ彷徨が始まったと思うと、たいへん感慨深いものがあります。
    歴史的意味でも傑作だし、終盤のあの「ひと言」は今でも鮮烈に覚えています。
    続きを読む

    投稿日:2013.10.15

  • サクッと楽しめた。

    15年以上ぶりに新装版で再読。当時は苦手感があったのだけど、今回の再読はサクサク読めて、とても面白かった。十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を訪れた大学ミステリ研の七人。一人、また一人と殺されていく中で、果たして最後に残るのは…そして犯人は…。じわりじわりと広がっていく恐怖と猜疑感が良いですね。そして何とも言えない哀しさが滲むラスト。苦手感も払拭したのでシリーズ読んでみようかな。 続きを読む

    投稿日:2014.08.31

クーポンコード登録

登録

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。