ザボンの花

庄野潤三 / 講談社文芸文庫
(3件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • setsusan3

    setsusan3

    このレビューはネタバレを含みます

    Aから借りた本。夏のはじまりに借りて、やっと読めた。
    これは庄野にとっての最初の長編小説らしい。とすると庄野潤三ははじめから晩年の作品につづく家庭の姿を自分の文学のなかに見ていたことになる。
    一家が大阪から越して東京に住みはじめた頃の話で、山の上の家とはまた別の味わいがある。ここには井伏鱒二の甕も、英二おじちゃんのバラもないが、そのぶん庄野がもとめていた家族の原型みたいなものを見ることができる気がする。確立してないからこそ、夫婦の願望やまだ若い心の動きがよく描かれているような。妻がヤドカリを四人分(長男、長女、次男、自分)買ってきて、名前を付けて飼ってるところいいな。ヤドカリはある日、二匹いなくなって物語の最後にはもう二匹もどこかへ逃げている。家族の印象的なエピソードは他にもいくつもあり、いま自分が家族の小説を書いているから、きっと影響されているなと思いながら読んだ。

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    投稿日:2021.08.29

  • norihon

    norihon

    昭和30年頃に、大阪から東京の田舎に引っ越してきた矢牧家5人の物語。巻末の解説には平凡な家族の生活の底に渦巻く「不安」や「危機」といった難しいことが記されている。しかしそれらは重要なことではないのではないだろか。昔よりも今の方が民主的で平等でいい世の中になっていると思う。でも抑圧され閉塞された当時の時代の中で、貧しいがゆえに豊かで伸び伸びした人々の心が、時代を超えて伝わってくる。それが大事だと思う。続きを読む

    投稿日:2019.09.17

  • 本屋のおっさん

    本屋のおっさん

    郊外に越してきた、父、母、三人の子どもたち。
    彼らの平凡な暮らしが、彩り豊かに描かれる。
    雲雀を追いかけて、えびがにで大騒ぎして、ゴムだんで遊んで、はちみつをつまみ食いして、アフリカに思いを馳せて、花火して…。
    何気ない日常が、これほど愛おしいものとは。
    騒がしく、楽しく、すこしとぼけて、愛らしくて、ほんの少し寂しさを感じて。
    ずっと彼らの暮らしを見ていたくなる。
    続きを読む

    投稿日:2018.10.14

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